レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年12月09日
- 登録日時
- 2009/02/19 14:15
- 更新日時
- 2009/05/14 18:13
- 管理番号
- 福井県図-20081209-1
- 質問
-
未解決
源満仲が住吉大社に祈念して、矢を放ったところ多田(兵庫県川西市市内)に居城を建てた伝説がある。これが「三ツ矢サイダー」の名前の由来にもなっている。福井市和田の和田八幡宮にも同様の伝説がある。もう一本、矢が放たれたはずだが、その場所はどこか?
- 回答
-
不明。ただ、3本矢が放たれたという記述もみあたらない。
「三ツ矢サイダー」を製造しているアサヒ飲料に問い合わせてみてはと回答
【回答後追加情報 2009年4月2日補記】
満仲の放った矢は、一本だけであり、三ツ矢も、「満矢」からの派生であるため、三本の矢が放たれたわけではない。という趣旨の記述が以下の資料にありました。
『なぜ三ツ矢サイダーは生き残れたのか』立石勝規/著 2009.3 講談社 ISBN:978-4-06-215356-0
p.94~「三ツ矢」と源氏
(引用)
満仲が朝廷から摂津を拝領。住吉大社(大阪)に参拝し、自分の城を建てる場所を尋ねたところ、「射った矢の落ちたところに造ればよい」のお告げがあった。満仲は白羽の鏑矢を一本放ち、郎党たちが矢を探したところ、多田沼に住む「九頭の竜」の頭に命中し、竜は悶死していた。満仲は鏑矢を見つけた郎党の孫八郎に、「満仲の矢(満矢)」にちなみ、「三ツ矢」の姓を与え、重臣に取り立てたという。
(中略)
謎とは、満仲が放った矢は一本なのに、なぜ、見つけた孫八郎が三ツ矢の姓と三本矢の家紋を与えられたのか、だった。まさか「満仲の矢-満矢-三ツ矢」とは、予想すらできなかった「変化」である。
(引用終わり)
【2009年5月6日補記】
コメントにより、尼崎市にも関連する伝説があることがわかりました。
コメントから引用-------------
満仲の矢について、下記記事を見つけました。 参考になるか分かりませんが引用します。
『大阪春秋 17』(大阪春秋社 1978.6)の記事「座談会 池田を語る」(郷土史家3人の対談です)の中で、以下の文章があります。
「・・・(満仲が)北向いて弓を打ち、矢の落ちた所へ自分の城を構えるということにしたんです。最初落ちた所が例の近松門左衛門の墓のある尼崎市久久知の広済寺横のお宮さんでした。しかし、気に入らんいうてそこで又、矢を放った。今度は川西市鼓滝の矢問(やとう)に落ちた。・・・(略)」
矢問は多田神社の近くです。 ただ、この対談で話されていることの根拠、出典は不明です。
:『大阪春秋17』の記事から尼崎(兵庫県)を調べると、
Web版尼崎地域史事典『apedia』 (URL: http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/apedia/) > 社寺・文化財―神社 > 須佐男神社(久々知)に、次の記述がありました。
「・・・社前に矢文石と呼ばれる石があり、源満仲が足をかけて多田(現川西市)に向かって矢を射たという伝説がある。」とあります。
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このコメントを受け、
『角川日本地名大辞典』28 兵庫県 1988.10 角川書店 ISBN:4-04-001280-1 を確認したところ、p.526 くくち 久々知<尼崎市>の項目に、「当地の久々知須佐男社は、「摂津名所図会」に久々知妙見祠と記され、多田満仲が天徳元年勧請したと伝えられている。」との記述がありました。
- 回答プロセス
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「満仲」で、自館の所蔵検索→『源満仲・頼光~殺生放逸 朝家の守護~』という伝記あり
P58に多田の伝説は記述あり
他の職員に聞いてみると
→和田八幡宮の伝説に関する福井新聞の記事(平成20年11月24日付け)あり
インターネットで
アサヒ飲料のHPに多田の伝説について記述あり
ウィキペディアの「三ツ矢サイダー」の項目に多田の伝説の記述あり
【2009年5月6日再調査】
1.池田市立図書館からのコメント情報を受け、角川地名大辞典、平凡社 日本歴史地名大系 の兵庫県の巻を確認→角川地名大辞典に、関連記述あり。
2.角川地名大辞典の出典が『多田満仲五代記』となっていたため、当館所蔵を確認 → 所蔵なし
3.NDL-OPACで『多田満仲五代記』を検索 → 該当なし
4.Yahoo!、Googleで"多田満仲五代記"を検索 → 大五郎の、にちにちのこと http://diary5.cgiboy.com/2/daigorou/index.cgi?y=2006&m=7 に、「現代語訳 多田五代記」とあるのを発見
5.NDL-OPACで『多田五代記』を検索 → 該当有 近代デジタルライブラリー で本文が公開されていた。http://kindai.ndl.go.jp/scrpt/jgmWeb.dll?DispUrl?jp=41004308&vol=00001&koma=1&tp=0
6.本文を確認 → 巻第一 満仲住吉に参籠并明神示現の事 の話と、 多田の初并住吉神鏑大蛇に中る不思議の事 の話 p.8-10 が関連有。 → 矢は一本しか放っていない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 8版)
- 参考資料
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- 『源満仲・頼光』2004、ミネルヴァ書房、 (289.1/ミナモ)
- キーワード
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- 源満仲
- 三ツ矢サイダー
- 平野鉱泉
- 照会先
- 寄与者
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- 池田市立図書館
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000051745