レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年03月24日
- 登録日時
- 2021/07/17 16:03
- 更新日時
- 2021/08/27 16:17
- 管理番号
- 堺-2021-053
- 質問
-
未解決
お香をたく器(香合)に彫られていた、「一左造」の「一左」とはどのような人物なのか知りたい。
- 回答
-
館蔵資料では「一左」の情報が得られなかったため、大阪府立図書館に調査依頼を行った。大阪府立図書館でも情報は得られなかったが、「一左」に近い情報を発見したと以下のような回答をいただいた。(以下、e-レファレンスの回答の抜粋。)
残念ながら、以下の資料を調査しましたが、「一左」についての情報は得られませんでした。
【茶道関係】
・『原色茶道大辞典』(井口海仙/監修 淡交社 1980)
・『角川茶道大事典 本編』(林屋辰三郎/[ほか]編集 角川書店 1990.5)
・『角川茶道大事典 資料・索引編』(林屋辰三郎/[ほか]編集 角川書店 1990.5)
・『茶の湯の銘大百科』(有馬頼底/監修 淡交社 2005.7)
・『茶道美術鑑賞辞典』(池田巌/[ほか]著 淡交社 1980.3)
→香合(p.303-432)
・『図解茶道具事典』(雄山閣/編 雄山閣 1978)
・『形物香合番付の世界:茶人のあそび心』(野村美術館学芸部/編集 野村文華財団 2013.3)
・『茶道具の鑑賞と基礎知識』(茶道資料館/編 淡交社 京都 2002.1)
→香合(p.49-60)
【陶磁器関係】
・『原色陶器大辞典』(加藤唐九郎/編 淡交社 1979)
・『陶器大辞典 巻1 あ~お』(陶器全集刊行会/編纂 五月書房 1980.5)
・『現代日本の陶芸家と作品 Vol.1 西部編』(小学館 1996.5)
・『現代日本の陶芸家と作品 Vol.2 中部編』(小学館 1996.5)
・『現代日本の陶芸家と作品 Vol.3 東部編』(小学館 1996.5)
・『現代陶芸家列伝』(井上隆生/著 風媒社 2006.1)
・『現代の陶芸 第1巻 日本の陶芸家』(講談社 1977.12)
→「桃山・江戸時代の名工」「明治・大正・昭和の陶芸家」になし。
・『現代の陶芸 別巻 現代陶芸家名鑑』(講談社 1978.1)
・『現代日本の陶芸 別巻 現代陶芸家名鑑』(乾由明/[ほか]編集委員 講談社 1985.8)
・『最新現代陶芸作家事典:作陶歴/技法と作風/作品別最新価格』(光芸出版編集部/編 光芸出版 1987.9)
・『現代名工・職人人名事典』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 1990.4)
・『日本陶磁器レファレンス事典』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2013.7)
・『近世・近代の茶陶 窯場名工名鑑』(黒田和哉/著 淡交社 2011.4)
なお、2点「一左」に近い人物がみつかりましたので、参考に記載いたします。
(1)山中忠七(号は「一左楽」)
・藤田伸也「近代陶芸としての万古焼(1)」『人文論叢』第27号(三重大学人文学部文化学科 2010)
明治以後の四日市万古焼の創始者と呼ばれる山中忠左衛門(1821-1878)の子どもが忠七といい、「陶工として勝れ、手捻りと轆轤を得意」とし、一左楽と号したとあります(p.116)。
この論文はインターネットで公開されています(2020/3/24確認)。
https://mie-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_snippet&index_id=136&pn=1&count=20&order=7&lang=japanese&page_id=13&block_id=21
(2)村治一磋(後、一瑳)
・景山春樹「坂本鋳金の傳流」『帝塚山大学論集』第25号(帝塚山大学 1979.9)
村治一磋は陶工ではなく鋳銅作家となりますが、p.32に香取秀真『日本鋳工史』第1冊(郷土研究社 1934)より引用の村治一磋の経歴(1877-1915)が記載されています。景山は「なお村治一瑳は小品には「一左」の銘を彫っているものもある由付記して置く」(p.35)と記載しています。
『日本鋳工史』は「国立国会図書館デジタルコレクション」図書館送信限定で閲覧可能です。村治一磋は107コマに記載があります(2020/3/24確認)。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1235415
※https://auction.artron.net/paimai-art5125540378/
のオークションのサイトに「一左造」の銘のある香炉が出品されています(2020/3/24確認)。
(南図書館)
- 回答プロセス
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以下の6点を調査しても情報が得られなかったため、大阪府立図書館へ調査依頼を行った。
・『国史大辞典』
・『漆工辞典』(角川学芸出版、2012年)
・『漆芸事典』(光芸出版、2004年)
・『茶道具の名工・作家名鑑』(淡交社、2018年)
・『角川日本陶磁大辞典』(角川学芸出版、2011年)
・Japan Knowledge Lib
- 事前調査事項
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香合はお茶席でご覧になったとのこと。香合が陶磁器なので、陶芸家ではないかとおっしゃっていた。
- NDC
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- 諸芸.娯楽 (79 8版)
- 工芸 (75 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 茶道具
- 陶磁器
- 香道
- 照会先
- 寄与者
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- 大阪府立中央図書館人文系資料室
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000301906