レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1965年4月1日
- 登録日時
- 2011/12/14 02:00
- 更新日時
- 2023/09/14 09:54
- 管理番号
- 10-3A-201112-14
- 質問
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解決
住吉区我孫子(あびこ)町の町名の由来について知りたい。
- 回答
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あびこ町は吾彦または吾孫とも書かれ、万葉集にも網子(あこ)の海、安胡(あこ)の浦などどうたわれている。
その町名の由来については、依羅吾彦(よさみあびこ)の居住した所で、その名を地名に伝えたという説と、依羅はよせあみ(奇網)、吾孫はあみひこ(網曳子)の意とする説がある。
前説の依羅吾彦とその一族は当地の豪族であったらしく、古事記開化天皇の条には、開化天皇第4皇子を「依網阿毘古等が祖」とあり、そのほか日本書紀仁徳天皇の条、続日本紀孝謙天皇の条、神功記などにもあらわれている。
後説は日本書紀仁徳天皇43年9月の条などにより、依羅には屯倉(みやけ)があり、そこが狩猟と関係があったのではないかという考えから出てきた説とされている。
『住吉区誌 : 分区十周年記念』 ([大阪市]住吉区役所/編集 住吉区分区十周年記念事業委員会,1953.7)P.16-18 依羅地方の沿革の項には、両説が述べられている。
『大阪府史蹟名勝天然記念物 5 大阪市・堺市』( 大阪府庁社寺兵事課内史蹟名勝天然記念物保存協会大阪支部/編 大阪府庁社寺兵事課内史蹟名勝天然記念物保存協会大阪支部,1931.3).261
、 『大阪府全志 巻之3』 (井上 正雄/著 大阪府全志発行所,1922)P.130-131、『大阪風土記 : 大正』 (大阪市教育部共同研究会/編 大正大阪風土記刊行会,1926.11)P.555、 毎日新聞 昭和36年1月5日~11月29日号 「大阪の町(クリッピング) 28」、 『大日本地名辞書 上 』( 吉田 東伍/著 富山房,1907.10)P.377などは、前説のみ簡単に述べている。
『依羅郷土史』 (山崎 隆三/編 大阪市立依羅小学校創立八十五周年記事業委員会,1962.9)P.8-10では、依羅屯倉の設置についての学術的な解説の中で後説を紹介し、同説をとる栗田寛博士の「新撰姓氏録考証巻6」(明33)の注釈を付している。なお、この資料には依羅吾彦についても、P10~12に詳しく説かれている。他に 『姓氏家系大辞典 第3巻』(太田 亮/編 角川書店,1976)P6466-6467 依羅阿毘古・依羅屯倉阿弥古の項も参考になる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『住吉区誌 : 分区十周年記念』 [大阪市]住吉区役所/編集 住吉区分区十周年記念事業委員会,1953.7<当館書誌ID:0000244945>
- 『大阪府史蹟名勝天然記念物 5 大阪市・堺市』 大阪府庁社寺兵事課内史蹟名勝天然記念物保存協会大阪支部/編 大阪府庁社寺兵事課内史蹟名勝天然記念物保存協会大阪支部,1931.3<当館書誌ID:0080199817>
- 『大阪府全志 巻之3』 井上 正雄/著 大阪府全志発行所,1922<当館書誌ID:0070069488>
- 『大阪風土記 : 大正』 大阪市教育部共同研究会/編 大正大阪風土記刊行会,1926.11<当館書誌ID:0080190595>
- 毎日新聞 昭和36年1月5日~11月29日号 大阪の町(クリッピング) 28
- 『大日本地名辞書 上 』 吉田 東伍/著 富山房,1907.10<当館書誌ID:0080307618>
- 『依羅郷土史』 山崎 隆三/編 大阪市立依羅小学校創立八十五周年記事業委員会,1962.9<当館書誌ID:0080196766>
- 『姓氏家系大辞典 第3巻』 太田 亮/編 角川書店,1976<当館書誌ID:0000237084>
- キーワード
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- 大阪府大阪市住吉区
- あびこ
- 我孫子
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『昭和40年 大阪市立中央図書館 調査相談の記録3』より作成
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000097751