レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年11月23日
- 登録日時
- 2021/11/13 12:13
- 更新日時
- 2021/12/16 15:41
- 管理番号
- 県立長野-21-170
- 質問
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解決
昭和19年6月27日、津村信夫が亡くなった際、室生犀星が弔辞をよんだが、掲載されている本を探している。
掲載されているかどうかは不明。
- 回答
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『詩人の星 遥か 父犀星を訪ねて』 室生朝子著 作品社 1982.7 【910/ム】
p.7-24 津村信夫 信州戸隠 の項、p.14-15にわたり「弔詞」が掲載されている。
『荒地野菊』津村信夫著 珊瑚書房 1965【N940/42】p.243-付刷 追悼録のp.243に、室生犀星の「弔詞」が掲載さている。
上記2冊を紹介した。
[追記]
回答後、『頬笑みよ返れ 追憶の津村信夫』 津村昌子ほか著 麥書房 1983.6【N902/508】が受入された。p.18-19に「弔詞」が掲載されている。
- 回答プロセス
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1. ネットで検索する。
・ウェキペディアで「津村信夫」を検索。没年月日を確認する。
・「津村信夫 弔辞」で検索すると、
個人のブログ「いしぶみ紀行」【最終確認2021.12.14】に紹介文を確認した。「戸倉上山田・坂城(長野)」の4ページ目に
私は誰も居ないのを幸いに、室生犀星の弔辞の第一声に倣って、「のぶすけ!」と声をかける。
とあった。
2. 1で調査した「津村信夫」「室生犀星 弔辞」「津村信夫 弔辞」のキーワードでヒットした資料と、
その際に出てきた新たなキーワード「津村信夫 年譜」を、当館所蔵資料で検索する。
①「津村信夫 年譜」でヒットした次の2冊に「弔辞」の一部引用箇所を確認した。
『北信濃の歌 津村信夫の思い出』津村昌子著 花神社 1987.2【911/ツ】
・p.245 年譜の項 「恩師室生先生の弔辞も、丸山薫さんの弔詩も、列席者に清らかに
深い感動を与えた。「-前略- 室生さんは弔辞の最後に「信夫君、信夫さん、信スケ!」
と大きな声を震わせて叫ばれた」(津村秀夫「弟信夫の追憶」からの引用」
また、p.222下段にも同様の記述が確認された。
※津村秀夫『弟信夫の追憶』p.58-64「詩人」第1巻第1号(1947/01) 矢代書店の中の
p.63-64に引用箇所を確認した。
・p.219-246 津村信夫 年譜のp.246「昭和58年6月、『頬笑みよ返れ―追憶の津村信夫』
(麥書房)刊行 昭和 19年に編集を終え、未刊のままになっていた追悼文集を増補したも
の。」の記述あり。
『戸隠の絵本 津村信夫その愛と詩』 堀井雅子作・構成 信濃毎日新聞社 1999.2
【N915/338】
・p.56「信夫君、信夫さん、信スケ」の項に、室生犀星の「弔辞」の一部の記述があった。
「昌子は弔辞の巻紙を広げては泣いていた。「信夫君、信夫さん、信スケ」と叫んだ室生
犀星の告別の声が昌子の耳によみがえってくる。」
・p.113「津村信夫の年譜」
「昭和58年(1983) 『微笑みよ返れ-追憶の津村信夫』 戦況悪化で出版できなかった追悼
文集)刊行」の記述あり。
※書名「微笑み」は正しくは「頬笑み」
②『津村信夫全集 第3巻』 津村信夫著 角川書店 1974 【918.6/160/3】
p.756-767 書誌・本文編、p.764-767 「24津村信夫散文集Ⅱ荒れ地野菊(総合短篇集)
(中略) に「追悼文」諸家(細目は本編末項参照)」の記載有り。
『荒地野菊』p.245に、室生犀星の「弔詞」の掲載を確認した。
③検索の過程で「室生朝子」が室生犀星の娘であることが判明したので、著作を検索、
『詩人の星 遥か 父犀星を訪ねて』に「弔詞」の掲載を確認した。
3. 「信濃毎日新聞データベース」で、軽井沢にゆかりのあった津村信夫死去の報が出ているか、
昭和19年6月28日-6月30日の期間で確認したが、該当は無かった。 同じく「信濃毎日新聞
データベース」の全期間を、「室生犀星」「津村信夫」でキーワード検索をした結果、併せ
て40件のヒットがあったが、関係のあるものは無かった。
※ 文中「弔辞」「弔詞」「弔詩」と表記が割れているが、それぞれ原文のままである。
〈調査済資料〉
津村信夫著作
『津村信夫全集 第1巻 詩編』津村信夫著 角川書店 1974 【918.6/160/1】
室生犀星著作
『我が愛する詩人の伝記』室生犀星著 中央公論社 1967 【910.28/ム】
『豪華版日本現代文学全集 27』伊藤整[ほか]編 講談社 【918/ゴ/27】
『憑かれたひと 二つの自伝』 室生犀星著 冬樹社 1980 【910/ム】
『犀星 軽井沢詩文集 室生犀星著 現代史出版会 1981 【914/ム】
『室生犀星未刊行作品集 第4巻』昭和Ⅱ(昭和8年‐昭和19年)
室生犀星著 1988 三弥井書店【918.6/299/4】
『長野県文学全集 第3期/現代作家編 第7巻』 郷土出版社 1990【N980/24/3-7】
『近代詩 北原白秋・室生犀星・山村暮鳥・三好達治』
日本文学研究資料刊行会編 有精堂 1984 【910.8/ニホ/74】
室生朝子著作
『父 犀星の秘密』室生朝子著 毎日新聞社 1980 【910/ム】
『父犀星と軽井沢』室生朝子著 毎日新聞 1987 【N902/153】
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 10版)
- 参考資料
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- 『詩人の星 遥か』 室生朝子著 作品社 1982.7 910/ム】p.14-15 (https://www.library.pref.nagano.jp/licsxp-opac/WOpacTifTilListToTifTilDetailAction.do?tilcod=1005010142119)
- 『荒地野菊』 津村信夫著 珊瑚書房 1965【N940/42】p.245 (https://www.library.pref.nagano.jp/licsxp-opac/WOpacTifTilListToTifTilDetailAction.do?tilcod=1005010021272)
- 『頬笑みよ返れ 追憶の津村信夫』 津村昌子ほか著 麥書房 1983.6【N902/508ア】
- キーワード
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- 室生犀星
- 津村信夫
- 室生朝子
- 弔辞
- 年譜
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000307566