レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/28
- 登録日時
- 2023/03/18 00:30
- 更新日時
- 2023/03/18 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-220060
- 質問
-
未解決
仙台藩における足軽の宗門帳提出義務,また苗字帯刀を許可された町人との諸取り扱いに関してどのように区別されていたのか知りたい。
- 回答
-
お問い合わせの件についてお調べしましたが,関連する記述は見あたりませんでした。
ただし,「仙台藩における足軽(卒)の家格」に関する記載が幾つかの資料に散見されましたので,参考までに御案内します。
※【 】内は当館請求記号です。
資料1 宮城県史編纂委員会編『宮城県史 2』宮城県史刊行会, 1966【K201/ミ1/エ2】
「第二章 家臣団の統制」-「第一節 家臣団の編成」の項
pp.66-67「家臣団の等級 (中略)伊達氏の厖大な家臣団は大別して門閥・平士・組士・卒の四等級に区分され,組士以上は士分であるが,卒は一般に士分と見なされず『凡下(ぼんげ)』とよばれた。(後略)」
pp.75-76「卒以下職人 伊達家臣団の中で最下層を占め,一般に凡下(ぼんげ)とよばれた。知行取はきわめて少く,大部分は切米扶持方・蔵米で支給された。(後略)」
資料2 仙台市史編さん委員会編『仙台市史 通史編3』仙台市, 2001【K225/セ1-13/ウ3】
「第三章 政宗の政治」-「第三節 家臣の配置」-「家格」の項
p.161「(10)卒 仙台藩家臣団のなかで最も下位に位置づけられ,原則として苗字の使用を許されないなど身分上も組士より上の士分とは区別され,『凡下(ぼんげ)』とも称された。卒とされる家臣は,足軽や藩が給与を与えて召し抱えている職人,特殊な技能によって藩に仕えている者など,多様な内容に分かれている。なかでも最も多数を占めるのは足軽で,時期により違いがあるが約二〇〇〇人ほど存在した。領内の警備や各種の雑務を任務とする小人も五〇〇人前後と数が多かった。ほとんどの者は切米や扶持米を与えられており,知行地を有する者は少なかった。また,居住地は,職掌に応じてさまざまであった。卒の総数は時代によって異なるが,おおよそ五〇〇〇人前後で推移していた。(後略)」
資料3 仙台郷土研究会編『仙台藩歴史事典』仙台郷土研究会, 2012【K205/2012.1】
「3 家臣の家格(伊達世臣家譜による)」の項
p.31「仙台藩の家臣団はその由緒や身分などによって家格が定められ,序列化されていた。(中略)(11)卒 武士身分を持たない家臣で,原則として苗字の公称を許されないなど,組士以上のものとは大きな身分格差があった。足軽が過半数を占め,そのほかに小人や各種職人,特殊技能者など多様な内容が含まれる。(後略)」
資料4 堀田幸義著『近世武家の「個」と社会』刀水書房, 2007【K205/2007.1】
pp.72-75「第二章 近世武家の身分格式と書札礼」-「第二節 身分制の維持と書札礼」-「(一)藩の身分規定」の項に,「士」と「凡下」の区分について詳細な考察が記されています。
資料5 新見吉治著『下級士族の研究』日本学術振興会, 1965【210.5/1965.Z】
「補遺」-「二 家中と奉公人」-「仙台藩陪臣の身分」の項
pp.48-49「仙台で『士分というは組士格の事に候』と,享保三年七月七日,御一門衆諸家中身分等の覚書に出ている。(中略)士格に準ぜられた陪臣どもはその嫡子は士分の取扱をうける。二男・三男・弟等は同居している間は士分の取扱いをうけるが,別家して医業など渡世の営みをしている者は,たとえ家内の人数に入れてあつても,凡下の扱いとなる。(中略)仙台藩では家中(直臣の意味)の士知行高三貫文(三十石)以上を士分とした。三貫文以下の知行取り並びに御切米御扶持取りの者でも大番組ならびに諸組付,御番外の者は,凡下扶持人(職人その他農商)と区別されていた。(後略)」
- 回答プロセス
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当館所蔵資料から,仙台藩に関する下記資料を調査しましたが,足軽と町人の諸取り扱いについて記述されている資料は見当たりませんでした。
<調査資料>
資料1 宮城県史編纂委員会編『宮城県史 2』宮城県史刊行会, 1966【K201/ミ1/エ2】
資料2 仙台市史編さん委員会編『仙台市史 通史編3』仙台市, 2001【K225/セ1-13/ウ3】
資料3 仙台郷土研究会編『仙台藩歴史事典』仙台郷土研究会, 2012【K205/2012.1】
資料4 仙台市史編纂委員会編『仙台市史 第1巻』万葉堂書店, 1974【K225/セ1-5/オ1X】
資料5 仙台市史編纂委員会編『仙台市史 第9巻』万葉堂書店, 1975【K225/セ1-5/エ9A】
資料6 堀田幸義著『近世武家の「個」と社会』刀水書房, 2007【K205/2007.1】
資料7 新見吉治著『下級士族の研究』日本学術振興会, 1965【210.5/1965.Z】
資料8 仙台郷土研究会編『仙台藩歴史用語辞典』仙台郷土研究会, 2015【K205/2015.6】
資料9 本田勇編著『史料仙台伊達氏家臣団事典』本田勇, 2003【K288/2003.2】
資料10 東北歴史資料館編『仙台藩の家臣団』東北歴史資料館, 1979【K205/ト1/イ】
資料11 渡辺信夫編『宮城の研究 3』清文堂出版, 1983【K200.8/ミ2/3】
資料12 高橋梵仙著『足軽聞書』開明書院, 1977【K205/タ5】
資料13 伊藤清太郎著 ; 平山憲治解説『今泉御足軽勤仕行状記』耕風社, 1989【K271/1989.Z】
資料14 中川学著『給人地方知行制下における村落構造の特質』東北大学文学部日本文化研究施設, 1991【K205/ナ2】
資料15 『仙台郷土研究 復刊第42巻第2号』仙台郷土研究会, 2017【PK201/セ】
資料16 『仙台郷土研究 復刊第39巻第2号』仙台郷土研究会, 2014【PK201/セ】
- 事前調査事項
- NDC
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- 東北地方 (212 9版)
- 参考資料
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- 宮城県史編纂委員会/編. 宮城県史 2. 宮城県史刊行会, 1966【K201/ミ1/エ2】:
- 仙台市史編纂委員会/編. 仙台市史 第1巻. 万葉堂書店, 1974【K225/セ1-5/オ1X】:
- 仙台市史編纂委員会/編. 仙台市史 第9巻. 万葉堂書店, 1975【K225/セ1-5/エ9A】:
- 仙台市史編さん委員会/編. 仙台市史 通史編3. 仙台市, 2001.9【K225/セ1-13/ウ3】:
- 仙台郷土研究会∥編. 仙台藩歴史事典. 仙台郷土研究会, 2012.1【K205/2012.1】:
- 仙台郷土研究会∥編. 仙台藩歴史用語辞典. 仙台郷土研究会, 2015.6【K205/2015.6】:
- 本田 勇/編著. 史料仙台伊達氏家臣団事典. 本田勇, 2003.2【K288/2003.2】:
- 堀田幸義/著. 近世武家の「個」と社会. 刀水書房, 2007.1【K205/2007.1】:
- 新見 吉治/著. 下級士族の研究. 日本学術振興会, 1965【210.5/1965.Z】:
- 東北歴史資料館/編. 仙台藩の家臣団. 東北歴史資料館, 1979【K205/ト1/イ】:
- 渡辺信夫/編. 宮城の研究 3. 清文堂出版, 1983【K200.8/ミ2/3】:
- 高橋梵仙/著. 足軽聞書. 開明書院, 1977【K205/タ5】:
- 伊藤清太郎/著 平山憲治/解説. 今泉御足軽勤仕行状記. 耕風社, 1989.12【K271/1989.Z】:
- 中川学/著. 給人地方知行制下における村落構造の特質. 東北大学文学部日本文化研究施設, 1991.3【K205/ナ2】:
- . 仙台郷土研究 復刊第42巻第2号. 仙台郷土研究会, 2017.12【PK201/セ】:
- . 仙台郷土研究 復刊第39巻第2号. 仙台郷土研究会, 2014.12【PK201/セ】:
- キーワード
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- 宮城県 -- 歴史 -- 近世
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000330643