レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/11/16
- 登録日時
- 2017/01/08 00:30
- 更新日時
- 2017/01/08 00:30
- 管理番号
- 6001020235
- 質問
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解決
明治45年に通天閣ができた当時の新聞記事はないか。ルナパークという遊園地も一緒にオープンしたはずなので、通天閣やルナパークのオープンに関する記事を探している。
- 回答
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調査の結果、通天閣ができた日付は明治45年7月3日でした。
『通天閣:人と街の物語』 (読売新聞大阪本社社会部/編 2002.9)によると、新世界の中に、ルナパークという遊園地と(初代)通天閣が一緒に出来、ルナパーク内の建物と通天閣がロープーウェイで結ばれていたようです。
そのため、明治45年7月3日前後の大阪で発刊されていた新聞のうち、当館に所蔵があるものを調査しました。
[広告]
ルナパークと通天閣のオープンを伝える広告が、大阪朝日新聞、大阪毎日新聞、大阪時事新報の3紙の一面の半分を使って出ていました。
広告の詳細は、上半分を、ハープを演奏する天使のイラストが飾っており、その下に音符と、音符のデザインの文字で「ルナパーク」と書かれています。
下半分には文字による案内と、中に「天王寺公園 新世界」と文字が書かれた通天閣のシルエットのイラストがあります。
文字による案内では、
「模範的大娯楽園=ルナパーク」
「天王寺 新世界=七月三日開園」
「世界の大不思議=美人体験館」
と書かれています。
掲載されていた3紙の詳細は、次のとおりです。
大阪朝日新聞 (明治45年)7月2日朝刊4面
大阪毎日新聞 (明治45年)7月3日朝刊7面
大阪時事新報 (明治45年)7月3日夕刊3面
[記事]
オープンの時の様子を伝える記事も、次のとおり各紙に出ていました。
・(大阪)朝日新聞 7月4日朝刊2面
「新世界開業式」(文字のみの記事)
三日午後三時より開業式が挙行され、七時半に散会したと書かれています。来会者の名前もあります。
同じく11面
「新世界の開業」(文字のみの記事)
新世界の目で見た印象について報じています。
「二百五十尺の高塔「通天閣」に張り渡したる万国国旗ヒラヒラと翻り・・・」
・(大阪)毎日新聞 7月4日朝刊11面
「会場せるリユナパーク」
開業式で行われた余興についての記述があります。
また、同じ11面に、「会場せるリユナパークの夜景」の題で、
ルナパーク(通天閣)の絵または写真が掲載されています。(不鮮明)
・大阪時事新報 7月4日夕刊2面
「新世界と大山館」
ルナパーク内の活動写真館について書かれています。
「開場式を挙たる新世界 全市の人気を集中せらるルナパーク」
開場式やルナパークの様子につき、詳しく書かれています。
同紙では、全6回にわたって連載もありました。
7月6日~7月11日 朝刊2面
「新世界めぐり」
以下タイトルです。
「(一)驚いた不思議館」
「(二)騙された埃及(エジプト)館」
「(三)臭気満々の飛瀑」
「(四)呆れた美人探検」
「(五)裏と表二つ道」
「(六)穴だらけの裏面」
なお、当時大阪では発行のなかった読売新聞にも、関連記事がありました。
・読売新聞 明治45年9月1日 朝刊3面
『小消息』コーナーに「大阪のルナパーク」という題で載っていました。
大阪のルナパークの様子を紹介し、二百五十尺の通天閣を始め最新式娯楽館が多くあり、
浅草のルナパークは「脚下にも及ばない」、と書かれています。
[事例作成日:2016年11月16日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (071 8版)
- 参考資料
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- 通天閣 読売新聞大阪本社社会部∥編 新風書房 2002.9
- 大阪時事新報マイクロ版 日本マイクロ写真 明治45年7月~大正元年8月
- キーワード
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- 通天閣(ツウテンカク)
- 新世界(シンセカイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000205979