レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/09/21
- 登録日時
- 2020/11/26 00:30
- 更新日時
- 2022/10/12 12:04
- 管理番号
- 茨城-2019-165
- 質問
-
解決
(1) 浅野家が笠間に領地を持っていたのはいつからいつまでか。
(2) 旧真壁町のデイシ(チ)ョウジ?が浅野家の菩提寺だったと聞いた。寺の創建・宗派等概要が知りたい。
(3) 筑波連山のダイカクジ(「関東の山寺」と言われているらしい)は,親鸞創建らしい。寺の創建・宗派等概要が知りたい。
- 回答
-
(1) 浅野家が笠間に領地をもっていた時期
元和8年(1622)12月に真壁より浅野長重(ながしげ)が入封し,正保2年(1645)6月に長重の長子・長直(ながなお)が播磨国赤穂へ転封しています。
日にちについては,図書により異なるため,次に列記します。
・『笠間市史 上巻』(笠間市史編さん委員会/編集 笠間市 1993)p.367-368
「元和八年(一六二二)の年も押し詰まった十二月七日、真壁の浅野長重が五万三五〇〇石で入封した。」
「長直は、(略)、正保二年(一六四五)六月十三日、播磨国赤穂(兵庫県赤穂市)へ笠間と同石高の五万三五〇〇石で転封した。」
・『新笠間市の歴史』(笠間市史編さん専門委員会/編 笠間市教育委員会 2011)p.214-215
「元和八年(一六二二)十二月七日に真壁藩の浅野長重が五万三五〇〇石で入部した。」
「正保二年(一六四五)六月十三日に播磨国赤穂(兵庫県赤穂市)へ五万三五〇〇石の笠間と同石高で国替えの命があった。」
・『茨城県史年表』(茨城県立歴史館/編集 茨城県 1996)
p.168「元和8年12月8日 浅野長重,真壁より茨城郡笠間城に5万3500石で入る」
p.182「正保2年6月22日 笠間藩主の浅野長直,領知を播磨国赤穂など4郡の内に移され,赤穂城を築く」
(2) 浅野家の菩提寺伝正寺について
・『樺穂村勢要覧 昭和29年』(樺穂村/〔編〕 樺穂村役場 1955)
p.57「伝正寺 大字桜井」に次の解説があります。
「天目山伝正寺は天目山麓にある県下有数の古刹で,もと天目山照明寺と称した。
寺伝によれば文永5年(西紀1268)当時の真壁城主,真壁安芸守時幹が法身(ほっしん)国師(真壁平四郎)のために創立したもので宗旨は臨済宗であった。康正2年(西紀1456)相模国早川の海蔵寺住職安叟宗楞(あんそうじゅうりょう)禅師がこの地に来て曹洞宗に改宗したとのことである。」
浅野「長政が真壁の陣屋で卒去するや照明寺に葬った。法名を,「伝正院殿功山道忠大居士」といった。照明寺はこの法名を取って(略),この時から天目山伝正寺と改めた。」
(3) 大覚寺について
・『八郷町史』(八郷町史編さん委員会/編 八郷町 2005)
p.1192「浄土真宗」の項目に「浄土真宗本願寺派 大覚寺 大増」の項があり,次の解説があります。
「板敷山大覚寺といい、親鸞関東教化中法難の遺跡として有名である。山伏弁円は親鸞の布教する浄土真宗により、修験道の衰退を恐れ、承久三年(一二二一)親鸞を板敷山で待ち伏せした。(略)、親鸞を襲ったが失敗した。その後、稲田に親鸞を襲ったが、真宗の奥義を説かれ弟子になった。(略)。弁円は那珂町に上宮寺を建て明法房となった。
大覚寺の創建は承久三年で周観大覚といわれている。元の場所は山のほうにあり、明円寺といっていたが、天明二年(一七八六)の夏の山津波で本堂は八〇〇メートル下に流された。その後、現在地に再建した」
・『ふるさとへの招待』(高森 良昌/著・石橋修/編集 千葉日報社 1984)
p.243-244「大覚寺」に,『八郷町史』に記載されていない情報で,創建について次の記述があります。
「縁起によれば,承久3年(1221)親鸞上人の法弟大覚が開山した。大覚は後鳥羽上皇第三子の正懐親王で,剃髪して周観大覚といった。東国行脚の帰途この地に草庵を建てたことにはじまる。」
- 回答プロセス
-
(1) 『藩史大事典 第2巻』,市町村史を確認
→日にちが異なるため『茨城県史年表』,『寛政重修諸家譜 第5』も確認
(2) OPACを全項目「笠間 浅野」で検索
→『茨城ゆかりの史蹟探訪』より,菩提寺は「伝正寺」
→OPACを「伝正寺」にて検索,資料を確認
・『真壁町の昔ばなし』p.29-31
→市町村史を確認→×
(3) OPACを「シンラン ダイカクジ」で検索
→『関東古社名刹の旅 2』より「大覚寺」
→OPACにて郷土資料で「大覚寺」を検索,資料を確認
・『茨城の寺 1』p.154-155
・『岩瀬町史研究 第3号』p.64-67
→市町村史を確認
- 事前調査事項
- NDC
-
- 各宗 (188 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
-
-
木村礎 [ほか]編 , 木村, 礎, 1924-2004. 藩史大事典 第2巻 (関東編). 雄山閣出版, 1989.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002016555-00 , ISBN 4639009208 -
茨城県立歴史館史料部/編 , 茨城県立歴史館史料部 , 茨城県立歴史館 , 佐藤 守弘 , 常松 成人 , 佐々木 倫朗 , 谷萩 操 , 梶山 孝夫 , 菅谷 務. 茨城県史研究 第78号. 茨城県立歴史館, 1997-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062357812-00 -
笠間市史編さん委員会 編 , 笠間市. 笠間市史 上巻. 笠間市, 1993.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002302651-00 -
笠間市史編さん専門委員会 編 , 笠間市教育委員会. 新笠間市の歴史. 笠間市教育委員会, 2011.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011206064-00 -
寛政重脩諸家譜 第5輯. 榮進舍出版部, 1917.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009207716-00 -
山本秋広 著 , 山本, 秋広. 茨城ゆかりの史蹟探訪. 山本秋広, 1970. (紀山文集 ; 第13巻,15巻)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001220152-00 -
樺穂村(茨城県)/〔編〕 , 樺穂村(茨城県) , 樺穂村(茨城県). 樺穂村勢要覧 昭和29年. 樺穂村役場, 1955-01.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I063035134-00 -
仲田安夫 著 , 仲田, 安夫, 1932-. 真壁町の昔ばなし. 筑波書林, 1989. (ふるさと文庫)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002041527-00 -
稲葉博 著 , 稲葉, 博, 1927-. 関東古社名刹の旅 2 (群馬・栃木・茨城編). 読売新聞社, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001844601-00 , ISBN 4643870095 -
高森良昌 著 , 石橋修 編 , 高森, 良昌 , 石橋, 修, 1923-. ふるさとへの招待 : 常総と鎌倉. 千葉日報社, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001932751-00 -
今瀬文也 著 , 今瀬, 文也, 1933-. 茨城の寺 1. 太平洋出版, 1971.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001240499-00 -
岩瀬町史編さん委員会事務局/編 , 岩瀬町史編さん委員会事務局 , 岩瀬町 , 仲根 隆淳 , 益子 一 , 池上 和子( 歴史) , 仲根 隆淳 , 仲根 隆淳 , 前川 康司 , 仲根 隆淳 , 益子 一 , 仲根 隆淳 , 仙波 沢治. 岩瀬町史研究 第3号. 岩瀬町史編さん委員会, 1980-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062818851-00
-
木村礎 [ほか]編 , 木村, 礎, 1924-2004. 藩史大事典 第2巻 (関東編). 雄山閣出版, 1989.
- キーワード
-
- 浅野家(アサノケ)
- 笠間藩(カサマハン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土,人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000289837