レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年07月04日
- 登録日時
- 2023/05/23 17:00
- 更新日時
- 2024/01/11 14:49
- 管理番号
- 横浜市中央2698
- 質問
-
解決
日本で最初に店舗を構えて料理を提供する形の飲食店が誕生したのは江戸時代だと聞いたが本当か。
また、江戸時代の飲食店の発展についても知りたい。
- 回答
-
1 日本初の店舗を構えた飲食店についての資料
「奈良茶」という名で茶漬飯を売り出した浅草金竜山の門前の茶屋が日本の飲食店のはじめとする
資料が見つかりましたのでご紹介します。
(1)『世界大百科事典 28(メ-ユウ)』 平凡社 2014.12
p.64-65 「めしや 飯屋」
「飯や惣菜で手軽に食事をさせる店。(中略)江戸では明暦の大火(1657)後、浅草金竜山(待乳
山)の茶店が奈良茶と銘打って、茶飯に豆腐汁、煮しめ、煮豆などを添えて売り出して評判になっ
た。《西鶴置土産》(1693)によると、当時京坂にはまだこうした種類の便利な店は存在せず、《守
貞漫稿》はこの奈良茶が日本の食店(飯屋)の元祖であろうといっている。」
(2)『守貞謾稿 巻5』喜田川季荘/編
国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/pid/2592394)
34コマ 「茶漬屋」
『守貞謾稿』は喜多川守貞が天保8(1837)年に記録を始め、嘉永6(1853)年に
成立した江戸後期の風俗誌です。
明暦の大火後に「奈良茶」という名で茶漬飯を売り出した浅草金竜山の門前の茶屋について、
「右ノ奈良茶 皇国食店ノ鼻祖トモ云フベシ」と書かれています。
(3)『近世風俗志 1 岩波文庫』 喜田川守貞/著 岩波書店 1996.05
p.197~198 「茶漬屋」
『守貞漫稿』を翻刻した資料です。
(4)『江戸あきない図譜』 高橋幹夫/著 青蛙房 2015.12
p.169~170 「茶漬屋」
上記の茶漬屋について、『守貞漫稿』の記述を中心に解説しています。
2 江戸時代の飲食店の発展についてわかる資料
(1)『江戸の食生活 岩波現代文庫』 原田信男/著 岩波書店 2009.2
p.1~41 「序 江戸の食べ物商売」
江戸時代の飲食店の発展についてまとめられています。
同著者の著作である下記の⑵~⑷の資料にも同様の内容が書かれています。
(2)「江戸の食べ物屋 振売から料理茶屋まで」原田信男/著
(『落語にみる江戸の食文化』 旅の文化研究所/編 河出書房新社 2000.02)p.105~127
(3)『江戸の食文化 和食の発展とその背景』 原田信男/編 小学館 2014.5
p.123~158 「第4章 庶民も楽しんだグルメ社会の誕生」
(4)『和食の歴史 和食文化ブックレット』 原田信男/著 思文閣出版 2016.11
p.52~57 「料理屋と会席料理」
(5)『日本の食文化史 旧石器時代から現代まで』 石毛直道/著 岩波書店 2015.11
p.144~152 「料理旅館」、「茶屋」から始まる江戸時代の飲食店の発展について書かれています。
(6)「江戸の料理屋 -安永・天明期文化との関連において-」神保五彌/著
(『全集日本の食文化 第2巻 食生活と食物史』 雄山閣出版 1999.01)p.199~209
江戸時代の飲食店について、当時執筆された資料をもとに解説しています。
(7)『日本食物史』 江原絢子, 石川尚子, 東四柳祥子/著 吉川弘文館 2009.7
p.149~152 「江戸の食べ物屋」
p.152~158 「料理屋と料理形式」
立ち食いなどの簡易な食べ物屋と、料理茶屋の発展について解説しています。
(8)『食卓の日本史 和食文化の伝統と革新』 橋本直樹/著 勉誠出版 2015.12
p.146~151 江戸時代の食べ物屋の発展について書かれています。
(9)『日本人のひるめし 読みなおす日本史』 酒井伸雄/著 吉川弘文館 2019.3
p.104~130 「第四章 外食の発達」
江戸時代の飲食店の歴史と、すし、天ぷらの屋台の発展について解説しています。
(10)「江戸の飲食店-煮売りから料理茶屋へ」 平田萬里遠/著
(『たべもの日本史総覧』 西山松之助/ほか著 新人物往来社 1994.04)p.68~73
江戸の町における飲食店の発展について書かれています。
(URL最終確認日:2023年1月29日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000333473