レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/03/21
- 登録日時
- 2010/04/01 02:00
- 更新日時
- 2022/08/15 15:41
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-17
- 質問
-
解決
京都市右京区にある京福電鉄嵐山本線(嵐電)の西院駅は「さい」で、阪急電鉄京都線の西院駅は「さいいん」となっており、同じ「西院」で読み方が違うのはなぜか。
- 回答
-
【資料1】によると、昭和9年京都府告示によって「さいいん」が公称化されましたが、「さい」と「さいいん」のどちらでも通用しているのが現在の実情です。
京福電鉄は明治43年3月に開通し、阪急電鉄は新京阪鉄道として昭和3年11月に開通しました。
「西院」の読み方は「さい」と「さいいん」のどちらが正しいかで昭和36年5月18日付けの京都新聞にもとりあげられました。現在は字の通り「さいいん」と呼んでいますが、古くは「さい」「さいん」とも呼ばれていました。
西院の地名の由来としては、
●嵐電の西院駅から西へ200mの所に佐比大路(現在の佐井通り)があり、佐比大路と四条大路(現在の四条通り)の交差点を北へ100m行ったところに淳和(じゅんな)天皇の離宮「淳和院」があり、この淳和院が皇居の西の方角に当たることから、別名「西院(さいいん)」と呼ばれ、付近一帯の地名になった説
●西院の中央にある佐井通りが、もとは道祖(さい)大路(佐比大路・細井大路)といい、北は一条から南は九条まで、南北に一直線をなす幅員8丈(24m)の大道で、これに沿って佐比川が流れていたことから「さい」と呼ばれるようになった説
があり、統一されていない駅名は地域の歴史をあらわしているといえます。
- 回答プロセス
-
●西院に関する資料を確認。【資料1】~【資料8】
●淳和院に関する資料を確認。【資料9】、【資料10】
●京福電鉄嵐山本線に関する資料を確認。【資料11】
●阪急電鉄に関する資料を確認。質問内容に該当する資料を見つけられず。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 近畿地方 (216 8版)
- 日本 (291 8版)
- 参考資料
-
- 【資料1】『西院の歴史』 (小澤嘉三著 西院の歴史編集委員会 1983) p3~6
- 【資料2】『西院昭和風土記』 (西院昭和風土記刊行会 1990)
- 【資料3】『日本歴史地名大系 27 京都市の地名』 (平凡社 2001) p1022
- 【資料4】『角川日本地名大辞典 26 京都府 上巻』 (「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1982) p635
- 【資料5】『新撰京都名所図会 巻4』 (竹村俊則著 白川書院 1965) p108
- 【資料6】『京都の地名由来辞典』 (源城政好編 東京堂出版 2005) p70
- 【資料7】『史料京都の歴史 14 右京区』 (京都市編 平凡社 1994) p146
- 【資料8】『日本国語大辞典 第5巻』 (小学館国語辞典編集部編 小学館 2001)p1250~1251
- 【資料9】『京都魅惑の町名』 (高野澄著 PHP研究所 2009) p112
- 【資料10】『京都府史蹟勝地調査会報告 第8冊』 (京都府 1927) p18
- 【資料11】『嵐電ぶらり各駅めぐり』 (コトコト 2007) p21
- キーワード
-
- 西院
- 阪急電鉄
- 京福電鉄
- 嵐山本線
- 嵐電
- 新京阪電鉄
- 淳和天皇
- 淳和院
- 道祖大路
- 佐井通り
- 佐比川
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000065691