レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年03月04日
- 登録日時
- 2014/09/11 10:26
- 更新日時
- 2014/09/11 10:27
- 管理番号
- tr331
- 質問
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解決
江戸時代~近代の栃木県(下野国)の特産物(伝統野菜、伝統的果物)が分かる資料はないか。
- 回答
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以下の資料に、江戸期~近代の栃木県域(下野国)の特産物が挙げられています。
・『全国の伝承江戸時代人づくり風土記 聞き書きによる知恵シリーズ 9』(加藤秀俊/〔ほか〕編纂 農山漁村文化協会 1989)
「第二章 生業の振興と継承の中で」(p.89-156)に、「下野のかんぴょう」(p.121-126)と「野州産朝鮮種人参の栽培」(p.127-135)が挙げられています。このうち、朝鮮人参については、日光周辺で幕府の指示を受けて栽培され、「人参御役所」まであったようですが、「明治期の産業革命は野州人参栽培を衰微させる結果となり、第一次世界大戦を機に潰滅(かいめつ)に近い状態になりました。」とあります(p.135)。
また、p.360-366「江戸時代栃木の物産地図」の「江戸時代栃木の物産一覧表」には、鉱物・草木・魚・獣・加工品等、栃木県域の物産品が挙げられています。
このうち農産物と思われるものには、茶、煙草、朝鮮人参等があります。
なお、出典は『下野国誌』『日光山志』『那須拾遺記』とのことです(p.362)。
・『下野国誌 校訂増補』(河野守弘/著,佐藤行哉/校訂 下野新聞社 1989)
嘉永3年上梓の資料です。
「国産名物」の項のうち、植物は「下毛草」「日光黄連(オウレン)」「日光人参」「日光蕃椒(トウガラシ)」
「大山田〇(草かんむりに焉)草(タバコ)」「鹿沼麻」「伊吹艾(モグサ)」です(p.580-584)。
・『那須拾遺記』(木曽武元/原著、針生宗伯/編著 針生宗伯 1970)
享保18年に記された史料です。
p.370-372に「那須土産之事」とあり、農産物もいくつか挙げられています。
・『享保・元文諸国産物帳集成 第2巻』(盛永俊太郎、安田健/共編 科学書院 1985)
下野では、以下の史料を収録しています。品目が多いため、詳細の記載は省略します。
「下野国河内郡宇都宮領高谷林新田村産物書上帳 享保二十年」
「下野国宇都宮御領岡本最寄拾壱ヶ村産物書上帳 享保二十一年」
「(下野国河内郡羽牛田村最寄拾参ヶ村産物書上帳) 享保二十一年」
「下野国芳賀郡竹原村(産物書上帳) 享保二十五年」
「丹羽正伯様より被仰出候品々書上帳(下野国芳賀郡飯貝村産物書上帳)享保二十年」
「新里最寄産物手引帳ひかへ 享保二十年」
「新里最寄産物御用絵図物可差出品々覚 享保二十一年」
・『享保元文諸国産物帳集成 第17巻 補遺篇1』(盛永俊太郎、安田健/編 科学書院 1992)
「佐野領産物之内三拾色絵図」が収録されています。
・『栃木縣史 第9巻 産業編』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
※下野史談会 1937刊の復刻版
農産物としては第七章から第二十一章に「朝鮮人参栽培」「遼東種人参栽培」「煙草」「米殻」「蔬菜類」「花百合」「薑」「山葵栽培」「実綿」「麻 付苧麻」「扁蒲(干瓢)」「蕃椒」「蕎麦」とあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 産業史.事情.物産誌 (602)
- 参考資料
- キーワード
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- 下野国
- 栃木県
- 特産物
- 名産
- 野菜
- 果物
- 近世
- 近代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000159624