レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/11/02
- 登録日時
- 2022/12/14 00:31
- 更新日時
- 2022/12/14 00:31
- 管理番号
- 6001058576
- 質問
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解決
『なぜ人は泳ぐのか?水泳をめぐる歴史,現在,未来』という本に、「ソクラテスが『水泳は人を死から救う』と述べている」との記述があったが、これは本当にソクラテスの言葉なのか。そうだとすれば、出典を知りたい。
- 回答
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この言葉は、ソクラテスが弁論術をめぐって3人の人物と交わした対話について、プラトンが描いた『ゴルギアス』に記されていた。「水泳は人を死から救う」という言葉そのものではないが、「水泳の知識が人を救う」という主旨の対話が書かれている箇所があったので、数冊、内容と共に紹介。
・『ゴルギアス(光文社古典新訳文庫KBフ2-7)』(プラトン/著 中澤務/訳 光文社 2022.5)
p.263 ソクラテス 「泳ぎの知識も、なにか大きな価値のあるものだと思うかね。」
カリクレス 「そんなこと、思うわけないでしょう。」
ソクラテス 「でもねえ、それだって、人間たちを死から救ってくれるのだよ。その知識が必要とされる状況におちいったときにはね。」
・『プラトン全集 9』(プラトン/[著] 加来彰俊/訳 岩波書店 1980.12)
p.198 ソクラテス 「はたして、泳ぐことの知識も、何か崇高なものだと君には思われるのかね。」
カリクレス 「いや、それはむろん、ゼウスに誓って、そうは思わない。」
ソクラテス 「でもたしかに、その知識だって、人びとを死から救うのだがね、その知識が必要とされるような、何かそういったところに、人びとが落ち込んだ場合にはだよ。」
・『ゴルギアス(岩波文庫)』(プラトン/著 加来彰俊/訳 岩波書店 1979)
p.204 『プラトン全集 9』と全く同じ内容が書かれている。
・『プラトン名著集』(プラトン/[著] 田中美知太郎/編 加来彰俊/訳 新潮社 1979)
p.616 ソクラテス 「君は果して、水泳の知識を何か崇高なものだと思うかね?」
カリクレス 「とんでもない、そんなこと思うものか。」
ソクラテス 「しかしそうは言うけれどもね、人間を死から救うことにかけては、この知識だってやはり同じことなのだよ。ひとがどうしてもこの知識を必要とするような事態に、おち入った場合にはね。」
・『世界の名著 6 プラトン 1』(藤沢令夫/訳 中央公論社 1978)
p.370-371 ソクラテス 「いったい君は、水泳の知識をなにか崇高なものだと思うかね?」
カリクレス 「とんでもない、そんなこと思うのか。」
ソクラテス 「しかし、そうは言うけれどもね、人間を死から救うことにかけては、この知識だってやはり同じことなのだよ。人がどうしてもこの知識を必要とするような事態におちいったばあいにはね。」
[事例作成日:2022年11月2日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 古代哲学 (131 10版)
- 参考資料
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- ゴルギアス プラトン‖著 光文社 2022.5 (263)
- プラトン全集 9 プラトン∥[著] 岩波書店 1980.12 (198)
- ゴルギアス プラトン∥著 岩波書店 1979 (204)
- プラトン名著集 プラトン∥[著] 新潮社 1979 (616)
- 世界の名著 6 中央公論社 1978 (370-371)
- キーワード
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- ソクラテス(ソクラテス)
- プラトン(プラトン)
- 水泳(スイエイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物・団体
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000325709