レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006年04月09日
- 登録日時
- 2006/05/26 14:51
- 更新日時
- 2007/05/01 16:12
- 管理番号
- 福井県図-20060409
- 質問
-
解決
『3びきのこぶた』の絵本の最初に“むかしはね ぶたがうたをうたっていたっけ、さるもかみたばこをぐしゃぐしゃかんでいたっけ、めんどりはかぎたばこをせっせとかいでいたっけ、でもあひるときたらいつでもぐわっぐわっぐわーっだとさ”というフレーズがでてくる本がある。イギリスの昔話の巻頭につく決り文句のようなものなのか?
- 回答
-
他にもイギリスの昔話巻頭に同様フレーズがある話を確認できたが、どのくらいポピュラーな表現なのかは不明。なお、ほとんどの話は“Once upon a time”という表現ではじまっている。
- 回答プロセス
-
・『3びきのこぶた』の原書がどうなっているかを確認するため、自館OPACや国会の総合目録で『3びきのこぶた』を検索。
『The story of the three little pigs』が原タイトルのようだが素材が昔話だけに原作の特定が難しい。
とりあえず、若狭所蔵の『The three little pigs』(洋書:2020078545)を確認。該当するフレーズなし。
・典拠となった2冊のうちの1冊に「ジェイコブス/原作」とあるので、Joseph,Jacobsの「イギリスの昔話」の原作を総合目録で検索。
『English Fairy Tales』(1020471619)を当館でも所蔵していたので内容を確認。巻頭にフレーズのもととなったと想像される
“Once upon a time when pigs spoke rhyme And monkeys chewed tobacco,And hens took snuff to make them tough,And ducks went quack,quack,quack,O!”という記述を確認。
なお、『English Fairy Tales』収録の87話のうち、
14『The story of the three little pigs』p73~76および
36『The Magpie’s nest』p193~195に巻頭のフレーズを確認(87話中の2話)。
・イギリス児童文学史、昔話の研究書をブラウジング。児童文学史の場合、児童文学作家の話が主となるため、ジェイコブスのような再話には触れていない資料も多い。ジェイコブスについての記述があったのは
『英米児童文学ガイド』(研究社出版)p21~24,28,225
『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編・訳 福音館発行(1020303143)p330~333のあとがき
『イギリス児童文学論』(中教出版)p87~105
『はじめて学ぶ英米児童文学史』ミネルヴァ書房(1020691844)p300の年表
『ヨーロッパの子どもの本』(筑摩書房)(1020666564)p116だが、いずれも巻頭のフレーズには触れていない。
・HPではあまり参考になるものが検索できなかった。
※後日、みどり図書館で借りたジェイコブスの『イギリス民話集』河野一郎編訳(岩波文庫 赤279-1)p383作品紹介の中に巻頭に関する記述あり。
- 事前調査事項
-
当館所蔵の『3びきのこぶた』のうち、三起商工発行(資料番号:1020303770)、らくだ出版発行(資料番号:1020397145)の2冊に記述があった。
- NDC
-
- 文学 (9)
- 参考資料
- キーワード
-
- 3びきのこぶた
- ジェイコブス
- 照会先
-
- 福井市立みどり図書館
- 寄与者
- 備考
- 児童サービスの研修会中、『3びきのこぶた』の読み比べをしたところ、上記のようなフレーズが2冊にあった。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000028744