以下のとおり関連の記述を確認しました。
1 種痘医の顕彰碑
・『とちぎメディカルヒストリー』(酒井シヅ/監修指導,獨協医科大学とちぎメディカルヒストリー編集委員会/企画編集 獨協出版会 2013)
本県における医学・医療の歴史をまとめた資料です。
以下のとおり顕彰碑の写真が掲載されていました。本文中に人物の功績等、関連記述があります。
p.150「日納爾先生碑同誌文」
「種痘医北城諒斎と種痘医磯良三」(大沼美雄/著)p.126‐169より
p.171「川島元徳の顕彰碑(北条庵境内)」
「種痘の普及と足利地方」(菊地 卓/著)p.170-197より
p.206「喜連川龍光寺の宮脇拾の碑」
「感染症と闘った医師たち」(岡 一雄/著)p.198-217より
この他、種痘医の墓石の写真も掲載されております。
2 民間信仰の碑塔類
・『下野の野仏 緊急碑塔類調査報告』(栃木県教育委員会/編 1973)
p.28⁻29「疱瘡神」についての解説あり。
p.178「栃木県碑塔類一覧」に「疱瘡神」、「はしか神」の項あり。(建立年月日・所在地の記載があり。)
・『栃木県市町村誌』(平井恒重/編 栃木県町村会 1955)
この資料は市町村ごとに「各所旧蹟」の項がまとめられています。
石碑ではありませんが、p.515「矢板町-各所旧蹟」に、「痳疹石地蔵」の項があり、「痳疹流行の時この石地蔵を信仰すれば(略)罹病しない(略)」との記述があります。
なお、石碑に関する情報は確認できませんでしたが、民間信仰については、前出『とちぎメディカルヒストリー』中に以下の関連記事があります。
・「医療にまつわる信仰」(柏村祐司/著)
3 その他
以下の資料は、県内の感染症に関する記述はありましたが、関係する石碑については確認できませんでした。
・『栃木県史 通史編6』(栃木県史編さん委員会/編 栃木県 1982)
・『栃木県史 史料編 近現代1』(栃木県史編さん委員会/編 栃木県 1976)
・『宗教・民衆・伝統 社会の歴史的構造と変容』(地方史研究協議会/編 雄山閣出版 1995)
・『今市史談 復刊第10号』(今市史談会/編、発行 2001)
以下は情報を確認できませんでした。
・『石に刻まれた江戸時代 無縁・遊女・北前船』(関根達人/著 吉川弘文館 2020)
p.186-194「疫病と石造物」に「病を治す石造物」「安国寺の安政コレラ供養碑」の項がありますが、栃木県内の史跡は掲載がありませんでした。
・『栃木県の仏像・神像・仮面』(北口英雄/著 随想舎 2019)
・『栃木県史蹟名勝天然記念物調査報告 1』(栃木県/編 栃木県 1926)
・『宇都宮市の輯録いしぶみ』(瀧澤龍雄/著 瀧澤龍雄 2012)
・『横根山の祠・石仏・石碑』(安生信夫/著 2010)
※『鹿沼史林』(鹿沼史談会)第50号 抜刷
・『那須の石仏 芦野編』(那須歴史探訪館/編 那須町教育委員会 2004)
・『今市の記念碑』(今市市歴史民俗資料館/編、発行 2000)
・『矢板の石仏と塔碑』(矢板市教育委員会/編、発行 1999)
・『わが町の碑塔と石佛』(南那須町文化財保護審議会/編 南那須町教育委員会 1987)
・『高根沢の石碑塔』(阿久津明/著、発行 1984)
・『日本医療史事典 トピックス1722-2012』(日外アソシエーツ編集部/編 日外アソシエーツ 2013)
・『日本の歴史災害 明治編』(菊池万雄/著 古今書院 1986)
・『日本コレラ史』(山本俊一/著 東京大学出版会 1982)
・『現代日本病人史』(川上武/著 勁草書房 1982)
・「伝染病予防の言説-近代転換期の国民国家・日本と衛生-」(『歴史学研究』686.1996)