レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月23日
- 登録日時
- 2022/12/03 19:58
- 更新日時
- 2022/12/21 14:11
- 管理番号
- 岩手-394
- 質問
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解決
喰違虎口(くいちがいこぐち)とはどういうものか。またその起源も知りたい。
- 回答
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「虎口」は中世以降日本の城郭における防御機能を持った出入口を指すが、土塁や石垣を喰い違う形にすることで経路を屈折させたものを特に「喰違虎口」と呼んでいる。喰違虎口についての図や説明が記載されている下記資料を紹介した。” ”内は資料からの引用。
・『城館調査の手引き』中井 均∥著 山川出版社 2016.8
p.48~49「虎口」
”城の出入り口を虎口と呼んでいる。〔中略〕最初は何の工夫もなく、直進できる平虎口であったが、直進を阻止するために、虎口両脇の土塁をずらせて喰い違うように築くようになる。これを喰違虎口と呼んでいる。”
・『図説縄張のすべて 決定版 城の設計プランにこめられた知と手腕』学研 2008.3
p.38~39「虎口と枡形」
→喰違虎口の図説あり。
・『図説日本城郭大事典 1』平井 聖∥監修 日本図書センター 2000.2
p.76~77「虎口と横矢」
”「虎口」は防御上、敵が殺到する関門・要になる部分で、特に厳重な構えが必要とされた。同時に城内からの迅速な出撃を可能にすることも考慮された。〔中略〕虎口の進入経路を屈折させたり、土塁や石垣をすれ違いに設けたりするものが「屈折・喰違い」で、敵の直進を妨げるための手段である。”
→喰違虎口の図説あり。
また喰違虎口の起源については、下記資料に記載を確認した。
・『織豊系城郭とは何か その成果と課題』城郭談話会30周年記念 村田 修三∥監修 城郭談話会∥編 サンライズ出版 2017.4
p.14~16「喰い違い虎口を確立した織豊系」
”喰い違い虎口の最初の例は岐阜城の山麓居館の入り口、千畳敷下の巨石列で構築された巨大な導入部分である。宣教師ルイス・フロイスが見たのが永禄12(1567)年だった。〔中略〕織豊系城郭の最重要特徴の一つ、喰い違い虎口が永禄末年に岐阜城千畳敷に登場し、引き続いて最前線の諸城に採用されていった様子がうかがえる。”
- 回答プロセス
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日本の城に関する資料を調査。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521)
- 参考資料
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中井均 著 , 中井, 均, 1955-. 城館調査の手引き. 山川出版社, 2016.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027544468-00 , ISBN 9784634150911 (当館請求記号:210.4/ナカ) -
加藤理文, 溝口彰啓, 戸塚和美, 大島慎一, 池田公一, 乗岡実, 川西克造, 中田宗伯, 玉置和弘, 松島悠 執筆 , 加藤, 理文, 1958- , 溝口, 彰啓 , 戸塚, 和美. 図説縄張のすべて : 城の設計プランにこめられた知と手腕 : 決定版. 学習研究社, 2008. (歴史群像シリーズ ; 特別編集)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009252947-00 , ISBN 9784056048353 (当館請求記号:521.823/ズセ) -
平井聖 監修 , 平井, 聖, 1929-. 図説日本城郭大事典 1. 日本図書センター, 2000.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002872400-00 , ISBN 4820526979 (当館請求記号:R521.823/ズセ/1) -
村田修三 監修 , 城郭談話会 編 , 村田, 修三, 1938- , 城郭談話会. 織豊系城郭とは何か : その成果と課題 : 城郭談話会30周年記念. サンライズ出版, 2017.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028078343-00 , ISBN 9784883256051 (当館請求記号:521.823/シヨ)
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中井均 著 , 中井, 均, 1955-. 城館調査の手引き. 山川出版社, 2016.
- キーワード
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- 喰違虎口
- 城郭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000325089