レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年05月20日
- 登録日時
- 2022/05/27 13:59
- 更新日時
- 2022/06/29 15:55
- 管理番号
- 2022002
- 質問
-
解決
蜂須賀家の三人の女性 ①即心院(万姫…藩祖家政の子女・池田由之の正室)、②芳春院(美保姫…初代藩主至鎮の子女・播磨姫路藩主 池田忠雄の正室)、③豊光院(豊子姫…5代藩主綱矩の子 吉武の正室、池田綱清の養女)について書かれた書籍(系図、家譜、伝記など)を教えてほしい。
特に、3人の人となりや③の埋葬先、墓碑の現状などを知りたい。
- 回答
-
蜂須賀家の三人の女性について、記述があった当館所蔵の下記資料を紹介した。
また、国立国会図書館デジタルコレクションの中で、参考になると思われる資料も合わせて紹介した。
① 即心院
『和訳蜂須賀家記』
『訳注 阿淡藩翰譜 二 徳島藩・上級家臣録』
『論集 阿波の歴史と文化』
『史窓 38』
『徳島藩主蜂須賀家墓所(パンフレット) 国指定史跡 興源寺墓所 助任緑地』
② 芳春院
『和訳蜂須賀家記』
『訳注 阿淡藩翰譜 二 徳島藩・上級家臣録』
『論集 阿波の歴史と文化』
『史窓 38』
『阿波の女たち 歴史を彩る』
③ 豊光院
『和訳蜂須賀家記』
家譜、系図について記載があった下記資料も紹介した。
『丹波篠山蜂須賀家と阿波徳島蜂須賀家』
『地方別・日本の名族 10 四国編 徳島県 香川県 高知県 愛媛県』
「国立国会図書館デジタルコレクション」より
『諸系譜. 第28冊』
- 回答プロセス
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当館の検索システムでキーワード「蜂須賀」で検索。
該当した資料から、質問内容に合うと思われる資料を選出し、内容を確認した。
また、当館の郷土コーナーの棚を直接確認し、蜂須賀家の三人の女性についての
記述がある資料を探した。
各女性ごとで記述があった以下の資料を数冊選出し、質問者の方にご案内した。
① 即心院(万姫)
『和訳蜂須賀家記』 岡田 鴨里∥編
【瑞雲公(家政)系表】「女(萬)」( p.49~p.50)に、生没年や嫁ぎ先、埋葬先などについての記述あり。
さらに、資料に掲載されていた備前兒島郡面江山海禪寺が下記寺院のことだと思われたので、
岡山県立図書館のレファレンスデータベースの情報も紹介した。
【天城池田家の楫山墓所について】–デジタル岡山大百科-レファレンスデータベースより
http://digioka.libnet.pref.okayama.jp/detail-jp/id/ref/M2011120310112211733
『訳注 阿淡藩翰譜 二 徳島藩・上級家臣録』 中山 義純∥輯 牛田 義文∥訳
【第二章 池田の部】(p.157~p.260)の「一、初代 玄虎」にて、即心院に関する記述があり。
『論集 阿波の歴史と文化』 佐藤 芳資ほか∥著 監修:三好 昭一郎
【近世大名と蜂須賀家の婚姻と藩政の動向(田中 多津美∥著)】(p.71~p.93)に
蜂須賀家の姫君に関する情報(婚姻先など)が掲載。
即心院については、下【一 大名家の婚姻】(p.73~p.80)に嫁ぎ先などの情報が記述されていた。
『史窓 38』 徳島地方史研究会∥刊
「徳島藩蜂須賀家の「奥」-正室・こども・奥女中-」(p.34~p.55)の
藩祖家政正室 姫の「こども」という項目に、「至鎮・万他」とあった。
「2 こどもたち」の【➁女子】(p.41)に蜂須賀家の娘たちの婚姻事情に関する情報も記載されていた。
『徳島藩主蜂須賀家墓所(パンフレット) 国指定史跡 興源寺墓所 助任緑地』
徳島市教育委員会社会教育課∥編 渭北地区文化財保勝会∥編
(藩祖家政氏の墓近くで「家政次女 万」の墓について掲載あり)
② 芳春院(三保姫)
『和訳蜂須賀家記』 岡田 鴨里∥編
【第三世 峻徳公(至鎮)系表】「女(三保)」p.79に生没年や嫁ぎ先、埋葬先などの記述が掲載。
『訳注 阿淡藩翰譜 二 徳島藩・上級家臣録』 中山 義純∥輯 牛田 義文∥訳
1.即心院でも紹介した【第二章 池田の部】(p.157~p.260)の「一、初代 玄虎」の中で、
【第二章 池田の部】「一、初代 玄虎」(注)の②、池田家と蜂須賀家との関係で、池田家に嫁ぐ経緯の記述があった。
また、p.172に掲載されいる池田家の系図では、彼女の名前は掲載されていなかったが、池田忠雄の左横に
「(妻は蜂須賀至鎮の娘)」とあった。
『論集 阿波の歴史と文化』 佐藤 芳資ほか∥著 監修:三好 昭一郎
【一 大名家の婚姻】(p.73~p.80)の中で、蜂須賀家歴代の姫たちの嫁ぎ先に芳春院の情報が記述されていた。
また、p.72とp.76に蜂須賀家より石高が多い、いわば格上の相手に嫁いだ例とし登場する。
(岡山藩主池田忠雄(三十一万五千石)に嫁いだため)
『史窓 38』 徳島地方史研究会∥刊
「徳島藩蜂須賀家の「奥」-正室・こども・奥女中-」(p.34~p.55)に
「表1 徳島藩主蜂須賀家の正室・側室等」の初代藩主至鎮の正室 氏(万・虎)の「こども」
という項目に、「三保・忠秀他」と記述あり。
『阿波の女たち 歴史を彩る』(徳島市民双書 21) 阿波の女たち編集委員会∥編
【敬台院 お虎の方(中川静子∥著)】(p.39~p.52)に、芳春院の人柄に関する記述があった。
③ 豊光院(豊子姫)
『和訳蜂須賀家記』 岡田 鴨里∥編
【第七世南溟公(綱矩)系表】「男修理太夫君(吉武)」(p.172)の項目に「室は松平氏、名は豊(とよ)」と記述あり。
また、嫁ぎ先などの情報が掲載されており、埋葬先として「海禪寺」と記述されていた。
・家譜、系図について
『丹波篠山蜂須賀家と阿波徳島蜂須賀家』 浜 利喜雄∥著
p.15~p.16に「蜂須賀家記」と「蜂須賀家系図」を参考に作成された【阿波徳島蜂須賀家系図】が掲載。
系図に「万 備前岡山池田家家老池田由之室」「三保 備前岡山藩主池田忠雄室」と記述あり。
しかし、豊光院の名前は確認ができなかった。
『地方別・日本の名族 10 四国編 徳島県 香川県 高知県 愛媛県』 三好 昭一郎ほか∥著
p.73~p.75に【蜂須賀氏略系図】が掲載されており、p.73に「万」「三保」と掲載。
しかし、豊光院の名前は確認できなかった。
「国立国会図書館デジタルコレクション」より
『諸系譜. 第28冊』
国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧可能の『蜂須賀家譜』の原文(コマ番号2~48)を紹介。
系図形式で記述されており、三人の女性に関する記述を確認。
本文の内容は、先述で紹介した『和訳蜂須賀家記』と同じもの(享年や埋葬先など)。
豊光院は系図に掲載されていなかったが、吉武の娘である「女 元子」に『母江戸人矢澤圓入女』の記述があった。
参照:国立国会図書館デジタルコレクション URL: https://dl.ndl.go.jp/より
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281)
- 四国地方 (218)
- 参考資料
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岡田鴨里著 , 岡田, 僑 , 山田, 立夫 , 阿波郷土研究會. 和譯蜂須賀家記. 阿波郷土會, 1943.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I011354907-00 -
中山義純輯 ; 牛田義文訳注 , 中山, 義純 , 牛田, 義文. 阿淡藩翰譜 : 徳島藩・上級家臣録 : 訳注 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12. 牛田義文, 2001.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I006765233-00 -
阿波の歴史と文化 : 論集. 阿波の歴史と文化刊行会, 2015.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026629729-00 -
阿波の女たち編集委員会編 , 徳島市立図書館. 阿波の女たち : 歴史を彩る. 徳島市立図書館, 1987. (徳島市民双書, 21)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I004765541-00
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岡田鴨里著 , 岡田, 僑 , 山田, 立夫 , 阿波郷土研究會. 和譯蜂須賀家記. 阿波郷土會, 1943.
- キーワード
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- 蜂須賀家
- 近世
- 徳島藩
- 婚姻
- 正室
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000316597