レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年10月19日
- 登録日時
- 2017/03/08 09:53
- 更新日時
- 2017/06/05 15:22
- 管理番号
- 埼久-2016-138
- 質問
-
解決
「柿は体を冷やす」と言われているが、科学的に根拠があるのか知りたい。
- 回答
-
質問に関連する記述のある以下の資料を紹介した。
『果実の機能と科学 食物と健康の科学シリーズ』(伊藤三郎編 朝倉書店 2011)
p119 「カキを食べると身体を冷やすといわれる。凍結乾燥したカキを食べると、実際に体表面の温度が下がることが確認されている。拡張期血圧の上昇と表面血流量の減少が関連すると考えられている」とあり。
《J-STAGE》(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/ 科学技術振興機構)で閲覧可能な論文
神戸保著「柿」(「生活衛生Vol. 29 No. 1 」p54 大阪生活衛生協会 1985)
「「カキを食べると冷える」といわれるのに、2つの説がある。その1つは、カキを食べすぎるとトイレに行く回数が増えることからきている。カキに含まれるカリウムが、利尿を促進するためらしい。もう一方の説では、カキのタンニンが体内で鉄分と結合して、鉄の吸収を妨げ、ひいては貧血になりかねないという内容である」とあり。
吉谷佳代ほか著「冷えを訴える女性に及ぼす酵素処理ヘスペリジンの効果」(「日本栄養・食糧学会誌 61(5)」p233-239 日本栄養・食糧学会 2008)
p233 東洋医学において、食品は温熱性、寒涼性、平性に分類されているが科学的根拠が明らかになっているものは少ないとした上で、「その中で、温熱性のしょうが、寒涼性の柿については検証されており」とあり。
参考文献:英語論文 Gaku HIBINOほか著「Regulation of the Peripheral Body Temperature by Foods: A Temperature Decrease Induced by the Japanese Persimmon (kaki, Diospyros kaki)」(「Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 67(1)」 2003)は《J-STAGE》で閲覧できる。
- 回答プロセス
-
1 NDC分類〈498.5〉の資料を調べる
『果実の機能と科学 食物と健康の科学シリーズ』(回答資料)
回答に関する記述のない資料
『地域食材大百科 第3巻 果実・木の実,ハーブ』(農山漁村文化協会編 農山漁村文化協会 2010)
p83 カキの機能性成分の項目に「タンニンはカキの渋味成分である一方、血圧を低下させる効果や抗菌作用を有する」とあるが体温についてなし。
『フルーツ・パワー 熱帯果実・驚異の健康効果』(本橋登著 丸善 2000)
『新・食品事典 6 果物・種実』(河野友美編 真珠書院 1991)
『食の医学館』(小学館 2002)
2 《J-STAGE》(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/ 科学技術振興機構)を〈柿 & 冷え〉で検索する
神戸保著「柿」(回答資料)
吉谷佳代ほか著「冷えを訴える女性に及ぼす酵素処理ヘスペリジンの効果」(回答資料)
ウェブサイト・データベースの最終アクセスは2016年10月19日。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 9版)
- 参考資料
-
- 『果実の機能と科学 食物と健康の科学シリーズ』(伊藤三郎編 朝倉書店 2011) , ISBN 978-4-254-43541-2
- キーワード
-
- 柿
- 体温
- 冷え
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000211229