レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20160324
- 登録日時
- 2018/12/19 00:30
- 更新日時
- 2018/12/19 00:30
- 管理番号
- 0001002609
- 質問
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解決
ちんすこう、きっぱんの始まりについてや古い文献、情報などがあれば見たい。
- 回答
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①
『沖縄の食文化』 (外間 守善著、沖縄製粉、2010.3)
p85 「…琉球王朝の尚?、尚育、尚泰王の三代に包丁役(台所奉行)として仕えていた新垣筑登之淑規が、中国菓子と日本菓子を学び、琉球独自の菓子として作り上げたものといわれている。新垣筑登之淑規は現在の新垣ちんすこう本舗の先祖に当たる。…」として、元になったと思われる新垣ちんすこう本舗の資料、ちんすこうの材料と戦後のちんすこうについての掲載がある。
p103 「キッパンは中国から渡来したもので王家だけに伝承されていた。その伝統を受け継いだのが謝花家である。…」とある。
②
『沖縄ぬちぐすい事典:沖縄から伝える健康と長寿』 (尚 弘子監修、プロジェクト・シュリ、2002.11)
p145-146 「チンスコウ」の項目に歴史などの記述がある。
p56-57 「桔餅」の項目に歴史など記述がある。
③
『尚王朝の興亡と琉球菓子 : 琉球大学<菓子講座>講義録』 (益山 明著、琉球新報社、2010.9)
p45 「冊封使と琉球菓子」の項に包丁人についての記述はあるが、ちんすこう、きっぱんについての記述は無い。御冠船料理のメニューが書かれている資料は『琉球冊封使一件』と『琉球冠船記録』とある。
④
『沖縄キリスト教短期大学紀要 第24号』 (沖縄キリスト教短期大学//編・刊、1995.12)
p181-201 「王朝時代の琉球菓子の分類と解説」(安次冨順子著)に、p182-183 「Ⅲ文献に見る菓子名一覧表」で8件の古文書の記載があり、「桔餅(キッパン)」は『琉球冊封使一件 勅使以下江献立并卓之図』(1808年)等3件、「きんそ?」は『嘉徳堂規模帳』(1864~1894年)、『与那城御殿御菓子并万例帳』(1879年)に見られるとある。
p197 「きんそ?(金楚?)」の項目に、特徴について解説がある。
p200 「桔餅」の項目に、特徴について解説がある。
⑤
『沖縄キリスト教短期大学紀要 第26号』 (沖縄キリスト教短期大学//編・刊、1997.12)
p141-153 「文献にあらわれた琉球菓子の資料整理」(安次冨順子著)に、資料④以外の記載文献名の記述がある。
⑥
『經濟と社會 第30巻』 (沖縄経済学会//編・刊、2015.3)
p3-20 「沖縄における観光土産品製造企業の展開 -有限会社新垣菓子店の事例を中心として-(広島経済大学 山内昌斗著)」に新垣菓子店の始祖や家系、歴史、また時代背景等詳細な記述がある。
⑦
『辻馬車曳きの独り言 : 新垣淑哲自叙伝』 (新垣 淑哲//著・刊、1999.8)
新垣ちんすこう新垣家5世淑哲の自伝。古文書等に記載されている内容、これまでの雑誌等への掲載文やちんすこうについて様々な資料掲載有り。「菓子例帳」(下記ウィキペディア参照)についての記述(p69-70)もあり、その中にキッパンの名称もある。
インターネット上の情報(2018.12.19現在)
ウィキペディア>「ちんすこう」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A1%E3%82%93%E3%81%99%E3%81%93%E3%81%86
→由来: その由来には諸説ある。中国には桃酥という同種の焼菓子が存在し、その昔中国南部で作られていたと言われている小麦粉に砂糖とラードを加えて蒸したカステラのような蒸し菓子が、沖縄県の気候や原料に合わせて創作されたという説や、ポルトガルの焼き菓子であるボーロがシルクロードや海路を通じて伝わった説などもある。また琉球王朝に伝わっていた菓子製造にまつわる本「菓子例帳」(かしだめしちょう)は焼失したため現在は口伝の形で残るのみ)…(省略)。
→来歴: 琉球王朝の後期、料理座の包丁人であった者達が冊封使の食事を賄う為に渡った中国(福州)で習得した中国菓子と、薩摩藩の在番奉行の接遇の為に石原嘉右衛門や柳屋善太郎から学んだ日本菓子を琉球独自の菓子として作り上げたもの。(中略)尚?王、尚育王、尚泰王の3代に首里城最後の包丁人として仕えていた一世の新垣淑規(宣肇基・新垣親雲上淑規)と二世の新垣淑総から…(省略)。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 技術 (5)
- 参考資料
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- 沖縄の食文化 外間 守善/著 沖縄製粉 2010.3 , ISBN 4-902193-89-3 (p85)
- 沖縄ぬちぐすい事典 尚 弘子/監修 プロジェクト・シュリ 2002.11 , ISBN 4-9901407-0-2 (p56-57、145-146)
- 尚王朝の興亡と琉球菓子 益山 明/著 琉球新報社 2010.9 , ISBN 4-89742-117-9 (p45)
- 沖縄キリスト教短期大学紀要 第24号 沖縄キリスト教短期大学/編 沖縄キリスト教短期大学 1995.12 (p181-201)
- 沖縄キリスト教短期大学紀要 第26号 沖縄キリスト教短期大学/編 沖縄キリスト教短期大学 1997.12 (p141-153)
- 經濟と社會 第30巻 沖縄経済学会/編 沖縄経済学会機関誌 沖縄経済学会 2015.3 (p3-20)
- 辻馬車曳きの独り言 新垣 淑哲/著 新垣 淑哲 1999.8
- キーワード
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- ちんすこう
- きんそ?
- 金楚?
- きっぱん
- 桔餅
- 琉球菓子
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000248747