レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年07月25日
- 登録日時
- 2013/07/25 17:29
- 更新日時
- 2014/02/12 13:04
- 管理番号
- 千葉市中央044
- 質問
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解決
「煙草は体に悪い」という認識はいつ頃からあったのか知りたい。
- 回答
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1604年にイングランドのジェームズ1世が唱えた「タバコ排撃論」が、調査した中では最も古い事例であった。
この他、1928年にイギリスで発表された「紙巻たばこが肺癌の原因になる」という論文や、1939年に西ドイツで「ヘビースモーカーに肺がん患者が多い」という報告について紹介した資料がある。
また、日本において喫煙と健康の関係についての記述がなされたのは、1713年に貝原益軒の著した『養生訓』が最初のものであるとした資料があった。
- 回答プロセス
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千葉市図書館所蔵資料の中から、「たばこ」に関する資料を調査した。
自館OPACで件名検索。キーワード「禁煙」「喫煙」[1]『喫煙と健康 喫煙と健康問題に関する報告書』(厚生省/編 健康・体力づくり事業財団 1987)
第1章の「1.歴史的背景」のなかで、明治~昭和(戦後)にかけての日本の喫煙対策について解説されている(3~6ページ)。
「わが国における喫煙と健康に関しての記述がされたのは、貝原益軒の『養生訓』(正徳3年:1713年)が最初のものであろう。」(4ページ)
[2]『養生訓・和俗童子訓 岩波文庫』(貝原 益軒/著 岩波書店 1982)
たばこについての記述は96ページにある([1]で引用された部分)。
「烟草は性毒あり。烟をふくみて、眩ひ倒るる事あり。習へば大なる害なく、少は益ありといへ共、損多し。病をなす事あり。又火災のうれひあり。習へばくせになり、むさぼりて、後には止めがたし。事多くなり、いたつがはしく家僕を労す。初よりふくまざるにしかず。貧民は費多し。」[3]『タバコ狩り 平凡社新書』(室井 尚/著 平凡社 2009)
「第二章 なぜ、喫煙=悪になったのか」(29~60ページ)のなかで、禁煙運動の歴史が解説されている。
「歴史上、最初に禁煙運動を行ったのはイングランド王のジェームズ一世であると言われています。彼は、一六〇四年に、「タバコ排撃論」を唱えました。・・・(中略)・・・彼はタバコを「肺に危険な風習」であるとし、タバコの煙を「地獄から立ち上る業火の煙」と表現しています。」(30ページ)[4]『日本大百科全書 14 そ-たろ 2版』(小学館 1994)
「タバコ」については、839~852ページに記述がある。そのなかで「喫煙と健康問題」の項目がある。
「一九二八年にイギリスで紙巻きたばこの喫煙が肺癌の原因になるという論文が発表されると、その後各国でこの問題について研究が行われた。」(851ページ)・「喫煙防止教育パンフレットの解説」財団法人日本学校保険会
http://www.hokenkai.or.jp/3/3-5/3-5-frame.html
「1 たばこの歴史」のなかで、たばこの起源から、現在のような喫煙対策がとられるまでの歴史が解説されている。
「1930年代になって、肺がんの急激な増加がみられるようなったことから、大量に消費されていたたばことの関連が疑われるようになった。1939年には西ドイツのがへビースモーカーに肺がん患者が多いことを報告している。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 9版)
- 参考資料
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喫煙と健康問題に関する報告書. 厚生省, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001906781-00 -
貝原 益軒/著 , 石川 謙/校訂. 養生訓・和俗童子訓. 岩波書店, 1982. (岩波文庫)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000100317-00 , ISBN 4003301013 -
室井尚 著. タバコ狩り. 平凡社, 2009. (平凡社新書 ; 468)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010300277-00 , ISBN 9784582854688 -
日本大百科全書 14 2版. 小学館, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002800306-00 , ISBN 4095261145
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喫煙と健康問題に関する報告書. 厚生省, 1987.
- キーワード
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- 喫煙
- 禁煙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000134300