レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年07月03日
- 登録日時
- 2015/12/13 18:59
- 更新日時
- 2015/12/13 18:59
- 管理番号
- tr393
- 質問
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解決
『水戸藩史料』に記載のある地名「下野州塩谷郡字寺山」について、現在の地名が知りたい。
- 回答
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下野州塩谷郡字寺山は、現在の栃木県矢板市長井であると考えられます。
- 回答プロセス
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事前調査にある『那珂湊の反射炉』(佐藤和賀子/著 筑波書林 1988)p.36の出典を確認した。
・『水戸藩史料 上編乾 1』(吉川弘文館/編、発行 1970)
「那珂湊反射炉図 其六」(ページ付けなし p.352と353の間)の左下に「下野州塩谷郡字寺山白土七斗」という記述を確認した。
また、『那珂湊の反射炉』(前掲)p.36に出典として記載のあった「反射炉日録抄出」を確認した。
・佐久間貞介/著「反射炉日録抄出(全)」
(『日本科学古典全書 復刻 5 採鑛冶金2』(佐貫亦男/編纂 朝日新聞社
1978)p.569-628所収)
p.583に「観音山土」やp.584に「寺山土」といった記述を確認した。
・『下野国誌 校訂増補』(河野守弘/著,佐藤行哉/校訂 下野新聞社 1989)
p.332「寺山大悲閣(今、観音寺)」に「塩谷郡寺山村(今、矢板市長井字寺山)にあり。」とある。
・『矢板市史』(矢板市史編集委員会/編 矢板市 1981)
p.243-249「寺山観音寺」に史料「野州塩谷郡寺山観音寺縁起之事」が掲載されており、次の記述を確認した(p.247)。
※旧漢字は一部新漢字に改めています。
(前略)
一、当山ニ七フシギ(不思議)アリ
第一霊湯 第二牛石 第三白土 第四赤根土 第五青ノリ 第六盗賊不入 第七バン字水夏冬絶エズ、是ハ寺山七不思議ト申ツタワルナリ
一、境内 湯ノ沢上ニ白土出ル所アリ 往古ヨリ 寺内白カベ等此白土ヲ用ヒ候。
(★不明 塩谷氏か。)モ御寄進アリ其后上ノ時分御寄進等有之如(二)先規(一)陣札ト大檀那タルヨシ書シルヲキ申候事
(後略)
p.565「長井村 二、地名及び由来」に地名の一覧表があり、この表中に「寺山」を確認した。
・『寺山観音由来記』(関谷庄太郎/編、発行 1925)
p.14-15に次の記述がある。
「湯澤地内ニ白粘土多量ニ出デ陶器薬土トシテ欠クベカザル最優良品ナリ
弘化年中平野村津久井嘉忠太ト云フ人同村字前林ニ於テ陶器ヲ製シ諸地方ニ販売セシ際使用セルヲ始トシ其後各地製陶所ニ移出シ重用セラル
益子町製陶業者間ノミテモ年々数十噸ヲ使用ス。」
・『長井郷土誌』(長井郷土誌編纂委員会/〔編〕、発行 1982)
p.59「寺山の七不思議」に「①霊湯寺山鉱泉 ②牛石 ③白土 ④赤根土(朱印に用いた土) ⑤青のり(宮川のり) ⑥盗賊不入 ⑦バン字池(春夏秋冬水が絶えない)」とある。
・『角川日本地名大辞典 9』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1984)
p.334-335「観音寺〈矢板市〉」
p.633「長井〈矢板市〉」
p1379-1387「塩谷郡」の中のp.1380左「小字一覧」の「長井」の項に「寺山」の記載を確認した。
・『日本歴史地名大系 9』(平凡社 1988)
p.258-259「観音寺」の記載を確認した。
・『栃木縣史 第4巻(寺院編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
※下野史談会昭和8~17年刊の複製資料です。
p.285-286に第5節「観音寺」とp.286-288に第7節「観音寺」があります。
その他、調査した資料は以下のとおりである。質問に関する情報は確認できなかった。
・『ふるさと矢板のあゆみ』(矢板市教育委員会/編 矢板市 1989)
・安武千恵「寺山観音寺―民間信仰を中心として―」(p.1-6)『下野史学 19号』(下野史学会/編、発行 1963)
- 事前調査事項
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茨城県那珂湊市にある水戸藩が建設した反射炉に使われたレンガ製作に使われた土について、『水戸藩史料』に「下野州塩谷郡字寺山白土七斗」と記載がある。
『那珂湊の反射炉』(佐藤和賀子/著 筑波書林 1988)p.36は確認済み。
『角川日本地名大辞典 9 栃木県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1984)で字名を調べたが分からなかった。
- NDC
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- 日本 (291)
- 参考資料
- キーワード
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- 地名
- 栃木県
- 江戸
- 近世
- 小字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000185578