レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年03月12日
- 登録日時
- 2021/01/29 16:21
- 更新日時
- 2021/01/29 16:22
- 管理番号
- 9000031149
- 質問
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解決
中国の役職で「起居注」(キキョチュウ)というのがある。皇帝に一日中つききり、言ったことをすべて記録する。そして記録したものは皇帝にも見せなかったという。この「起居注」について書いてある資料はないか。辞典類をみたが詳しいものはなかった。
- 回答
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次の3冊に起居注について説明有り。
『支那史学史 2』内藤湖南/著
『清代文書資料の研究』加藤直人/著
※清代の起居注について大変詳しく書かれている。
『中国の歴史思想』稲葉一郎/著
また当館に所蔵はないが中国歴代王朝における起居注の沿革と、とくに明代については次の資料が詳しい。国立国会デジタルコレクションか相互貸借で閲覧可能。
『明代満蒙史研究』(p.587今川春秋「明季三代起居注考」)
※この論文の起居注は役職と記録の両方について書かれている。
- 回答プロセス
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1.「起居注」(ききょちゅう)という言葉が初耳だったので、辞書、事典類で調べる。次の事典類に項目あり。
『中国正史文化事典』p.158
『中国歴代職官辞典』p.58
『アジア歴史事典 2』pp.338-339
起居注という言葉は役職であると同時に、記録そのものも起居注と呼ばれることがわかる。
2.「起居注」のキーワードで蔵書を検索するが、所蔵なし。
3.インターネット、Googleブックスで「起居注」で検索する。
『支那史学史概要』内藤湖南/著がヒットする。蔵書を探し、『支那史学史 2』(ワイド版東洋文庫)中にあるのを見つける。
4.「中国」「文官」「官吏」「史書」等関連しそうなキーワードで検索。また書架もブラウジングして関係ありそうな図書を確認する。
『清代文書資料の研究』加藤直人/著、『中国の歴史思想』稲葉一郎/著に起居注の記述あり。
『清代文書資料の研究』p.209に「中国歴代王朝における起居注の沿革と、とくに明代のそれに関しては」と今西春秋の論文「明季三代起居注考」を紹介しているが、収録されている『明代満蒙史研究』は当館に所蔵なし。国立国会図書館デジタルコレクション(図書館送信参加館内公開)にあり。その他の所蔵館も数館あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 中国 (222 10版)
- 法制史 (322 10版)
- 参考資料
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内藤 湖南/著 , 内藤‖湖南. 支那史学史 2. 平凡社, 2008. (ワイド版東洋文庫 ; 559)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I046672069-00 , ISBN 4256805596 (pp.318-319) -
加藤直人 著 , 加藤, 直人, 1951-. 清代文書資料の研究. 汲古書院, 2016. (汲古叢書 ; 131)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027132498-00 , ISBN 9784762960307 (pp.209-236) -
稲葉一郎 著 , 稲葉, 一郎, 1936- , 戸川, 芳郎, 1931- , 林田, 慎之助, 1932-. 中国の歴史思想 : 紀伝体考. 創文社, 1999. (中国学芸叢書 ; 7)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002772661-00 , ISBN 4423194104 (pp.290-293) -
国立国会図書館デジタルコレクション(明代満蒙史研究 : 明代満蒙史料研究篇)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3008417/1
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内藤 湖南/著 , 内藤‖湖南. 支那史学史 2. 平凡社, 2008. (ワイド版東洋文庫 ; 559)
- キーワード
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- 起居注
- 官職
- 史書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000293143