レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2021/12/10 16:39
- 更新日時
- 2023/03/19 15:59
- 管理番号
- 愛知県図-03688
- 質問
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未解決
1945(昭和20)年5月14日の名古屋空襲の際、西区児玉3丁目付近にB29_#44-70017が墜落した。
その墜落機とB29搭乗員に関して、当時の新聞記事や、参考になる情報を知りたい。
特に、B29の墜落現場がピンポイントで特定できる記載がある資料を探している。
- 回答
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当館所蔵の下記の資料を調査しましたが、墜落現場をピンポイントで特定できる資料は見つかりませんでした。下記に関連情報の調査結果を記します。
○『中部日本新聞(中日新聞)(名古屋本社版)』【資料1】(マイクロフィルム)1945(昭和20)年5月15日から21日まで (注)?は判読不明の文字。また、旧字は新字に直して表記。
(1)1945(昭和20)年5月15日 1面
・「機動部隊とB29呼応、大挙来襲す/名古屋にB29四百機 焼夷弾で市街地を暴爆」として大本営発表の記事あり。
・上記記事の横に「眼前、堕ちる敵機 天晴れ消火に市民の敢闘」という記事があるが、紙面の状態が悪く解読困難。ただし、『名古屋空襲誌』【資料2】に転載あり。
(2) 1945(昭和20)年5月16日 2面
・「撃墜されたB二十九 名古屋市??児玉町にて」として写真掲載あり。焼け跡の物体(建物か機体かは不明)と数名の人影が写っているが、紙面の状態が悪くそれ以上は判別不能。
・上記写真の下に四点の関連記事あり。いずれも紙面の状態が悪く解読困難。
「欺騙戦法の敵機 突込む初陣の若鷲屠龍 遂撃??」
「両足をバタつかせて赤鬼か死神そのもの 撃墜現場」
「一撃忽ち海の藻屑」
「ざまあ見ろ B29??目撃者の談」
○『名古屋空襲誌』【資料2】1号(昭和52.2)-8号(昭和54.11)
名古屋空襲の概要、体験記、当時の新聞、文献目録などをまとめた雑誌で、特に第6号「4,5月の空襲」に5/14空襲についての記録が多い。
(1)6号「当時の新聞から」(p98-112)として、4/1~5/30の中部日本新聞の記事を転載。(前述した5/15の記事2件は同号p106に転載されている。前述した5/16の記事4件は転載されていない。)
(2)6号「五月十四日名古屋地区空襲被害概況」(p113-116)の中に、「八、防空部隊ノ撃墜戦果」(p116)として「搭乗員中四名ハ落下傘ニ依リ市内ニ降下セルヲ以テ直ニ逮捕軍部ニ引渡ヲ完了セリ」とあり。
(3)8号「名古屋師団司令部―情報室員のメモ―」(白井三次)(p28-31)に「米空母艦載機のパイロットを捕虜」(p30)という章あり。「五月下旬の或る日、撃墜された米戦闘機のパイロットが、重傷のまま、パラシュートにくるまり、トラックに乗せられて、井伊谷の司令部に護送されて来た」と、訊問の様子が記述されている。撃墜された日時・場所は記載なし。
○『名古屋空襲を語る 雫からの一歩』【資料3】
戦争の体験談をまとめた本で、「B-29搭乗員の処刑」(p37-38)という章あり。「7月12日~15日に掛けて起きた出来事」として、「東海軍管区司令部女子防空通信隊・翼隊に配属されていた女性」が、「愛知県庁の西公舎前」でB29搭乗員である米兵が斬首される様子を見た体験が記述されている。事前調査事項の「POW研究会」HPに掲載された情報とは同時期であるが処刑場所などが異なる。撃墜された日時・場所は記載なし。
- 回答プロセス
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1.【資料1】を調査。
※調査できたのは中日新聞のみ。「朝日新聞(名古屋本社版)」(マイクロフィルム)は、当館所蔵では該当年が欠号。データベースでは同年5月の記事の収録なし。他の地元新聞も同年は所蔵なし。
2.【資料2】を調査。
3.「名古屋空襲」等で検索し、1945(昭和20)年5月14日の写真や手記を中心に、当館資料を調査。関連情報として【資料3】が見つかる。
4.インターネットで検索。「B29_#44-70017」についての記載が見つかるが、事前調査事項と重複する内容だった。
【回答以外の調査資料】
・『名古屋空襲誌・資料篇』名古屋空襲を記録する会 1985.10(当館資料コードは本紙と同じ:2520250008)
・『名古屋市爆撃の効果』アメリカ合衆国戦略爆撃調査団/[編] 名古屋市総務局企画部調査課 1964(当館資料コード:1101459896)
・『炎と恐怖の名古屋 写真でみる名古屋空襲』朝日新聞名古屋本社企画部/編集 朝日新聞名古屋本社企画部 1973(当館資料コード:1101459850)
・『あれから40年 名古屋大空襲展』朝日新聞社 朝日新聞東京本社企画第一部1985(当館資料コード:1103167291)
・『名古屋大空襲』毎日新聞社/編 毎日新聞社 1971(当館資料コード:1101506931)
・『空襲の記録 名古屋を中心に』中日新聞本社開発局/編 名古屋 中日新聞本社 1975.8(当館資料コード:1101506584)
・『日本の空襲 5』(愛知・三重・岐阜・福井・石川・富山)三省堂 1980.6(当館資料コード:1102290960)
・ウェブサイト「青森空襲を記録する会」http://www.digitao.sakura.ne.jp/aomorikuushuu
トップページ>「本土空襲墜落機調査」>1945年5月14日 B29「B29_#44-70017」(最終確認日 2023/02/14)
- 事前調査事項
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「POW研究会 本土空襲の墜落米軍機と捕虜飛行士」 POW(Prisoner of War=戦争捕虜)研究会による調査活動の報告等が掲載されているウェブサイト。http://www.powresearch.jp/jp/archive/pilot/index.html(最終確認日 2023/02/14)
- NDC
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- 空軍 (398 10版)
- 戦争.戦略.戦術 (391 10版)
- 中部地方 (215 10版)
- 参考資料
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【資料1】中部日本新聞社. 中部日本新聞. 双光エシックス.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008418485-00 -
【資料2】名古屋空襲誌. 名古屋空襲を記録する会.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000029743-00 (当館資料コード:2520250008) -
【資料3】森零 監修 , 森, 零. 名古屋空襲を語る : 零からの一歩. 名古屋活動写真, 2013.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I074855676-00 (当館資料コード:1110609375)
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【資料1】中部日本新聞社. 中部日本新聞. 双光エシックス.
- キーワード
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- 第二次世界大戦
- 名古屋空襲
- B29
- 搭乗員
- 捕虜
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000308784