レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年03月22日
- 登録日時
- 2022/09/13 15:06
- 更新日時
- 2022/09/28 09:15
- 管理番号
- 中央-1-0021574
- 質問
-
解決
さいたま市内(特に南区、桜区、中央区あたり)に鉄にまつわる遺跡があれば教えてほしい。採掘、製鉄、加工場跡のほか、鉄製品(武具や農具など)を売買した市、鉄の神を祀る神社なども含め、幅広く情報が欲しい。
- 回答
-
下記資料を紹介した。
(1)『中世東国の世界1』浅野晴樹/編 齋藤慎一/編 高志書院 2003年
p18「(略)伊奈町大山遺跡、浦和市下野田稲荷原遺跡、蓮田市椿山遺跡などの集落では、傾斜地に製鉄炉や鍛冶工房、炭窯などを営む手工業者の集団として成長し、台地を耕地として切り開き、畑地や菜園などを設けたのであろう」
※下野田は緑区だが、参考までに紹介した。
(2)『下野田稲荷原遺跡(第10次)・下野田本村遺跡(第4~6次)・中野田堀ノ内遺跡(第1次) さいたま市遺跡調査会報告書第107集』さいたま市遺跡調査会 2010年
p15「第2章 下野田稲荷原遺跡の発掘調査歴」に鉄製品に関する記述あり。
・平成11年1月~3月調査の4区で鉄製品、5区で鉄製品・砥石が出土
・平成11年6月~12年3月調査の10区で鉄器出土
(3)『与野市史 通史編 上巻』与野市総務部市史編さん室/編 与野市 1987年
p136「また、土器以外の遺物として、鉄製品の出土が平安時代以降の住居跡では極めて多くなる。市内でも曲庭(まにわ)遺跡から砥石とともに鉄器が出土しており、八王子前原遺跡では砥石も出土している。埼玉県内の荒川・元荒川流域では九世紀以後多くの製鉄遺跡が発見されている。近くでは伊奈町の大山遺跡から製鉄炉跡が多く発見されており、鉄生産の専業集団のムラとされている。これらのムラからの供給を受けていたもので、出土状態から見て鉄の使用が日常的なレベルまで普及していったものと思われる。」
(4)『曲庭(まにわ)遺跡 発掘調査報告書 与野市文化財報告書(8)』与野市遺跡調査会/編 与野市遺跡調査会 1983年
p14 鉄器と砥石が出土している記載あり。(遺物25・26 第10図)
遺跡調査書・報告書については、インターネットでも検索できる。
※最終アクセス確認日:2022年9月21日
「全国遺跡報告総覧」ホームページ(奈良文化財研究所)
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja
キーワードに「さいたま市 鉄」と入れて検査すると、関連情報が閲覧できる。(報告書本文の閲覧は不可)
さいたま市に隣接した市町村では、大山遺跡(伊奈町)や猿貝北遺跡(川口市)などの古代製鉄炉の遺跡が発見されているが、さいたま市(特に南区、桜区、中央区)については、鉄製品出土の記録はあるものの、それ以上の詳しい情報は見つからず。鉄製品の市や鉄の神を祀った神社についても、記載がある資料は見つからなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 関東地方 (213 10版)
- 金属製品 (581 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 製鉄
- 鉄器
- 鉄鋼業
- 遺跡
- さいたま市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000321209