レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年12月04日
- 登録日時
- 2011/01/12 11:27
- 更新日時
- 2011/01/12 19:10
- 管理番号
- 福井県図-20101204-2
- 質問
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解決
「日ソ中立条約」の名称について、「日ソ不可侵条約」という言い方もあったかと思うが、どちらが正しいか知りたい。
- 回答
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1941年に日本とソビエト連邦の間で調印・締結された条約名は「日ソ中立条約」で、外交文書上には、「日本国及ソヴイエト連邦間中立条約」と記載されている。
*1941年4月13日調印。松岡洋右(外相),建川美次(駐ソビエト大使),ヴエー・モーロトフ(ソ連外相)署名・印。
- 回答プロセス
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1.日本史,外交史関係の以下の事典類で調べる。
『日本史大事典』平凡社,『日本近現代史辞典』東洋経済新報社,『日本外交史辞典』山川出版社
→ いずれも「日ソ中立条約」の項目のみ。「日ソ不可侵条約」の名称は確認できない。
2.外交関係資料、また上述の事典類に参考文献としてあがっていた以下の資料をあたる。
『日本外交主要文書・年表』第1巻 鹿島平和研究所編 原書房 1983 p52~53に「日ソ中立条約」の調印文ほかが記載されている。
『太平洋戦争への道』第5巻 日本国際政治学会編 朝日新聞社 1963 p294~295に「日ソ中立条約」の調印文・付属文書が記載されている。
→ いずれも文頭の条約名は「日本国及ソヴイエト連邦間中立条約」となっている。
(注.前者は旧字体表記。後者は国名表記は「ソビエト」となっている)
3. 自館OPACで「日ソ中立条約」を検索する → 下の資料ほか、数件ヒット。
『考証日ソ中立条約』ボリス・スラヴィンスキー著 高橋実,江沢和弘訳 岩波書店 1996 p129~130にロシア語の条約文を日本語訳したものが記載されており、これには「ソビエト社会主義共和国連邦と日本国間の中立条約」となっている。
4.Googleで「日ソ中立条約」or「日ソ不可侵条約」で検索する。 → ざっと見たところ、「日ソ不可侵条約」の名称については確認できない。
*注1 :「中野文庫-儀典と法律の総合ウェブページ」(個人のサイト)では、「大日本帝国及「ソヴイエト」社会主義共和国聯邦間中立条約」と表記されている。http://www.geocities.jp/nakanolib/joyaku/js16-6.htm(101203確認)
*注2 :近い時期に「独ソ不可侵条約」(1939.8)が調印・締結されているので、これとの混同があるかもしれない。また、「日ソ中立条約」も、内容は不可侵条約的内容となっている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 外交.国際問題 (319 8版)
- 日本史 (210 8版)
- 参考資料
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- 『日本外交主要文書・年表』第1巻 鹿島平和研究所編 原書房 1983 ISBN:4-562-01340-0 (当館資料コード:1011586854 請求記号:319.1/カ)
- 『太平洋戦争への道』第5巻 日本国際政治学会編 朝日新聞社 1963 (当館資料コード:1010816880 請求記号:210.7/N2/1-5)
- 『考証日ソ中立条約』ボリス・スラヴィンスキー著 高橋実,江沢和弘訳 岩波書店 1996 ISBN:4-00-001725-X (当館資料コード:1012562896 請求記号:319.1/スラヒ)
- キーワード
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- 日ソ中立条約
- 日本国及ソヴイエト連邦間中立条約
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000076398