レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年12月02日
- 登録日時
- 2022/12/15 10:39
- 更新日時
- 2023/02/16 11:41
- 管理番号
- 相-220005
- 質問
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解決
話し言葉で、例えばものごとの手順を箇条説明するときに、その語尾に「・・・しますー、・・・しますー、しますー」というような「・・・しますー」表現を耳にします。特徴としては「しますー」の部分が若干上昇調イントネーション、かつ「すー」と語尾を伸ばしかつ「すー」に強勢を置く言い回しになることが多いと感じています。
実際の例として、魚のさばき方を紹介するコンテンツにはネット上にこんなものがあるのだという情報をテレビアナウンサーが紹介するときに、「魚の真ん中に切れ目を入れますー、頭の方から食べていきますー、骨をべりべとめくりますー、その半分を食べますー、・・・」など
1.このような言語現象には名称があるのか?あるのであれば何という名称か?
2.日本語学やあるいは言葉を扱う周辺領域に論じられた例はあるのか?あるいは、そのような言い回しについての統計的調査例はあるのか?」
- 回答
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・『日本語学キーワード事典』小池清治ほか編 朝倉書店 1997
p.48「女ことば」で「尻上がりのイントネーションが多い」等の記載があります。
・「韓国人日本語学習者による句末イントネーションの生成と知覚」金瑜眞著 2017 筑波大学博士(言語学)学位請求論文(https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/47447)
p.12-p.21「2.2 日本語の句末イントネーション」で「イントネーションを(中略)類型ごとに整理」しており、p.17の註で「上昇調の一種として「des、masと一音節に発音し、そのeやaの終りごろから急に上昇しつつsに移る(川上 1963:26)」「「つり上げ調」についても指摘しているが、女性アナウンサーに主に見られる」「話者が限定的」との記載があります。
こちらの論文はつくばリポジトリ(筑波大学で生み出された研究・教育成果(学術論文・博士論文・研究報告書・教材など)を永続的に蓄積・保存し、インターネットを通して無料にアクセスできるように公開する学術コンテンツデータベース)で全文公開されています。
・「文末などの上昇調について」川上蓁著 『国語研究』(16)p.25-p.46 國學院大學国語研究会 1963.8 (https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6058609)
p.25に「東京語ないし共通語で分の末端に現れる上昇調は、(中略)四種である。なお右のほか、「第五種 つり上げ調」とでも名づけたい一種の上昇調がある。これは、女のアナウンサーがよく用いる職業的イントネーション」等の記載があります。
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- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811)
- 参考資料
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小池清治 [ほか]編 , 小池, 清治, 1941-. 日本語学キーワード事典. 朝倉書店, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002599846-00 , ISBN 4254510225
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小池清治 [ほか]編 , 小池, 清治, 1941-. 日本語学キーワード事典. 朝倉書店, 1997.
- キーワード
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- 国語学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000325787