レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2023/12/09 10:04
- 更新日時
- 2023/12/10 16:55
- 管理番号
- R1005163-153
- 質問
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解決
羊羹になぜ羊という文字が付くのか、歴史について知りたい。
- 回答
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●羊羹の語源について記載のある資料
・『日本語源大辞典』 前田富祺/監修 小学館 2005.4 ISBN:4-09-501181-5
p1149 中国の羊肉の羹を原型とするもの。古くは禅宗文化とともに渡来したが、日本では小豆を主原料として羊の肝の形につくって蒸し、汁に入れて提供された。
・『和菓子の由来』 櫻井美孝/著 文芸社 2013.12 ISBN:978-4-286-14584-6
p45~p47 羊羹の語源と日本へ輸入されてから、現在の甘味への移り変わりの流れが記載されている。
・『衣食住語源辞典』 吉田金彦/編 東京堂出版 1996.9 ISBN:4-490-10434-0
p328 原型は羊肉の羹であることからこの名前がある。のち、汁の実である蒸し物だけが茶菓子として提供され、さらに菓子として練羊羹になったと記載されている。
・『大江戸美味(むま)草紙』 杉浦日向子/著 PHPエディターズ・グループ 2016.3 ISBN:978-4-569-82411-6
p125~p126 羊羹の本家は中国で、遣唐使によって日本にもたらされた。羊の肉や肝のスープだった。当時の日本は肉食を禁じられており、赤小豆、小麦粉、葛粉などをすりおろした山芋と合わせて、羊の肝に似せて蒸しあげた。
・『史料でみる和菓子とくらし』 今村規子/著 淡交社 2022.3 ISBN:978-4-473-04492-1
p35 和菓子トリビアに羊羹の名前の由来が書かれている。また、当時の羊羹を再現した写真も掲載されている。
●羊羹の歴史について記載のある資料
・『日本の食文化 6』 吉川弘文館 2019.11 ISBN:978-4-642-06841-3
p150~p151,p153~p158 鎌倉・室町時代に禅宗の僧侶によってもたらされた新たな食習慣である点心の中にも羊羹が含まれている。中国で学んだ僧侶たちが羊や猪など、動物性の材料を使った食物を植物性の材料を用いた精進料理に置き換えて日本に定着させた。室町時代には広く食べられていた。当初の羊羹は菓子ではなく、独立した調理物であったが、江戸時代初頭には羊羹は甘い菓子として認識されていた。
・『美しい和菓子の図鑑』青木直己/監修 二見書房 2021.5 ISBN:978-4-576-21063-6
p133 鎌倉から室町時代に僧侶がもたらした点心の1つ。
●その他羊羹に関する資料
・『THE PASTRY COLLECTION PART2』 林周作/著 KADOKAWA 2019.10 ISBN:978-4-04-734315-3
p192 原点である中国の羊羹が写真で掲載されている。日本の羊羹とは比べ物にならないほど甘味が薄い。
・『和菓子を愛した人たち 』虎屋文庫/編著 山川出版社 2017.5 ISBN:978-4-634-15104-8
p34~p35 羊羹を好んだ人物として、夏目漱石、谷崎潤一郎が挙げられている。
・『虎屋和菓子と歩んだ五百年』黒川光博/著 新潮社 2005.8 ISBN:4-10-610132-7
和菓子屋で有名な虎屋のこれまでの歴史の中に欠かせない重要な菓子として、羊羹が取り上げられている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 10版)
- 食品.料理 (596 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000343199