レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年02月16日
- 登録日時
- 2012/02/16 16:17
- 更新日時
- 2012/02/21 12:22
- 管理番号
- 20120216-6
- 質問
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解決
一言主について知りたい。
- 回答
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『国史大辞典』に次の情報があった。
ひとことぬしのかみ【一言主神】
「奈良県御所市森脇の葛城(かつらぎ)一言主神社の神。『古事記』によると、雄略天皇が百官を従え葛城山に登ったとき、向かいの山を行列や装束も天皇とそっくりにして登って行く者があり、天皇がこの国に自分をおいて王はないのに、何者かと問わせると、それと同じことを答え、天皇が怒って百官とともに矢をつがえると、先方も同様にした。天皇が互いに名を名乗ろうと言うと、「吾は悪事も一言、善事も一言、言ひ離つ神、葛城の一言主の大神なり」といったので、天皇は自分の太刀と弓矢をはじめ、百官の衣服まですべて献上し、拝礼した。すると一言主神は喜び、拍手してこの供物を受け、天皇が皇居の朝倉宮に帰るときには、長谷の山口まで天皇を送った。これが一言主神の出現のはじめだったという。『日本書紀』によれば、雄略天皇が葛城山で狩をしている最中に、自分とそっくりの容姿をしたこの神に会い、互いに名乗り合った後に、馬の轡を並べて同じ鹿を追い駈けながら、矢を射ることを譲り合って、日暮れまで一緒に狩をし、天皇の帰りを神は、来目水(くめのかわ)まで送って来たという。(以下略)」
- 回答プロセス
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Yahoo!百科事典[日本大百科全書(小学館)]に次の情報があった。
一言主神(ひとことぬしのかみ)
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E4%B8%80%E8%A8%80%E4%B8%BB%E7%A5%9E/ (2012/02/16確認)
「記紀に、雄略(ゆうりゃく)天皇が葛城(かつらぎ)山に遊んだときこの神が現れ、ともに猟を楽しんだのち神は天皇を宮近くまで送ったと語る。神が現身(うつしみ)をもって出現し人と交渉するというのは神婚神話以外になく、したがってここには神観念の一変化がみられる。『古事記』では「我は善言でも悪言でも一言で効験(こうけん)を表す神」と名のったといい、これはこの神の呪言神たる性格を示す。(以下略)」
- 事前調査事項
- NDC
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- 神話.神話学 (164 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 神道史大辞典 / 薗田稔, 橋本政宣編 吉川弘文館 , 2004 ISBN:4642013407 p.836
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葛城の一言主大神と雄略天皇(日本史学科)
塚口 義信
堺女子短期大学紀要 20, 17-40, 1985-10-01
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000221069 (2012/02/16確認) -
〔研究ノート〕『古事記』の中の葛城地方 : 葛城の一言主神社を中心として
夜久 正雄
亜細亜大学教養部紀要 31, 33-43, 1985
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006349950 (2012/02/16確認) - 日本神話事典 / 青木周平[ほか]編 大和書房 , 1997 ISBN:4479840435 p.260, 261
- キーワード
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- 一言主神
- ヒトコトヌシ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000101837