レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20230818
- 登録日時
- 2023/10/10 00:30
- 更新日時
- 2023/12/09 15:49
- 管理番号
- 0000202424
- 質問
-
解決
生前父から「盆と正月は、成人した子は親に金を贈るものだ」と教わっていた。それを成人した子どもたちに伝えると、「なぜそのようなことをしなければいけないのか、理由が知りたい」と言われた。子から親へお盆と正月にお金を贈る文化の意味を知りたい。
また、そのお金のことを「賽餞」ということを父から教わった。この言葉の意味も知りたい。
- 回答
-
御質問の件については、次の資料に記載がありました。
1.「子から親へのお盆と正月にお金を贈る文化の意味」については、当館の調査した資料(古文書等、古地図・絵図等歴史資料を除く)では、確認できませんでした。参考までに以下の資料を御紹介します。
(1)『年中行事の研究』 田中 宣一/著 桜楓社 1992
p.376 しかし盆には、右のような先祖の霊(死霊)を祀る仏事としての魂祭りとは異なった側面が認められる。(中略)両親健在をことさら問題にして執り行われるものがそれである。
p.384 盂蘭盆会の日である七月十五日より前に、イキミタマ(漢字では生御玉・御見玉などと表記されている)・イキボン(生盆と表記されている)と称する祝いが行われており、これは日ごろ世話になっている人へ贈物をする機会であるとともに、小酒宴をする時でもあったらしい。(中略)子が健在なる親に対して贈物をする慣行のあったことがわかる。
p.390 盆ほど顕著とは言えないが、正月行事のなかにも、健在なる親をことさら尊ぼうとする側面が認められる。
p.395 これらのことから、全国的に、正月行事に両親(あるいは片親でも)健在を前提にしてなされる習俗のあることがわかるであろう。
p.396 正月にも「生き盆」に対応する習俗が確かに存在するのであり、その点においても正月行事と盆行事の性格は類似性の強いものだと言うことができるのである。
2.「賽餞」については、次の資料に記載がありました。
(2)『岩波講座東洋思想 第13巻』 長尾 雅人/[ほか]編集 岩波書店 1990
p.10 現在の日本でも広く用いられている「賽銭」の語は、「賽餞」の「餞」(食物)を「銭」(金銭)に改めたもの。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 年中行事.祭礼 (386)
- 参考資料
-
-
(1)『年中行事の研究』 田中 宣一/著 桜楓社 1992
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002197461-00 , ISBN 4273025930 -
(2)『岩波講座東洋思想 第13巻』 長尾 雅人/[ほか]編集 岩波書店 1990
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002045689-00 , ISBN 4000103334
-
(1)『年中行事の研究』 田中 宣一/著 桜楓社 1992
- キーワード
-
- 年中行事
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000339567