レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/07/29
- 登録日時
- 2010/08/19 02:00
- 更新日時
- 2022/08/15 15:46
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-23
- 質問
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解決
大徳寺納豆の作り方を知りたい。
- 回答
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大徳寺納豆は,寺納豆・唐納豆や浜納豆とも呼ばれ,蒸し大豆にコウジ菌を作用させ塩味をつけて日干した保存食です。
現在も京都紫野にある大徳寺山内の塔頭寺院や門前の店で作られています。中国から禅僧によって持ち帰られた製法を一休禅師が大徳寺に伝えたといわれています。
姿形は糸を引く通常の納豆(糸引納豆)とは異なり,大小織り混ざったぼそぼそした黒い粒(塩辛納豆)で,発酵食品独特の酸味と甘味はお茶うけや酒の肴によく合います。
製法は,真夏に大豆を水につけて蒸煮し,コウジ菌と大麦または小麦を炒って製粉したものをふりかけてまぜ,コウジ蓋に入れてムロに納めます。1週間ほどたち,大豆に薄く白いカビ(=豆コウジ)ができたら,これを塩水に浸します。2,3日後,豆コウジが塩分を吸収したら樽に入れ,攪拌(かくはん)を繰り返しながら熟成させ,約2ヶ月天日乾燥を続けて仕上げます。
- 回答プロセス
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●京都の料理に関する資料を調べる
【資料1】作られている所として,大徳寺の塔頭では真珠庵・玉林院・瑞峰院・総見院,門前の店では『一久(いっきゅう)』『磯田』がある。磯田の製法が詳細にカラー写真付で紹介されている。
●日本料理に関する資料を調べる
【資料2】製法が簡単に説明されている。カラー写真あり。
【資料3】製法について記述あり。
●納豆に関する資料を調べる
【資料4】【資料5】塩辛納豆の作り方について簡単な記述あり。
●京都の食品に関する資料を調べる
【資料6】『一久』の製法について詳細な記述あり。
●門前の店『磯田』『一久』から調べる
【資料7】【資料10】『磯田』の大徳寺納豆の紹介。製法については少し。
【資料8】【資料9】『一久』について,店と製品の大徳寺納豆の紹介。製法については記述なし。
※2店のホームページを調べる。
磯田のホームページに作り方について記述あり。http://www.honke-isoda.com/user_data/wdn02.php(2010年8月22日確認)
“一昔前には京都などの家庭でも作って食していた”との記述あり。
●発酵食品,伝統食品から調べる
【資料11】【資料12】製法について詳しい。
●大徳寺関連の資料,納豆や保存食の料理本(レシピ),京都の家庭料理に関する当館所蔵資料には製法の記述見当たらず。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 8版)
- 食品工業 (588 8版)
- 日本 (291 8版)
- 参考資料
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- 【資料1】『京都味の風土記』 (菊池昌治ほか著 新潮社 1989) “大徳寺納豆” p43~47
- 【資料2】『味匠-常用の美味』 (講談社 1982) “納豆” p50,150 “大徳寺納豆” p218
- 【資料3】『穀物・豆(新・食品事典 1)』 (河野友美編 真珠書院 1992) “塩辛納豆” p145~146
- 【資料4】『くさいはうまい』 (小泉武夫著 毎日新聞社 2003) “塩辛納豆” p54
- 【資料5】『納豆の快楽』 (小泉武夫著 講談社 2000) p28
- 【資料6】『京都味の手仕事』 (京都新聞社編・発行 1984) “大徳寺納豆・一久” p14~17
- 【資料7】『続・京の老舗をたずねて』 (松村茂文 サンブライト出版 1979) “大徳寺納豆・磯田” p18~23
- 【資料8】雑誌『月刊京都 1985年12月号』 (美乃美) “一久” p64~65
- 【資料9】雑誌『月刊京都 2005年5月号』 (白川書院) “大徳寺納豆・一久” p35
- 【資料10】『京都通こだわりの手みやげ100』 (中野弘子編集・選 淡交社 1999) “大徳寺納豆 本家磯田” p108~109
- 【資料11】『発酵ハンドブック』 (板倉辰六郎ほか監修 共立出版 2001) “寺納豆(大徳寺納豆,浜納豆)” p616
- 【資料12】『日本の伝統食品事典』 (日本伝統食品研究会編 朝倉書店 2007) “寺納豆(大徳寺納豆,一休寺納豆,浜納豆)” p80
- キーワード
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- 大徳寺納豆
- 唐納豆
- 一休寺納豆
- 塩納豆
- 寺納豆
- 浜納豆
- 塩辛納豆
- 味噌納豆
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000070164