レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1996年2月21日
- 登録日時
- 2005/12/16 10:43
- 更新日時
- 2007/05/01 16:51
- 管理番号
- 福井県図-19960221
- 質問
-
解決
三島由紀夫の「春の雪」は、二・二六事件をモデル(題材)にしているか。
二・二六事件を題材にした3作品で、事件同様雪のシーンが登場する作品はあるか。
- 回答
-
「春の雪」は、二・二六事件をモデルにした作品ではありません。
三島由紀夫は「「春の雪」について」という随筆に、
宮様の許婚になった恋人を犯して妊娠させ、そのため恋人は剃髪遁世し、自分は病没する青年の話だ
と書いています。また、実際本文を読んでみた限り二・二六事件との関わりは読み取れませんでした。
二・二六事件を題材にした作品は、短編小説「英霊の声」「憂国」、戯曲「十日の菊」の3作品です。
三島由紀夫は、「二・二六事件と私」という随筆でこの3作品について、
『二・二六事件三部作』といふやうな形で、一本にすることができたのは、私の深い喜びである。
と述べています。
また、雪のシーンが登場する作品は、
「憂国」です。
- 回答プロセス
-
三島由紀夫全集の該当すると考えられる巻を見ていった。
【2005年12月16日補記】
2005年11月20日中日新聞26面の
三島由紀夫著『英霊の声』(河出文庫)への書評で、
「三島自身が<二・二六事件3部作>と位置づけた、
短編「英霊の声」「憂国」、戯曲「十日の菊」の3編」
と記載されていた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913)
- 参考資料
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- 二・二六事件と私(『三島由紀夫全集 第32巻』 1975 新潮社 p.356~) (918.6/M8/2-32 1011323845)
- 「春の雪」について(『三島由紀夫全集 第34巻』 1976 新潮社 p.114~115) (918.6/M8/2/34 1011323860)
- キーワード
-
- 三島由紀夫
- 春の雪
- 英霊の声
- 憂国
- 十日の菊
- 二・二六事件
- 2・26事件
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000026848