レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/12/17
- 登録日時
- 2011/12/23 02:00
- 更新日時
- 2011/12/23 12:04
- 管理番号
- 視-110006
- 質問
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解決
オーケストラのチューニングで楽器の「オーボエ」を使用しているのはなぜか。
- 回答
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木管楽器オーボエはピッチの微調整できる部分がなく、原則としてピッチで調整できないため、オーケストラ全体をオーボエのピッチ(a1[イ]音)に合わせているといわれています。
- 回答プロセス
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(1)「オーケストラ」「楽器」をキーワードに検索した結果、ヒットした次の資料のなかに、この質問内容にかかる記述がありました。
1 『オーケストラの楽器たち-その製作現場をたずねて-』(石本祐吉著 アグネ技術センター 2000)に、次の記述がありました。
オーボエが、細いリードを直接差し込む下管(フルートと同様、上管と下管合わせて本管という)、わずかに開いた朝顔(ベル)で構成されるのに対し、クラリネットは本体の連続のようなベック(マウスピース)に重ねるようにしてリードを取り付ける。さらにベックと本管の間には「たる管(バレル)」と呼ばれる短い管が入る。ベックとたる管との差し込み部分でピッチの微調整ができるのに対して、オーボエはこういう場所がないので原則としてピッチ調整が出来ず、オーケストラ全体をオーボエのピッチに合わせるのはこのためともいわれている。(57頁)
同資料には次の記述もありました。
(演奏前のチューニング)、コンサートマスター(女性の場合はコンサートミストレス)が立ち上がり、オーボエ奏者にa1音を要求する。各奏者はこれと自分の楽器のaを聴き比べ、最後の調整をする。(1頁)
2 また、この「a1音」に関する資料として、『音楽を見る!-教育的視点による平均律・五線譜・ドレミ誕生の歴史-』(竹井成美著 音楽之友社 1997)に、次の記述がありました。
現在では、ラジオやテレビの時報音と同じ高さの音であるa1(イ)音を、440ヘルツから442ヘルツに定めることを標準としている。これこそが「標準ピッチ(高さ)」と呼ばれるものである。これは、1834年にドイツのシュツットガルト会議で440ヘルツに決められたものが、1936年以後にアメリカで演奏会用標準ピッチとして採用され、それ以来、1939年にはヨーロッパの主要国で採択され、その後日本でも用いられるようになったものである。(21頁)
- 事前調査事項
- NDC
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- 楽器.器楽 (763 9版)
- 事務機器.家庭機器.楽器 (582)
- 参考資料
- キーワード
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- オーケストラ
- 楽器
- 演奏会用標準ピッチ
- チューニング
- a1(イ)音
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000098895