レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/05/13
- 登録日時
- 2010/10/28 02:03
- 更新日時
- 2010/11/16 14:28
- 管理番号
- 埼熊-2010-025
- 質問
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解決
本居宣長に関して次のことを知りたい。
1 「本居宣長の両親が、宣長のことを吉野水分神社(みまくりじんじゃ)の申し子だと言い聞かせて育ててきた。」
(松岡正剛「千夜千冊」 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0992.html 2010/05/11最終確認)という記述の出典は何か。
2 本居宣長「みくまりの神の誓いのなかりせばこれのあが身は生れこめやも」 の出典は何か。
- 回答
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該当の記述のあるものとして次の資料を紹介する。
1 【本居宣長の著書】
①『本居宣長全集 18 詩文稿他』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1973)
「菅笠日記」収録。
p347 該当の記述あり。
「(蔵王堂から十八町上ったところに)子守の神まします。此の御社は。~むかし我が父なりける人。子もたらぬ事を。深くなげき給ひて。はるばるとこの神にしも。禰ことし給ひける。~かつがつ願ひかなひぬと。~われはさてうまれつる身ぞかし。~母なんもののついでごとにはのたまひいでて。涙おとし給ひし。」
②『本居宣長全集 16 日記』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1974)
「日記」収録。
p5 該当の記述あり。(漢文のみ。父が吉野山の子守明神に参詣して子を授かったことと、13歳になったら感謝のために参詣するとの記述)
③『本居宣長全集 20 門人録他』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1975)
「家のむかし物語」収録。
p26 該当の記述あり。
「宣長、父は道樹君~(子どもが欲しくて)、大和国吉野の水分神は、世俗に、子守明神と申して、(~)此の神に祈り給ひて、(もし男子を授かったら13歳になった時に自分で)率いて詣で、かへり申し奉らん。(と祈って宣長が生まれた。父は先になくなり、13歳になって母がその願いを思い出し水分の神に詣でた。)」
【その他の図書】
④『本居宣長の生涯 その学の軌跡』(岩田隆著 以文社 1999)
「第1章 男児出生-水分の神の申し子」あり。
p12 「十三歳、半元服を機に書き始めたと思われる『日記』の見返しに、彼は端正な文字で次のように書いている。」とあり、以下、水分神社についての記述あり。
このほか、晩年の寛政十年(1798)に書いた『家のむかし物語』、二度目の水分参詣となった旅の記録『菅笠日記』の中にも、水分神社についての記述あることが紹介されている。
p17 「宣長が三度目に、・・・水分神社に詣でたのは、かれの七十歳の春であった。
・・・この時に詠んだ歌が「よし野の歌」として『寛政十一年若山行日記』に書き留められている。これに手を加えて整理したのが「吉野百首」であり、『鈴屋集』巻四に収録する。」とあり。
⑤『本居宣長 (人物叢書)』(城福勇著 吉川弘文館 1988)
p6 「大和国(奈良県)吉野の水分神は、世間では子守明神といって・・・もし男子を得させて下さるなら、その子が十三歳になったとき、「みづから率て詣で、かへり申奉らん」(『家のむかし物語』)という願を立てた。」とあり。
「宣長は、こうして自身は水分神の申し子として生まれたと堅く信じ、『鈴屋集』巻四 「吉野百首」中にも、みくまりのかみのちはいのなかりせばこれのあが身はうまれこめやも などと詠んでいるのである。」とあり。
2 質問の歌は『寛政十一年若山行日記』に書き留められ、その後『鈴屋集 巻四』にまとめられた。
②『本居宣長全集 16 日記』(本居宣長著 筑摩書房 1974)
「寛政十一年若山行日記」収録。
p549 該当の歌あり。
⑦『本居宣長全集 15 鈴屋集』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1969)
「鈴屋集 四」収録。
p84 該当の歌あり。
- 回答プロセス
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本居宣長の著作等関連資料を調査する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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- 『本居宣長全集 16 日記』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1974)
- 『本居宣長全集 20 門人録他』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1975)
- 『本居宣長全集 18 詩文稿他』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1973)
- 『本居宣長の生涯 その学の軌跡』(岩田隆著 以文社 1999)
- 『本居宣長 新装版 (人物叢書)』(城福勇著 吉川弘文館 1988)
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『本居宣長全集 15 鈴屋集』(本居宣長〔著〕 筑摩書房 1969)
- キーワード
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- 本居 宣長(モトオリ ノリナガ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000072960