レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/02/15
- 登録日時
- 2022/05/19 00:30
- 更新日時
- 2022/05/19 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-210050
- 質問
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解決
明治憲法発布祝賀について,宮城県下でどのような祝賀行事がどのように計画され実行されたのか調べている。
郷土資料や公文書等に情報があるか知りたい。
- 回答
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下記の資料1-4に関連する記載がありました。
※【 】内は当館請求記号です。
資料1 佐々久「宮城県警察物語(二三) : 明治二十二年前半・憲法発布の頃」『宮城警友』宮城県警友会消費生活協同組合, 13巻2号(1959.3)pp.20-24【PK317/ミ】
p.21「(前略)二月十一日憲法発布が近ずくと各地にその祝賀準備が進められた。仙台では官民合同の自由平等の大宴会が計画され,県庁で協議会が開かれ会費三〇銭と決定した。(中略)十カ所が申込所となり,十一日十一時西公園の?翠館で開かれることになった。石巻は十時から中瀬小学校,会費廿五銭,かつ花火大会が準備された。塩釜では駅前の翠松館で,会費廿五銭,古川では十時から瑞川寺で政談大演説会が開かれる予定であり,十日には大崎五郡懇親会が開かれ,演説会には,村松,藤沢,田代,岩崎の弁士も仙台からかけつけた。(中略)十一日午前〇時卅分憲法は発布され,勅語と七十六条の憲法項目は十一日新聞にのせられた。この日仙台の?翠館に集つた官民奉祝者は一二五〇名,さらに消防などをいれると一四〇〇に達した。御真影を安置し,その前には,蟹牡丹(伊達家の家紋)の麻裃を着用した慷慨家沼沢与三郎が端坐し,師団の祝砲を合図に開式し,万歳の後祝辞があり,折詰冷酒を開き,散会したのは午後二時であつた。この日知事よりも酒の寄附があり,豪商よりは余興の寄附があり,消防は梯子のぼりなどの演技をし,ミカン,餅をもまいた。学校,寺社,町村も思い思いに祝賀式を行つた。(後略)」
資料2 殘夢叟「その頃の仙臺 : 明治憲法發布の前後」『仙臺郷土研究』仙臺郷土研究会, 15巻12号(1946.12)pp.3-8【PK201/セ】
p.3「(前略)仙臺では松平正直の知事時代で,今の西公園の?翠館で官民合同の式を擧げた。東京からの刻々の電報で,詔勅や,憲法の條章が公表せられ,縣民の代表は恭しく?辭を述べた。?翠館は館内も庭上も,實に立錐の餘地もない盛況だつた。(後略)」
資料3 佐々久編『宮城県』昌平社, 1982【K206/ミ2】
pp.20-21「電文「憲法発布大に雪降る」」の項
「明治二二年(一八八九)二月一一日,「大日本帝国憲法」が発布された。(中略)同じ日,仙台においても,「憲法発布官民有志大祝賀会」が行われた。会場となった桜ヶ丘公園(西公園)の?翠(ゆうすい)館は,大勢の参会者で立錐の余地もない盛況だった。(中略)かつて民権運動のなかで敵対していた人びとも,今日は「呉越同舟」とばかり壇上にならんでいた。(中略)式は第二師団の祝砲を合図に挙行された。後藤敬臣の祝辞につづいて草刈と松田がこもごも立って演説し,憲法発布に慶賀の意を表した。この間,会場では東京から刻々届く電報で,詔勅や憲法の章条が公表された。(中略)この日古川町(古川市)で開催された祝賀会に参加していた民権家藤沢幾之輔(いくのすけ)(中略)のもとにも,東京から電報が届いた。電文は「憲法発布大(おおい)に雪降る」というものであった。彼はこれを,憲法の内容が予想どおり国民の期待に反するきびしいものだ、と解釈した。しかし,それは思いちがいで,事実この日の東京は前夜からの雪だったのである。(後略)」
資料4 古川市史編さん委員会編『古川市史 第2巻』大崎市, 2009.8【K235.4/2001.3/2A】
pp.116-120「近代編」-「第一章 近代の幕開け」-「第四節 自由民権と立憲政治」-「三 憲法発布と国会」の項
pp.118「(前略)二月一一日には日本国中で憲法発布の祝典が行われた。宮城県でも桜ヶ丘公園(仙台市青葉区)で憲法発布官民有志大祝賀会が行われ,祝典の趣旨は「此の日こそ実に千歳(載)一遇の一大記念日となるべきものなれば,苟も日本帝国の臣民として誰一人の祝意を表せざるはなき筈にて,固より官民朝野の区別あるべきにあらず。貴賤上下男女老幼,皆挙て相共に聖代の大典を祝喜せん」とするものであった。当日は式典関係者を含めると一四〇〇名もの人々が集まり,第二師団の祝砲を合図に祝典が開始された(『奥羽日日新聞』明治22年2月2日)。(後略)」
- 回答プロセス
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1. 宮城県史や市町村史を中心に調査したところ,資料1-4に記載があった。その他に下記資料5-27も確認したが,関連する記述は見当たらなかった。
資料5 宮城県議会史編さん委員会編『宮城県議会史 第1巻』宮城県議会史編さん委員会, 1968【K318/ミ15/1】
資料6 毎日新聞社編『宮城百年』毎日新聞社, 1968【K206/マ1】
資料7 名取教育会編『名取郡誌』名取教育会, 1925【K221/ナ1】
資料8 柴田郡教育会編『柴田郡誌』柴田郡教育会, 1925【K213/シ1】
資料9 渡部義顕『宮城県亘理郡史』渡部義顕, 1917【K217/ワ1】
資料10 刈田郡教育会編『刈田郡誌』宮城県刈田郡教育会, 1928【K211/カ2】
資料11 伊具郡教育会編『伊具郡誌』名著出版, 1972.7【K215/イ1-3】
資料12 宮城郡教育会編『宮城郡誌』宮城郡教育会, 1928【K223/ミ1】
資料13 黒川郡教育会編『宮城県黒川郡誌』黒川郡教育会, 1924【K227/ク1】
資料14 加美郡教育会編『加美郡誌』加美郡教育会, 1925【K231/カ1】
資料15 玉造郡教員会編『玉造郡誌』玉造郡教員会, 1929【K233/タ1】
資料16 遠田郡教育会編『遠田郡誌』遠田郡教育会, 1926【K241/ト1】
資料17 栗原郡教育会編『栗原郡誌』栗原郡教育会, 1918【K243/ク1】
資料18 桃生郡教育会編『桃生郡誌』名著出版, 1973【K251/モ2-2】
資料19 牡鹿郡編『牡鹿郡誌』牡鹿郡, 1923【K253/オ1】
資料20 登米郡編『登米郡史 上巻』宮城県登米郡役所, 1923【K261/ト1/1】
資料21 登米郡編『登米郡史 下巻』宮城県登米郡役所,1923【K261/ト1/2】
資料22 本吉郡町村長会本吉郡誌編纂委員会編『本吉郡誌 全』名著出版,1973【K263/モ1-2】
資料23 気仙郡教育会編『気仙郡誌』NSK地方出版, 昭和【K271/ケ1】
資料24 塩竈市史編纂委員会編『塩竈市史 2』塩竈市, 1986.12【K223.5/シ1/2】
資料25 塩竈市史編纂委員会編『塩竈市史 3』塩竈市, 1959【K223.5/シ1/3】
資料26 塩竈市史編纂委員会編『塩竈市史 4』塩竈市, 1986.3【K223.5/シ1/4】
資料27 石巻市史編纂委員会編『石巻市史 第3巻』石巻市, 1959【K253.3/イ1/3】
2. 宮城県公文書館の収蔵資料について,「明治時代」のファイルを「憲法」「発布」等のキーワードで検索したが,関連する記載のある公文書は見当たらなかった。
「宮城県公文書館」-「収蔵資料検索」
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/koubun/shiryoukensaku.html (最終アクセス日:2022年2月12日)
- 事前調査事項
- NDC
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- 憲法 (323 9版)
- 参考資料
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- . 宮城警友 第13巻2号. 宮城県警友会消費生活協同組合, 1959.3【PK317/ミ】:
- . 仙臺郷土研究 第15巻12号. 仙臺郷土研究会, 1946.12【PK201/セ】:
- 佐々 久/編. 宮城県. 昌平社, 1982【K206/ミ2】:
- 古川市史編さん委員会/編. 古川市史 第2巻. 大崎市, 2009.8【K235.4/2001.3/2A】:
- キーワード
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- 明治憲法
- 大日本帝国憲法
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000316345