レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年3月20日
- 登録日時
- 2022/06/30 16:20
- 更新日時
- 2022/07/15 10:55
- 管理番号
- 神戸図-1632
- 質問
-
能舞台の後ろに描かれている松の絵に関連して、松が芸能の神の依代であると「教訓抄」に書かれていると聞いた。
どこに書かれているか知りたい。
- 回答
-
教訓抄のどの部分に書かれているかはわからなかったため、所蔵資料の中から比較的読みやすいものを見てもらった。
『續群書類従』第19輯 上 管絃部
p.172-374「教訓抄」
翻刻。解説等なし。
『古代中世藝術論』日本思想大系:23
p.9-215「教訓抄」
翻刻。校注あり。
p.748-755 解題
参考
『能楽大事典』
p.168-169「鏡板」
「…正面の鏡板は老松が描かれているため「松羽目」ということもある。…
…この松を神の降臨する松を描いたものとする説は近代になってから言い出され、春日若宮祭の際にその前で松の下式の行われる「影向の松」と結びつけて補強されたもので、信じがたい。もと吹き抜けであった舞台後方に羽目板を張るのが一般化したのは室町末期で、そのとき季節に関係なくまたさまざまな場所に似合う松が、どのような能にも適応するものとして描かれ定着したと考えられる。…」
『カラー百科見る・知る・読む能舞台の世界』
p.49-103「鏡板をめぐる周辺」
松の由来については記述がない。
- 回答プロセス
-
インターネットで検索すると、神社のウェブページが見つかる。
春日大社「境内のご案内 一之鳥居から御本殿 [2]影向の松」
https://www.kasugataisha.or.jp/guidance/keidai-map1/#modal-close
(最終確認:2022年7月15日)
「教訓抄という書物によれば、松はとくに芸能の神の依代(よりしろ)であり、 能舞台の鏡板に描かれている松の絵のルーツとされています。」
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
-
塙保己一 編 ; 太田藤四郎 補編 , 塙保己一 , 太田藤四郎. 『続群書類従』 第19輯 上 管絃部 訂正3版. 続群書類従完成会, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I078469488-00 (当館ID PV:6000070681) -
『日本思想大系』 23. 岩波書店, 1973.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001244380-00 (当館ID PV:0007008066) -
小林責, 西哲生, 羽田昶 著 , 小林, 責, 1928-2018 , 西, 哲生, 1937- , 羽田, 昶, 1939-. 『能楽大事典』. 筑摩書房, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023319223-00 , ISBN 9784480873576 (当館ID PV:7200226692) -
小林保治, 表きよし 編集 , 石田裕 写真監修 , 小林, 保治, 1938- , 表, きよし, 1958- , 石田, 裕, 1949-. 『見る・知る・読む能舞台の世界 : カラー百科』 勉誠出版, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028865348-00 , ISBN 9784585270416 (当館ID PV:7200572210)
-
塙保己一 編 ; 太田藤四郎 補編 , 塙保己一 , 太田藤四郎. 『続群書類従』 第19輯 上 管絃部 訂正3版. 続群書類従完成会, 1977.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000317822