レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/10/24
- 登録日時
- 2016/03/06 00:30
- 更新日時
- 2016/03/06 00:30
- 管理番号
- 6001012939
- 質問
-
解決
江戸時代に制定された「武家諸法度」のうち、「元和令」「寛永令」「天和令」の内容を比較できる資料を探しています。また、それぞれの内容から投影される、「徳川将軍家と、諸大名の統治関係の変遷」についても、参考になる資料があれば、紹介してください。
- 回答
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武家諸法度のうち「元和令」(元和元年=1615年)、「寛永令」(寛永12年=1635年)、「天和令」(天和3年=1683年)について、当館所蔵資料で確認しました。
●図書
1.『御触書寛保集成』(高柳真三/編 岩波書店 1934)【322.1/T1/2】個人貸出不可
p.1-13 一、武家諸法度之部
そのうち、「元和令」(慶長20年=元和元年)はp.1-2、「寛永令」はp.5-6、「天和令」はp.6-7に原文が掲載されています。
2.『徳川禁令考 前集 第1』(法制史学会/編 創文社 1959)【494/63】貸出可
p.61-75 第十四 武家諸法度
このうち、「元和令」(慶長20年=元和元年)はp.61-62、「寛永令」はp.63-65、「天和令」はp.65-67に原文が掲載されています。
3.『日本思想大系 27 近世武家思想』(岩波書店 1977)【081/12N/27】貸出可
p.454-462 [参考]武家諸法度、諸士法度、徳川成憲百箇条
このうち、「元和令」(慶長20年=元和元年)はp.454-455、「寛永令」はp.456-457、「天和令」はp.458-459に原文が掲載されています。
●インターネット
「元和令」「寛永令」「寛文令」「天和令」「正徳令」「享保令」の6点を一覧表にして、比較できるインターネット情報がありました。個人のサイトである点を御了承ください。
「武家諸法度比較表」(2015/10/24現在)
http://www.hh.em-net.ne.jp/~harry/komo_hatto_hikaku.html
「徳川将軍家と諸大名の統治関係の変遷」について参考になると思われる資料は、以下のとおりです。
●図書
1.『日本史史料 3(近世)』(歴史学研究会/編 岩波書店 2006.12)【210.08/63N/3】貸出可
p.68-70、75-78、152-153、174-175 原文と解説があります。
2.『史料大系日本の歴史 第4巻 近世1』(大阪書籍 1979.7)【210/253】貸出可
p.181-184 「元和令」の原文と、脚注に各条と改訂についての解説があります。
「・・・・・慶長二十年の「武家諸法度」一三か条は、先行法令をしたじきにしており、新味という点には欠ける。しかし、内容自体は大名統制の要点をよくついており、以後の幕府の大名政策の基本となるもの・・・・・」
「・・・・・元和二年(1616)・寛永六年(1629)に改訂が行われるが、寛永十二年の大改定まで実質的な変化はなかった。寛永十二年の法度は林羅山の起草になるもので、・・・そこでの最も著しい改訂は、大名の国政に関する規定の増加で、新たな条の八か条がこれにあたる。その内容は、民治・交通・宗教・徳教にまでわたっている。同十五年の改定以降、規制は徐々に緩和・・・・・」
3.『史料による日本の歩み 近世編』(児玉幸多/編 吉川弘文館 1996.1)【210.1/36N】貸出可
<寛永十二年六月廿一日> p.42-44 「寛永令」の原文と解説があります。
「最初の武家諸法度は慶長二十年(1615)7月に、禁中幷公家諸法度とともに公布された。将軍家光代のものとして制定されたもので、慶長法度を大幅に改定し、確立期幕藩制国家にふさわしい内容になっている。第一四条に象徴されるように、大名に対し民の統治についての責任を求め、また「私之関所、新法之津留」を禁じている(第一六)ことなどに特徴がある。」
●雑誌記事
1.『CiNii』でフリーワード「武家諸法度」の検索結果のうち、「徳川将軍家と、諸大名の統治関係の変遷」と関連すると思われる記事をご紹介します。
1)「史料解読『武家諸法度』を読む:幕府大名統制の根幹を探る!)(佐々悦久/著 『歴史読本』59(1)<895>(2014.1新人物往来社 p.146-453)
当館では所蔵しておりませんので、最寄りの図書館にご相談ください。
2)「元和・寛永期の『武家諸法度』存否について: 参勤交代制の『成立』『制度化』との関連において」(丸山雍戒/著 『日本歴史』吉川弘文館 511、1990.12 p.1-18)【当館請求記号:雑/1882】貸出不可
近世初期の参勤交代制の「成立」「制度化」について、「元和令」「寛永令」やその間の「武家諸法度」により考察し、初期幕藩制国家の権力構造を論じています。
3)「武家諸法度の性格について」(塚本学/著 『日本歴史』吉川弘文館 290 1972.7 p.25-38 【当館請求記号:雑/1882】貸出不可
それぞれを「元和法度」「寛永十二年法度」「天和法度」として論じ、諸大名の統治関係とその変遷についての考察があります。
また、国立国会図書館「リサーチ・ナビ」が参考になると思いますので、お知らせします。
「江戸幕府の法令集」(個別の法令・法典)(2015/10/24現在)
http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-644.php
1.武家諸法度
[事例作成日: 2015年10月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 法制史 (322 8版)
- 参考資料
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- 御触書寛保集成 高柳/真三∥編 岩波書店 1934 (1-2,5-6,6-7)
- 徳川禁令考 前集 第1 法制史学会∥編 創文社 1959 (61-62,63-65,65-67)
- 日本思想大系 27 岩波書店 1977 (454-455,456-457,458-459)
- 日本史史料 3 歴史学研究会∥編 岩波書店 2006.12 (68-70,75-78,152,153,174-175)
- 史料による日本の歩み 近世編 新版 児玉/幸多∥編 吉川弘文館 1996.1 (42-44)
- 史料大系日本の歴史 第4巻 大阪書籍 1979.7
- 日本歴史 日本歴史學会 吉川弘文館 511(1990.12) (1-18)
- 日本歴史 日本歴史學会 吉川弘文館 290(1972.7) (25-38)
- http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-644.php (「武家諸法度比較表」(2015/10/24現在))
- http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-644.php (国立国会図書館リサーチ・ナビ江戸幕府の法令集(個別の法令・法典)(2015/10/24現在))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 法律
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000188937