レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年05月11日
- 登録日時
- 2012/06/22 02:00
- 更新日時
- 2013/01/27 09:25
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 京都市中央2012-001
- 質問
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解決
先日見た中国の文字・デザインの本に,[囍鵲](きじゃく)というのがあったが,[囍]という字を漢和辞典で探しても出てこないのはなぜか?
- 回答
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①『吉祥図案解題 支那風俗の一研究 上』(野崎 誠近/著 ゆまに書房)
p177~181
[囍]と書いて双喜(Shuang¹Hsi³)という。これは文字ではなく,一種の図案である。[囍]は結婚用品に極めて多く応用し,式日の門柱に赤紙に金字の[囍]を刷ったものを貼り付け,案内状等の模様等にもこれを用いる。また,小さい喜字を多数配列して囍字に代えるものあり。
②『中国語大辞典 下』 (大東文化大学中国語大辞典編纂室/編 角川書店)
p2871[双喜]Shuangxi(名)
・二つの重なった慶事。二重の喜び。二重の喜びがおとずれる。盆と正月が一緒に来たよう。
・‘喜’の字を二つ並べ祝いを表すこと。[双喜字]。‘喜’の字二つ‘囍’; 祝の文字。
③『中日大辞典 第3版』 (愛知大学中日大辞典編纂所/編 大修館書店)
p1592
[双喜]Shuangxi二重のおめでた。盆と正月が一緒に来る。重ね重ねのおめでた。
[双喜字]“喜”の字を二つ並べて一字にしたもの。[囍]。
④『中華五福吉祥図典 福禄寿喜財 喜』(黄 全信/編 国書刊行会)
p32~37
王安石は即座に喜の字二つを一つにした「囍(双喜)」という字を書きおえ,二重の喜びが訪れたという意を表わした。
⑤『中国伝統吉祥図案』(李 祖定/編 説話社)
p217
王安石は喜びが重なったとして「囍」字を書いて戸に貼り付けた。「囍」字は誰もが知る喜びの印として,現在に至るまで使われ続けている。
- 回答プロセス
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先日ご覧になった資料の書誌情報がわからず,漢和辞典数冊を調べたが見つからず。
ヒントを得るためにインターネットでキーワード検索。
●Yahooで[囍][発音]と入れると,中国語学習サイト「中文広場」 http://www.chinese1.jp/ の中国語辞書機能で,
双喜(shuāng xǐ)とわかった。(2012年4月21日確認)
●また,Yahooで[双喜]と入れると,「Wikipediaフリー百科事典」 http://ja.wikipedia.org/wiki/ で
中国語:双喜,拼音:shuāng xǐ ,シュアンシーと出た。(2012年4月21日確認)
その拼音で中国語辞典の②③を探すと,正式な一文字ではなく,喜を二つ並べ一字にした[双喜字]という祝いを表す文字と記載あり。
先日の資料は職員が出したとのことでレファレンス記録が見つかり,紹介した①の中に[囍鵲](きじゃく)と[囍]という字があり。
「文字ではなく一種の図案である。」と書かれていた。
④,⑤にも[囍(双喜)]の由来があり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- グラフィックデザイン.図案 (727 9版)
- 辞典 (823 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 吉祥
- 文様
- 図案
- 中国語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000107645