レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/11/15
- 登録日時
- 2010/12/04 02:00
- 更新日時
- 2011/01/14 11:17
- 管理番号
- 10-1D-201007-04
- 質問
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解決
「仕合せ」「幸せ」「僥倖」の意味と、使われ始めた時代を知りたい。
- 回答
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『日本国語大辞典』(小学館)・『スーパー大辞林』(三省堂)などを元に、下記内容をご紹介した。
1.仕合せ
めぐり合わせ。運命。なりゆき。よい場合にも悪い場合にも用いる。幸運であること。また、そのさま。
虎明本狂言・末広がり〔室町末~近世初〕に「『そなたは仕合な人じゃ』<略>『それは誠に仕合でござる』」と紹介あり。これより、使い始めは室町時代と回答。
2.幸せ
運がよいこと。また、そのさま。めぐり合わせ。運命。運がよくなること。うまい具合にいくこと。物事のやり方。
また、事の次第。
使用例に「浄:博多小女郎」・「浮:一代男・四」が紹介されていることより江戸時代と回答。
3.僥倖
思いがけない幸運。こぼれざいわい。 思いがけないしあわせを願うこと。
例として「律〔718〕賊盗・私和条『遂使 独為 僥倖』とあがっていることより奈良時代と回答。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「JapanKnowledge(ジャパンナレッジ)」(事典・辞書等)を検索
『日本国語大辞典』 しあわせ[あはせ]【仕合・幸】 ぎょうこう【僥倖】
『デジタル大辞泉』 しあわせ[あはせ]【幸せ/仕合(わ)せ/倖せ】
2.「律」の記載を確認
『国史大系:新訂増補版 22 律 令義解』(黒板 勝美/編,吉川弘文館,1939.4)
「律巻第7 賊盗律」に使用例である「僥倖」が確認できる。(p.61)
3.商用データベースKOD研究社オンライン辞書検索サービス(英語辞書他) 調査
『スーパー大辞林』
【 幸せ・仕合 (わ) せ・倖▼せ 】 どの漢字を使用しているかは不明だが、どちらも江戸期のもの。
めぐりあわせ。運命の意の用例として 「我はそも,何時ぞやも言ふ如く,-も悪ければ /仮・竹斎」
また、ことの次第。始末の意の用例として 「無念ながらも長らへて,さて只今の?なり /浄・出世景清」 があがる。
ぎょう こう【僥倖】 紹介されている用例は、 漱石・東海散士の明治以降の例。
4.国語学研究文献検索 http://www6.ninjal.ac.jp/kokugogaku_bunken/ (2010.12.2確認)
“仕合せ”・“幸せ”・“僥倖”で検索するも、有用な論文見つからず。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 商用データベース「JapanKnowledge(ジャパンナレッジ)」(事典・辞書等)『日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』
- 『国史大系:新訂増補版 22 律 令義解』黒板 勝美/編,吉川弘文館,1939.4<当館書誌ID:0080268781>
- 商用データベースKOD研究社オンライン辞書検索サービス(英語辞書他) 『スーパー大辞林』
- キーワード
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- 仕合せ
- 幸せ
- 僥倖
- 語彙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000074737