レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/03/14
- 登録日時
- 2012/03/22 02:01
- 更新日時
- 2012/04/20 10:35
- 管理番号
- 6000007342
- 質問
-
解決
乾湿計の計測値が体感と異なった数値を示すことがある。水の蒸発による方法や湿度センサを用いたものも計測値を調べてみると信頼性に乏しい気がする。そこで湿度計測にあたり周囲の環境がどのような影響をおよぼすのか知りたい。
- 回答
-
『湿度のおはなし』(日本規格協会)や『計測工学ハンドブック』(朝倉書店)によると、湿度の計測方法は何通りもあり、『計測工学ハンドブック』には代表的な計測機器と計測精度を含めた特徴を一覧にした表が掲載されていたので、それを提供した。
- 回答プロセス
-
『計測工学ハンドブック』の表によると、水の蒸発を利用する乾湿球湿度計は6種類、常温でよい精度という評価の方法もあるが、「抵抗温度計式乾湿計」と「簡易乾湿計」の精度評価は「精度が悪い」となっている。また湿度センサには3分類、8方式の例があがっており、一部について精度評価も見られる。
『湿度のおはなし』では一般家庭の乾湿計に対し、「置く場所によって水の蒸発の仕方が変わるので、どの式が正しいかを検討するほど精度の良い湿度計ではありません」(p47)との評価をしている。さらに「湿度をはかることの難しさ」という節では測定に影響を与えるものとして空気中に含まれる水蒸気量の少なさ、温度や圧力の変化、空間における温度分布、センサ表面の汚れや損傷などの要因をあげている。(p95表2.5)
ちなみに1997年発行の同書はもっとも精度のよい測定方法として水蒸気量をはかる「ひょう量法」を紹介している。
『基礎入門センサ活用の素』①(技術評論社)には市販の湿度センサ(HS15P)を取りあげ、交流インピーダンスが湿度により変化することを利用した原理を紹介したうえで、「温度によりかなり値が変わるので、何らかの温度補償が必要にな」り、「この湿度センサを使うのは意外と難しい」と評価している。温度変化が測定値に影響をおよぼす可能性を示す例として、あわせて提供した。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 工業基礎学 (501 9版)
- 参考資料
-
- 『湿度のおはなし』稲松 照子/著(日本規格協会) (p93)
- 『計測工学ハンドブック』山崎 弘郎/[ほか]編集(朝倉書店) (p575)
- 『センサ活用の素1』後閑 哲也/著(技術評論社) (p166)
- キーワード
-
- 湿度計
- 乾湿計
- 気象
- 測定
- 装置
- 計測工学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000104112