レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/02/01
- 登録日時
- 2023/03/09 00:31
- 更新日時
- 2023/03/09 00:31
- 管理番号
- 6001059612
- 質問
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解決
以前読んだ本に、ポンペイウスがエルサレムの神殿の聖域を暴いたということについてヘーゲルが触れていると書かれていたが、どのように書かれているのか知りたい。
- 回答
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『ヘーゲル事典』等ヘーゲル関連の資料を調査したが、手掛かりが見つからず。
GoogleBooksで「ポンペイウス」「エルサレム」「ヘーゲル」のキーワードで検索したところ、次の資料にヒントがありそうだったため、資料を確認。
・Gayatri C. Spivak,長原豊 「資本と身体 『弔鐘』-断片--書評-貸借表」『現代思想』32(7)(青土社 2004.6)p.117-149
p.117上段に「ヘーゲルは、ユダヤ教の幕舎-聖櫃tabernacleにある墳墓-暗号crypteが〔実は〕空っぽで、幕-膜veil/voileの後ろには何もなかったというポンペイウスの驚きを記録している。」と書かれていた。
そこで、この記述についての(注釈5)を確認したところ、ポンペイウスがエルサレムの神殿の聖域を暴いたことについてヘーゲルが書いた部分を引用しており、『キリスト教の精神とその運命』が出典であることが分かった。
「ポンペイウスは、ユダヤ人たちの祈りの中心に当たるこの神殿の内奥に近づき、そこにその国民精神の根源-この卓抜な民族を力づけている魂の中核-を見届けたいと思い、この民族の信仰の本体でありその畏敬が捧げられる意味深きものを一目見たいと思って、その秘密の場所に立ち入ったのであったが、意義深きものはおろか、そこは何一つない虚ろな空間でしかなかった。彼としてはさぞかし奇異の念にうたれたことであったろう。」(p.145-146)
出典の資料を読みたいとのことだったため、次の資料を紹介。
・『キリスト教の精神とその運命 (平凡社ライブラリー210)』(G.W.F.ヘーゲル/著 伴博/訳 平凡社 1997.8)
第一章ユダヤ民族の精神と運命 四継承者モーセ 1モーセの(宗教的)立法におけるユダヤ民族の精神(p.31-43)のp.34に該当の記述あり。
・『キリスト教の精神とその運命 新装版』(ヘーゲル/著 木村毅/訳 現代思潮社 1975)
第一章ユダヤ教の精神 第四節立法におけるユダヤ教の精神(p.15-24)のp.17に該当の記述あり。
[事例作成日:2023年2月1日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 教義.キリスト教神学 (191 10版)
- 参考資料
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- 現代思想 青土社 32(4-7) 5号:臨増 (32巻7号:117)
- キリスト教の精神とその運命 G.W.F.ヘーゲル∥著 平凡社 1997.8 (34)
- キリスト教の精神とその運命 ヘーゲル著 木村毅訳 現代思潮社 1975 (17)
- キーワード
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- ヘーゲル(ヘーゲル)
- ポンペイウス(ポンペイウス)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000329994