レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年7月6日
- 登録日時
- 2021/08/22 15:41
- 更新日時
- 2021/09/02 17:50
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2651
- 質問
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解決
海外の戸籍制度には、日本の戸籍制度のように父母欄は存在するか。なお、父母欄とは個人の名前にその父母を併記しているものを言う。
- 回答
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国内外の戸籍制度について、当館に所蔵する以下の資料に記述があったので紹介。
■『戸籍と国籍の近現代史』 遠藤 正敬/著、明石書店、2013.9
→(p290)戦後世界において、日本と同様の戸籍制度を実施していたのは韓国と台湾のみであると巷間よくいわれる。
→(p290,p291)【韓国における戸籍制度の廃止】2007年5月に家族関係登録法が制定され、2008年1月1日に施行されて戸籍法は廃止された。
→(p292,p295)【変容する台湾戸籍法】身分登録制度へと変革を遂げており、今日における制度の趣旨は日本の戸籍とは別個のものといえる。
■『戸籍って何だ』 佐藤 文明/著、緑風出版、2010.4
→(p25)戸籍は日本と韓国、台湾の三地域にしか存在しない、世界でも特異な制度である。
→(p25)台湾の戸籍制度は現在、停止されており、韓国のものは「日本の遺制」として非難され2007年12月31日に廃止されている。
戸籍制度ではないが、父母欄の質問について当館に所蔵する以下の資料を紹介。
■『渉外戸籍のための各国法律と要件』(1巻~6巻) 木村 三男/監修,篠崎 哲夫/編著,竹澤 雅二郎/編著,野崎 昌利/編著、日本加除出版
→本資料は、192か国の婚姻・離婚・出生等の成立要件を概説し、審査のポイントや根拠法条、判例の要旨などを掲載している。
各国の婚姻証明書、出生証明書等の様式が和訳とともに紹介されており、国により相違はあるが、父母の氏名を記入する欄が各様式に多く見られる。
→(3巻(2016.11) p106~p112)韓国の婚姻関係証明書、家族関係証明書、出生証明書の様式が和訳とともに紹介されており、父母の氏名を記入する欄が確認できる。
→(4巻(2017.3) p521~p579)台湾の婚姻成立要件、出生子の身分についての説明、出生届について記述がある。各様式の紹介はなく、父母欄の確認はできなかったが、現行の中華民国戸籍法が紹介されている。
■『渉外相続法(韓国・台湾・中国・北朝鮮)とその登記手続』 西山 国顕/著、文芸社、2004.9
→本書では、相続に必要な親族法の要点、相続登記に必要な相続法の要点を倫理と具体例を展開して解説している。出版年が2004年のため、現行の制度と異なる記述もある。
→(p67~p72)韓国の戸籍様式が和訳とともに紹介されており、父母の氏名を記入する欄が確認できる。
→(p236~p239)台湾の戸籍様式が和訳とともに紹介されており、父母の氏名を記入する欄が確認できる。
→(p381~p439)中国の戸口制度、家族法、相続法の説明が記述されている。戸口簿の様式が紹介されているが、父母の氏名を記入する欄は確認できなかった。
→(p381~p439)北朝鮮の公民証制度、家族法、相続法の説明が記述されている。相続証明書の様式が紹介されており、父母の氏名を記入する欄が確認できる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 民法.民事法 (324 9版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000303515