レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/01/18
- 登録日時
- 2022/03/16 00:30
- 更新日時
- 2022/03/16 00:30
- 管理番号
- 6001054469
- 質問
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解決
『広辞苑 第7版』の「俳枕」の項目に、「歌枕になぞらえていう俳句によまれる名所」と書かれていました。語源や歌枕との関りなどについて書かれた記事や論文はないでしょうか。
- 回答
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次の資料に俳枕に関する記述がありました。
・『俳文学大辞典』(尾形仂/[ほか]編 角川書店 1995.10)
「俳枕(はいまくら)」の項目があり(p.728-729)、「和歌名所としての歌枕に対し、俳諧の目で発見され、またはとらえ直された地名をいう。」と書かれています。また、「俳枕」という言葉の初出や特徴についての記述もあります。
・『俳枕 東日本』(平井照敏/編 河出書房新社 2015.2)
凡例(p.3)に「歌枕という周知のことばにならい、俳句によみこまれた名所を俳枕と呼ぶことにする。」と書かれています。
・『新撰俳枕 1 北海道.東北』(朝日新聞社 1987.9)
「「俳枕」考」(尾形仂/著)という論文が収録されています(p.153-159)。俳枕ということばが書名につかわれていた資料や、歌枕と対比している文が記載されています。
なお、文中に「『日本国語大辞典』に当たってみたが、載っていなかった。おそらくまだどの辞書にも搭載されていないだろう。」との記述がありますが、『日本国語大辞典』第2版では項目立てされており、簡単な解説が記載されています。『大辞泉』第2版などでも項目立てされています。
・『俳句の周辺』(尾形仂/著 富士見書房 1990.3)
上記「俳枕」考」(p.53-62)とともに「俳枕:風土からの発想」(p.38-45)が収録されています。「俳枕:風土からの発想」は、『おくのほそ道』と『去来抄』を例に例にあげながら「歌枕」との相違などについて論じられています。
・『島津忠夫著作集 第9巻 近代短歌史:付歌枕・俳枕』(島津忠夫/著 和泉書院 2006.6)
第3章の章題が「歌枕・俳枕」となっており、5点の論文が収録されています。そのうち「俳枕」に関する記述があるのが「旅と紀行文学:講演筆記」(p.489-502)、「歌枕より俳枕へ:たとえば肥前の場合」(p.503-525)、「歌枕高砂と高松の松」(p.559-569)の3点です。
[事例作成日:2022年1月18日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 10版)
- 参考資料
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- 俳文学大辞典 尾形/仂∥[ほか]編 角川書店 1995.10 (728-729)
- 俳枕 東日本 平井/照敏‖編 河出書房新社 2015.2 (3)
- 新撰俳枕 1 朝日新聞社 1987.9 (153-159)
- 俳句の周辺 尾形/仂∥著 富士見書房 1990.3 (38-45,53-62)
- 島津忠夫著作集 第9巻 島津/忠夫∥著 和泉書院 2006.6 (489-502,503-525,559-569)
- キーワード
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- 俳句(ハイク)
- 俳枕(ハイマクラ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名・地域,その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000313650