レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年5月19日
- 登録日時
- 2011/10/22 17:51
- 更新日時
- 2013/12/21 17:04
- 管理番号
- 塩尻016
- 質問
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解決
島崎藤村『夏草』(筑摩書房刊)の1948年(昭和23年)版の解説を宇野浩二が書いている。
宇野浩二は1948年まで長野県松本市に住んでいたようだが、その在住中に解説は書かれたのか。古田晁との交友録や入稿の記録からわかるとよい。
- 回答
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調査の結果、『夏草』が刊行されたのは昭和23年ではなく24年だったが、昭和23年11月に刊行された『若菜集』の解説も宇野浩二が書いている。
これらがいつの時点で書かれたかははっきりとはわからなかったが、宇野浩二は昭和23年3月に松本を引き上げたという記録があることから、『若菜集』の解説は松本在住中に書かれた可能性がより高い。
- 回答プロセス
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はじめに『夏草』の出版年を確認した。
NDL-OPACなどで検索すると昭和23年に筑摩書房から出版された藤村の本は『若菜集』のみであった。
質問者の方が実際に『夏草』をご覧になったとのことだったので【資料4】を確認すると、『夏草』は1949年7月に出版されており、1948年11月に出版された『若菜集』の解説も宇野浩二が書いていることがわかった。
次に解説が書かれた時期について調査した。
古田晁の伝記(【資料1,2】)には交友についての記録はほとんど書かれていない。また、所蔵している藤村全集で『夏草』『若菜集』を収録している巻の解説を確認したが関連する記述はなし。【資料3】は年代が違うので参考にならなかった。
【資料5】の巻末年譜に、昭和23年3月に「松本を引き上げた」との記述があったので、このことをそれぞれの出版年月とあわせてお伝えした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『含羞の人』 野原一夫/著 文藝春秋 1982
- 【資料2】 『古田晁伝説 (人間ドキュメント)』 塩澤実信/著 河出書房新社 2003
- 【資料3】 『文学者の日記6,7 (宇野浩二日記1,2)』 博文館新社 2000
- 【資料4】 『筑摩書房図書総目録 1940-1990』 筑摩書房/編 筑摩書房 1991 p.146
- 【資料5】 『宇野浩二全集 第12巻』 中央公論社 1973 p.462
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000093593