レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/07/14
- 登録日時
- 2011/07/15 02:00
- 更新日時
- 2011/07/15 02:00
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-100410
- 質問
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解決
中国語学者・藤堂明保が昭和45(1970)年頃に雑誌『文学』(岩波書店)に書いた,『漢字』(白川静 岩波書店 1970)についての書評を読みたい。また,白川静がこの書評に対して反論した記事も読みたい。
- 回答
-
1.雑誌記事の調査について
雑誌の記事は「雑誌名」「タイトル」「著者名」「出版年」などからお調べすることができます。国立国会図書館の蔵書検索システムhttp://opac.ndl.go.jp/ (最終アクセス日:2011/7/9)で雑誌記事索引を検索したところ,下記の記事が見つかりました。所蔵資料として,下記資料を確認しました。
2.検索した雑誌記事について
(1)藤堂明保の論評は,下記資料に掲載されていました。
資料1 藤堂明保 『白川静著「漢字‐生い立ちとその背景‐」』『文学』岩波書店, 38巻7号, 1970. pp.106-112
p.112「まとめ」の項において,次のとおり評しています。
「(前略)要するに白川さんのこの書は,『漢字のなりたち』を説いた書としては,どうもふさわしくない。そうではなくて,古代に発した宗教儀礼が後世にどう変貌し,古代人の心がどのように後世の事象に反映したか,という中国の文化史の一つとして読めば,大変おもしろい。じつをいうと,その点では私もたいへん教えられた。この本をよんでおもしろいと感じるのは,まさにその点である。だから責任は,『漢字のなりたち』という企画を白川さんにおしつけた書店編集者にあるといってよい。(後略)」
(2)白川静の反論は,下記資料に掲載されていました。
資料2 白川静「文字学の方法」『文学』岩波書店, 38巻9号, 1970. pp.93-110
pp.107-110「五 文字学の目的」の項において,次のとおり述べています。
p.110「(前略)私ははじめ,このような品格をもたない書評を無視する考えであった。(中略)私がこの書の執筆者として不適当であるというような発言は,私の研究に不案内な人ならば,なお慎しむべきであろう。しかしそれも,私にとっては何の痛痒もないことである。ついには,本書の編集部に対しても,執筆者の選択を誤まったという攻撃が加えられた。これについては私も著者として共同の責任を負うものであるから,不本意であるが一言する必要があると思うに至ったのである。(後略)」
この記事は,下記図書資料3-4にも収録されていました。
資料3『文字逍遥』白川静. 平凡社, 1987【821.2/シ1】
資料4『白川静著作集3』白川静. 平凡社, 2000【222/1999.Y/3】
- 回答プロセス
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1.国立国会図書館雑誌記事索引を検索
2.当館の所蔵資料を確認
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 漢字. 白川 静/著. 岩波書店, 1978【IS/アオ/747】
- 文學. 岩波書店. 岩波書店, 1931-【P910/フ】
- 文字逍遥. 白川 静/著. 平凡社, 1987.4【821.2/シ1】
- 白川静著作集 3. 白川 静/著. 平凡社, 2000.2【222/1999.Y/3】
- キーワード
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- 藤堂, 明保(トウドウ, アキヤス)
- 白川, 静(シラカワ, シズカ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000088499