レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月07日
- 登録日時
- 2023/05/23 16:51
- 更新日時
- 2024/01/11 14:49
- 管理番号
- 横浜市中央2697
- 質問
-
解決
日本で中折帽子はいつ頃普及したのか。また、そのころの価格も知りたい。
- 回答
-
中折帽子が普及した時期や、その当時の価格が分かる資料をご紹介します。
1 中折帽子が普及した時期が分かる資料
(1)『写真でみる日本洋装史』 遠藤武、石山彰/著 日本図書センター 2014.6
p.103 帽子・ショール・小物の流行
「中折(帽子)は明治二十年代になって普及し」との記述があります。
(2)『東京の帽子百二十年史 明治・大正・昭和』
「東京の帽子百二十年史」編纂委員会/編 東京帽子協会 2005.5
p.20 中折帽の写真があり、「明治中期に流行した中折帽」とのキャプションがあります。
p.34 「当時の雑誌が紹介した冬の流行帽子」として、明治28(1895)年刊行の
「衣服と流行」における冬の帽子の流行に関する記述が紹介されています。
また、p.36~37には、明治38(1905)年刊行の「風俗画報」の帽子の冬の流行に関する記述
や、帽子ファッションに関する明治35(1902)年12月11日付の朝日新聞の記事が紹介されてい
ます。
p.314~327 帽子百二十年史年表
p.314 明治7(1874)年 「中山帽、中折帽についで、鳥打帽、フランスキャップも輸入
された。」
p.316 明治25(1892)年 「官吏が中山帽、商人は中折帽、職人は鳥打帽等で帽子で職業
がわかる時期になる。」
(3) 『東京風俗志 生活の古典双書』平出鏗二郎/著 八坂書房 1975
明治32(1899)年から明治35(1902)年にかけて出版された『東京風俗志』の覆刻版で、
明治期の風俗について紹介しています。
p.177~178に「帽子と頭巾」の項があります。
2 明治期の中折帽子の価格が分かる資料
(1)『東京の帽子百二十年史 明治・大正・昭和』
「東京の帽子百二十年史」編纂委員会/編 東京帽子協会 2005.5
p.24~25 帽子の価格と当時の貨幣価値
明治40(1907)年頃の価格が種類ごとに記載されています。
(2) 雑誌「風俗画報」
「風俗画報」は、明治22(1889)年から大正5(1916)年まで発行された雑誌で、
江戸・明治・大正の世相・風俗など様々な事項について考証・紹介しています。
ア 174号(1898.10)p.33「流行の帽子」花淚生/著
イ 261号(1902.12)p.19~20「流行の帽子」加山香雨/著
ウ 326号(1905.10)p.30「流行門 今年の冬帽子」画報生/著
エ 338号(1906.4)p.27「流行門 流行の帽子」画報生/著
(3) 百貨店の広報誌
『みつこしタイムス』(三越呉服店)、『流行』(白木屋呉服店)など、
百貨店の広報誌にも中折帽子の価格が掲載されています。
価格が掲載されている巻号の一部をご紹介します。
国立国会図書館デジタルコレクション図書館・個人送信限定でご覧いただけます。
ア 『みつこしタイムス』三越呉服店
(ア)12号(1908.9)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1583328
p,7 3点の中折帽子が紹介されています。
p.9~10 「流行の中山と中折帽子」時好子/著
(イ)7巻11号(1909.09)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1583342
口絵p.14「初秋用流行中折帽子」
(ウ)9巻1号(1911.1)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1583356/1/1
p.14~15に中折帽について記述があり、p.15に価格が掲載されています。
イ 『流行』白木屋呉服店
(ア)第3年1号(1906.1)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1584774
p.21~22「中折帽」
(イ)第3年4号(1906.4)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1584777
58コマ「(広告)季節向帽子 丸善株式会社洋物店」
(ウ)第8年(10月號)(1911.10)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1584840
p.27「流行の冬帽子」
(4) 新聞記事
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞のオンラインデータベースを検索しました。
ア「夏帽子の景況」(「朝日新聞」1901年4月17日 p.5)
イ「流行の帽子」(「朝日新聞」1901年10月6日 p.5)
ウ「最近流行の帽子類」(「朝日新聞」1902年12月11日 p.5)
エ「新形流行の冬帽子」(「朝日新聞」1903年9月29日 p.5)
オ「(広告)大徳頑固商店 冬帽新荷輸着 色中折帽 黒中山帽」
(「朝日新聞」1905年10月17日 p.7)
カ「[歳暮の景色さまざま]9 流行の婦人服・防止・靴(連載)」
(「読売新聞」1897年12月19日 p.4)
キ「本年流行の冬帽子 シルクハットは山高ものが人気、その他中折帽子など」
(「読売新聞」1904年10月6日 p.3)
ク「流行の帽子 シルクハット オペラハット 中山形 中形中折 メリケン形」
(「読売新聞」1909.1.20 p.5)
ケ「[広告]流行 中折帽子特売/東京銀座 読売新聞代理部」
(「読売新聞」1909年10月16日 p.3)
3 その他確認資料
(1)『物価の文化史事典 明治・大正・昭和・平成』甲賀忠一/編 展望社 2008.7
(2)『値段の明治・大正・昭和風俗史』 週刊朝日/編 朝日新聞社 1981.1
続(1981.10)、続々(1982.11)、完結(1984.2)も確認しました。
(3)『日本人の帽子』 樋口覚/著 講談社 2000.11
(4)『東京の帽子百二十年史 資料集』 水野理一/編著 冬至書房 2005.10
(5)『帽子の文化史 ジョルダンブックス』 出石尚三/著 ジョルダン 2011.9
(6)『近代日本の身装文化 「身体と装い」の文化変容』 高橋晴子/著 三元社 2005.12
(7)『年表 近代日本の身装文化』 高橋晴子/著 三元社 2007.4
(8)『近代日本のデザイン文化史 1868-1926』 榧野八束/著
フィルムアート社 1992.11
(9)『生活学 第28冊 衣と風俗の一〇〇年』 日本生活学会/編 ドメス出版 2003.10
インターネット情報最終確認日:令和5年5月10日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000333472