レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年1月13日
- 登録日時
- 2013/09/05 15:29
- 更新日時
- 2014/03/11 11:34
- 管理番号
- 中央-1-00571
- 質問
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解決
認知症(特に脳梗塞による)で、発症以前の穏やかな性格が一変して暴言や暴力が出るようになった人の対処法や、相談に乗ってもらえる人や団体、あるいはリハビリや入居可能な施設について知りたい。
- 回答
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脳血管性認知症(脳梗塞などが原因の認知症)とその症状、相談先など書かれた資料は次のとおりあった。
(1)『認知症 家族はどうしたらよいか 症状・診療・在宅ケア・介護保険-不安を抱え込まないつきあい方』 長谷川 和夫/監修、池田書店、2009
p.50~51に認知症の周辺症状として、攻撃的な言動(暴言・暴力)、p.73~76に脳血管性認知症について紹介されている。ここでは、治療法や治療薬は書かれていますが、症状への対処法については書かれていない。
p.94~95に「介護のプロや経験者と一緒に答えを探す」として、地域包括支援センター、保健所、家族会(たとえば社団法人認知症の人と家族の会)が紹介されている。
p.168~185には、一般的な認知症の方に対する日常生活での介護の仕方、暴言・暴力への対処法はありませんが、接し方、一日の流れに応じた声掛けの仕方などが載っている。
p.201には、攻撃的言動への対処法が載っている。
(2)『認知症介護 家族の悩み相談室』 山田 忍/著、NCコミュニケーションズ、2007
この資料は、認知症介護についてQ&A方式で解説されている。
例えば、「認知症になると人格が変わるのですか」、「認知症になって怒りっぽくなりました」、「気分のムラが激しくなりました」、「大声で叫びます」、「ふいに興奮して騒ぎます」、「人に対して攻撃的な言動があります」といった質問があり、回答の中には、攻撃、興奮が目立つ場合は、認知症高齢者をよく診ている精神科の医師に相談するとよいといったことも書かれている。
p.210~212には、「誰に相談?どこに受診?」として、保健所(または保健福祉センター)、地域包括支援センター、電話相談、認知症の専門医(神経内科、老年科、ものわすれ外来、老年精神科)、日本老年精神医学会が挙げられている。
(3)『認知症の人の心理と対応』小林 敏子/著、ワールドプランニング、2009
p.42~に、認知症が進行すると、血管性認知症では、少しの刺激で激しく怒ったり泣いたりするというように、感情失禁の状態を呈する場合が多いことが書かれている。
p.84~85には、大声・興奮・暴力行為など、収まらない状態が続くようならば、短期間の入院治療を考えなければならないことや、抗不安薬(精神安定剤)が有効のこともあるので、精神科の医師に相談したり、デイケアやデイサービスの利用、ショートステイを利用して生活のパターンをかえると収まることもあるので、試してみるとよいということが書かれている。
p.88には、相談者が見つからないときは、介護支援専門員(ケアマネージャー)や医師、保健所の精神保健相談員、地域包括支援センターの相談員、保健師などに連絡するよう書かれている。
(4)『認知症のとらえ方・対応の仕方』 森 敏/著、金芳堂、2006
p.72~77に脳血管性認知症の事例として、意欲低下ともの忘れが主な症状の人の病歴と解説、治療法が書かれているが、暴言・暴力をする方の例ではない。
(5)『もう限界!!認知症の家族を介護するときに読む本 認知症の家族を介護するときの入門書』 高室 成幸/監修、自由国民社、2012
p.120~121に、突然大声で叫んだり、暴力行為に及ぶ行動への対処法について書かれている。
p.172~173には、「脳血管性認知症で帰宅願望や暴言がひどくなった社交的な義母」の事例が紹介されている。
p.188には、「認知症の人と家族の会」連絡先一覧が載っている。
(6)『すぐ役に立つ家族のための認知症介護 日常生活介助・医療・介護サービス・施設・看取り あなたの介護サポートします』 代居 真知子/著、誠文堂新光社、2010
p.118に、「急に怒る~欲求・感情機能コントロールの障害~」についての解説と、p.163~は、「第7章 在宅介護が難しくなったら施設の利用を」として、認知症専門、地域密着型の施設、グループホームなど、p.190~191に、認知症・介護に役立つ情報サイトとして、ウェブサイトと参考文献が紹介されている。
(7)『認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 快一徹!脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう』山口 晴保/編著、協同医書出版社、2005
p.89やp.93、p.99~に、行動的言動への対応として、介護者がより冷静になり、命令や説得、暴力などで抑えこもうとするのではなく、要因となっていることを調べてそれを取り除くことが必要で、このような言動が頻回になってきた場合は、薬物療法(p.230~)も必要なこともあると書かれている。
(8)『痴呆の老親(おや)を介護する26のヒント 介護保険・サービスを賢く利用!』 松井 省吾/著、女子栄養大学出版部、2000
出版された年が古いので、「痴呆症」など呼び名が古くなっていますが、介護に役立つアドバイスがコラム形式で収録されている。
(9)『介護者のための認知症スタディ・ガイド』 Elizabeth Marie‐France Odile KING/著、ワールドプランニング、2006
p.80~84で、「危険を冒すこと、攻撃性」について解説があり。本人のいうことに耳を傾け、表情や行動を注意深く観察すれば、状況を落ち着かせ、攻撃的な行動の出現を避けることができたり、物理的な環境も対処方法を左右する、といったことが書かれている。
(10)『認知症介護サポートマニュアル ものわすれが気になる人・家族・支援者のための』 松本 一生/著、河出書房新社、2007
p.70~に、認知症にともなう精神・行動障害(周辺症状):BPSDの事例として、アルツハイマー型認知症の場合だが、夫の顔を忘れて殴りかかった女性の場合が載っている。
p.111~116には、「まず、どこに相談する?」として、保健所、市役所、民生・児童委員など、地域のかかりつけ医と専門医の協力として、ものわすれ外来、神経内科などが紹介されている。
p.169~は。介護保険で利用できる主なサービスが紹介されている。
p.318~319には、(社)「認知症の人と家族の会」支部一覧が載っている。
また、認知症相談の窓口については、主にさいたま市では、次のところがある。
・認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/ (2013.9.5最終確認)
≪埼玉県支部≫
・(財)さいたま市在宅ケアサービス公社大宮サービスセンター 認知症相談担当
さいたま市では、認知症の高齢者を介護する家族等を対象に、毎月2回、市内4か所で認知症相談を行っている。予約制、無料で、日時はさいたま市広報「市報さいたま」に掲載される。・さいたま市ホームページ シニアサポートセンター(地域包括支援センター)について
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1188957983558/index.html (2013.9.5最終確認)・さいたま市ホームページ 高齢介護サービスのご案内
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1212554330320/index.html (2013.9.5最終確認)・さいたま市ホームページ 認知症の医療に関する情報
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1332243405464/index.html (2013.9.5最終確認)・さいたま市ホームページ 老人福祉施設等(養護、軽費、特別養護、有料老人ホーム)一覧
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1334735550044/index.html (2013.9.5最終確認)・埼玉県ホームページ 老人福祉施設情報(利用者向け)
http://www.pref.saitama.lg.jp/life/2/11/36/ (2013.9.5最終確認)・埼玉県ホームページ 認知症電話相談窓口
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/ninchisyosesaku/ninchishoudenwasoudan.html (2013.9.5最終確認)
- 回答プロセス
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・介護施設や相談窓口について、インターネットでキーワード“認知症&介護施設&さいたま市”、“認知症&相談窓口”などで検索。
「認知症の人と家族の会 埼玉県支部」や「地域包括支援センター」があることがわかる。
・さいたま市役所ホームページ内で、認知症介護関係のページがあるか検索
・脳血管性認知症について、分類“493.758”の書架を見てみる。
・高齢者福祉について、分類“369.26”の書架を見てみる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 内科学 (493 9版)
- 社会福祉 (369 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 認知症
- 認知症介護
- 介護施設
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000136737