レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20110730
- 登録日時
- 2011/08/18 02:01
- 更新日時
- 2011/08/18 14:11
- 管理番号
- B110709110713
- 質問
-
解決
「技術」という言葉は江戸時代の蘭学書にも散見されますが、「科学」という言葉は当初は「化学」とか「窮理」とか呼ばれていて、「科学」という言葉が使われだすのは明治10年台ではないかと考えられます。ただし、この「科学」は、個々の学問を指して科目のような意味合いで「科学」と使っている用例もあるようで、現在のような語感のいわゆる「科学(サイエンス)」として使い始めたのはいつ頃か教えてください。
- 回答
-
ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
以下の資料(1)-(4)に関連する記述がありました。詳細については複写等により、利用者ご自身でご確認ください。
(1)『問われる科学/技術』(岩波書店, 1999.1 【M22-G46】)
「一 「科学」という言葉」(pp.94-99)において、「科学」という言葉の来歴、日本語の「科学」という言葉の成立と、その意味や使われ方、科学観のゆらぎと変遷について記述されています。「科学」という言葉の用例と、その定着について、複数の著作を挙げて説明しています。
(2)『江戸科学史話』(中村邦光. -- 創風社, 2007.9 【M32-H38】)
「3話 日本における西欧近代科学の受容と「訳語」の選定」(pp.135-148)で、「科学」という言葉の成り立ちについて、「理学」、「朱子学」、「自然哲学」、「(自然)科学」、「究理学」、「物理学」という言葉との関係から説明しています。
(3)『技術立国・日本の原点』(志村幸雄. -- アスペクト, 2001.7 【M42-G174】)
「「窮理」転じて「科学」へ」(pp.29-30)に、サイエンス(science)の訳語としての「科学」は明治7年刊行の「福沢諭吉の『学問のすすめ』六編に「文学」と併記してあるのが、文献的には最初とされている。」「諭吉が当の六編を出版したのは明治七(1874)年二月で、明治十年代にはこの用語がかなりポピュラーになっている」(p.29)との記述があります。
(4)『哲学字彙』(和田垣謙三等編 東京大学三学部 明14.4 【YDM7985】)
本書は英訳辞書で、原本p.82に「Science 理学、科学」との記載があります。
当館「近代デジタルライブラリー」(http://kindai.ndl.go.jp/)に収録されており、以下のURLから当該ページ(44/74コマ目の左ページ)にインターネットでアクセス可能です。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/752942/44
その他の調査文献・データベース
・『人間と科学・技術』(志村史夫. -- 牧野出版, 2009.4 【M57-J30】)
・『科学技術と社会』(丸善プラネット, 2006.3 【M57-H32】)
・『科学・技術の二〇〇年をたどりなおす』(村上陽一郎 NTT出版 2008.3 【M31-J6】)
・『科学の社会史. 上』(廣重徹 岩波書店 2002.12 【M32-H6】)
・『近代科学再考』(広重徹 朝日新聞社 2007.1 【M31-H56】)
・『日本科学技術史大系. 第1巻』(第一法規出版 1964 【402.1-N685-N】)
・『日本科学技術史大系. 第2巻』(第一法規出版 1970 【402.1-N685-N】)
・『日本産業技術史事典』(思文閣出版 2007.7 【M2-H119】)
・『科学史技術史事典』(伊東俊太郎 弘文堂 1983.3 【M2-196】)
・『技術論論争史』(中村静治. -- 新版. -- 創風社, 1995.10 【M33-G2】)
・『科学と歴史』(広重徹. -- 改訂. -- みすず書房, 1970.3 【M31-G53】)
・『日本近代技術の形成』(中岡哲郎. -- 朝日新聞社, 2006.11 【M33-H31】)
・『科学と技術の歴史』(道家達將,赤木昭夫 放送大学教育振興会 1999.3 【M31-G31】)
・『実学としての科学技術』(田中耕司 岩波書店 2006.10 【M33-H30】)
・『科学技術史』(道家達将 放送大学教育振興会 1995.2 【M31-G1】)
・『日本の科学と文明』(伊東俊太郎 同成社 2000.2 【M32-G22】)
・『日本の近代科学史』(杉山滋郎 新装版 朝倉書店, 2010.7 【M32-J24】)
・『コンサイス科学年表』(湯浅光朝 三省堂 1988.3 【M2-E8】)
・『洋学史事典』(雄松堂出版 1984.9 【M2-233】)
・『日本工業教育発達史の研究』(三好信浩 風間書房 2005.12 【M55-H32】)
・『科学技術と知の精神文化』(丸善プラネット 2009.3 【M57-J23】)
・『科学史概論』(渋谷一夫 ムイスリ出版 1997.4 【M37-G21】)
・『科学コミュニティ発達史』(飯田益雄 科学新聞社 1998.2 【M42-G79】)
・『洋学』(沼田次郎 新装版 吉川弘文館, 1996.10 【M32-G6】)
・『洋学の書誌的研究』(松田清 臨川書店 1998.9 【M32-G17】)
・『洋学思想史論』(高橋〔シン〕一 新装版 新日本出版社 2002.8 【M32-H1】)
・『科学史事始』(渡辺正雄 南窓社 2000.1 【M31-G36】)
・ヨミダス歴史館(明治・大正・昭和) [当館契約データベース]
・誌記事索引集成データベース(皓星社)[当館契約データベース]
・毎日Newsパック [当館契約データベース]
・聞蔵IIビジュアル [当館契約データベース]
・ジャパンナレッジ・プラス [当館契約データベース]
インターネットの最終アクセス日は2011年7月15日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 自然科学 (400)
- 参考資料
- キーワード
-
- 科学
- サイエンス
- science
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000090136