レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年05月18日
- 登録日時
- 2021/08/12 16:23
- 更新日時
- 2021/09/02 17:50
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2635
- 質問
-
解決
徳富蘆花の小説『不如帰』の登場人物である武男と浪子が手毬唄の歌詞にも登場するそうだ。
ついては、手毬唄について2点知りたい。
①どのような歌詞なのか
②唄が広まっている地域や世代はどのくらいか
- 回答
-
①当館に所蔵する以下の資料に歌詞や解説の記述があることを紹介。
・『新講わらべ唄風土記』浅野 建二/著、柳原書店、1988.5
→(p45)「一番はじめは」の歌詞が書かれている。その歌詞に附加して歌うことが多い、と記して、武男と浪子を唄う歌詞(p46)が書かれている。
・『日本の遊び歌』川崎 洋/著、新潮社、1994.9
→(p86)徳富蘆花の長編小説「不如婦」が歌に取り入れられた説明と歌詞が書かれている。
・『日本のわらべうた』尾原 昭夫/編著、社会思想社、1972.2
→(p236,p237)「一番はじめは」の歌詞が書かれている。あとに次のような歌詞がつづけられることもある。と記して、武男と浪子を唄う歌詞と、明治三十二年徳富蘆花作「不如婦」の武男と浪子をうたったもの、と記述がある。
・『日本童謡事典』上 笙一郎/編、東京堂出版、2005.9
→(p37)「一番はじめは一宮」の歌詞が書かれている。その唄に加えて、と記して、武男と浪子を唄う歌詞が書かれている。
・『日本わらべ歌全集』巻次7 尾原 昭夫/著、柳原書店、1979.10
→(p93)「一番はじめは」の歌詞が書かれている。解説には、海軍少尉川島武男の出征と愛妻浪子の病患とをめぐる家庭的葛藤を描写、と書かれている。
歌詞は資料や地域により違いがみられるが、鳥取県の公式サイトに歌詞の掲載があった。
→ https://www.pref.tottori.lg.jp/273849.htm(2021年8月確認)
②唄が広まっている地域に関しては、次の資料に以下の記述があったことを紹介。
・『日本の遊び歌』川崎 洋/著、新潮社、1994.9
→(p85)全国的に伝えられているが、歌詞は少しずつ違う。
・『日本のわらべうた』尾原 昭夫/編著、社会思想社、1972.2
→(p236)明治時代から全国的に歌われている手まりうた。
・『日本童謡事典』上 笙一郎/編、東京堂出版、2005.9
→(p37)愛知県の一宮市では、お手玉唄としてもうたわれたという。土地の神社が入ることで組み換えもあり、関東地方及び東北地方の宮城・山形・福島では「一の宮」が「宇都宮(日光)」になり、「東照宮」が「中善寺」となっていたり、関西でも「讃岐の琴平さん」や「八幡の八幡宮」となっていたり、その土地の「氏神さん」になっていたりする。
いくつかの資料を確認したが、世代は特定できなかった。
流行した時代については、以下の資料に記述があった。
・『日本わらべ歌全集』巻次7 尾原 昭夫/著、柳原書店、1979.10
→(p93)明治・大正期、のぞきからくりなどにも脚色されて大衆の人気を博した。
参考までに、次の資料に、著者(1915年8月24日生まれ)が少年時代にもよく歌ったとの記述がある。
・『新講わらべ唄風土記』浅野 建二/著、柳原書店、1988.5
→(p45)私ども少年時代にもよく歌った手毬唄に「一番初めは」というのがある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 7版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000303073