レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年09月16日
- 登録日時
- 2012/01/24 08:40
- 更新日時
- 2012/06/05 13:48
- 管理番号
- 埼熊-2011-140
- 質問
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解決
埼玉・東京周辺の伊勢講の場所について知りたい。
- 回答
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以下の伊勢講に関する記述のある資料を紹介した。
埼玉県に関する資料を調査する。
『お伊勢さんと武蔵 霞会館資料 30』伊勢講の場所についての記述なし。
p163「武蔵国の神明社」の項に、伊勢信仰と関係のある神明社について、次のような記述あり。
「神明社は神宮の領地である御厨・御薗の地や御師の手代(先達)が回檀する時に宿泊した「お伊勢宿」に始まるものが多く、天照大神(大日孁貴)や豊受大神をお祭りしている。東京都や埼玉県では表4に示したごとく、東京都本社四八社・境内社十三社、埼玉県本社七四社・境内社二一社が知られる。」表4に、県内の神明社の本社と境内社の数が郡、市ごとの掲載あり。
p174に、「埼玉県内の神明社分布図」掲載あり。
民俗学に関する資料を調査する。
『社寺参詣と代参講』p19-22「参宮と伊勢講」の項に、世田谷の伊勢講の存在について次の記述あり。
「奥沢新田において、宝暦十三年(一七六三)正月二十一日に、村民五十四人で伊勢講が結成された」
「上野毛田中家文書の宝暦十四年「御用日記」に、正月七日付の参宮の関所手形が載せられているが、その末尾に「我等世話致伊勢講取立置候而遺之候」とあり、この頃には上野毛村に伊勢講が存在していたことが分かる」
p20に他の村については全く不明という記述あり。
『桜井徳太郎著作集 1 講集団の研究』p257「代参講としての伊勢講」に、次の記述あり。
「伊勢参宮を目的にして村や町の地域社会に結成される講の数は余りにも多いので、それらを一々調べ尽くすことはとうていできないであろう。(中略)伊勢講の組織は、他の信仰的講集団の場合と同じく大小様々である。三~四軒で一組をつくるものもあれば、一部落、一町内が一組をなすものもある。それも部落全戸が加入する例があるかと思うと希望者だけが自由に参加する場合も多い。まことに千差万別である。」
宗教に関する資料を調査する。
『伊勢参宮』p125「『大神宮故事類纂』雑載部三十三は私祈祷檀家の記載されているもので、安永6(1777)年、外宮の御師の名とその檀家がしるされている」とある。
「大神宮故事類纂」国会・マイクロフィルム所蔵
p144-148「神宮信者の全国分布」(安永6「私祈祷檀家帳」による)
p145 関東(常陸・下野・上野・上総・下総・安房・武蔵・江戸・相模)の檀家の軒数あり。
『神宮御師資料 内宮篇 資料叢書 1』「配札之国郡」に武蔵国は散見されるが、「武蔵国 東京市中、同国 大里郡弐拾八ヶ村町、同国 比企郡 拾三ヶ村」(p81)のような書き方で、個別の町村名はない。
p199 御師の配札地域の国別表あり。
『神宮御師資料 外宮篇 1-4』「配札之国郡」の記述は、内宮篇と同様。
- 回答プロセス
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その他、調査した資料は以下のとおり。
『国史大辞典 1 あ-い』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1979)
『東京市史稿 事項別目次索引』(東京都編 東京都 1998)
『三田村鳶魚全集 別巻』(三田村鳶魚著 中央公論社 1983)
『神宮御師資料 6』(皇学館大学史料編纂所編 1988)
『新編埼玉県史 別編1 民俗1』(埼玉県 1988)
『新編埼玉県史 別編2 民俗2』(埼玉県 1986)
『江戸時代の伊勢参宮』(吉原道正著 吉原宣方解説 楽友舎 2002)
『伊勢神宮の謎』(高野澄著 祥伝社 1992)
『お伊勢まいり』(神宮司庁編 神宮司庁 1990)
『伊勢信仰 1 古代・中世 民衆宗教史叢書 1』(雄山閣出版 1985)
『伊勢信仰 2 近世 民衆宗教史叢書 13』(雄山閣出版 1984)
『神宮参拝記大成 大神宮叢書』(神宮司庁編 岐阜 1937)
『神道信仰と民衆・天皇制』(藤谷俊雄著 法律文化社 1980)
『伊勢道中日記 旅する大工棟梁 神奈川大学日本常民文化叢書 6』(西和夫編 平凡社 1999)
『お伊勢まいり 岩波新書』(西垣晴次著 岩波書店 1983)
『お伊勢まいり』(神宮司庁編 伊勢神宮崇敬会 1997)
『広場と村落空間の民俗学』(市川秀之著 岩田書院 2001)
『近世村落と現代民俗』(福田アジオ著 吉川弘文館 2002)
『東日本の山岳信仰と講集団』(西海賢二著 岩田書院 2011)
『にっぽん御利益紀行』(佐藤常治著 荒地出版社 1982)
『日本村落信仰論』(赤田光男著 雄山閣 1995)
『宮座と当屋の環境人類学』(合田博子著 風響社 2010)
- 事前調査事項
- NDC
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- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『お伊勢さんと武蔵 霞会館資料 30』(霞会館資料展示委員会編 霞会館 2007)
- 『社寺参詣と代参講』(世田谷区立郷土資料館 1992)
- 『桜井徳太郎著作集 1 講集団の研究』(桜井徳太郎著 吉川弘文館 1988)
- 『伊勢参宮』(宮本常一著 社会思想社 1971)
- 『神宮御師資料 内宮篇 資料叢書 1』(皇学館大学史料編纂所編 皇学館大学出版部 1980)
- 『神宮御師資料 外宮篇 1-4』(皇学館大学史料編纂所編 皇学館大学出版部 1982-1986)
- キーワード
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- 民間信仰-埼玉県
- 伊勢講
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000100483