レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年12月10日
- 登録日時
- 2022/07/05 14:35
- 更新日時
- 2022/07/06 09:59
- 管理番号
- 香芝20191210
- 質問
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解決
全国各地の祭り等で「七度半」がよく見られる。例えば、「七度半目にお迎えに行く」とか、「七度半○○をする」など、重要な動きがみられる。また、滋賀県野洲市の三上山(近江富士)には、七巻半の大ムカデを退治した平安時代の伝説があるという。
このように、七度半、七回半、七巻半などの7.5にはどのような意味があるのか。
- 回答
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以下資料に、記述あり。
『日本民俗大辞典 上』吉川弘文館、1999年9月
P.774「しちどはんのつかい(七度半の使)」より
<以下抜粋>
(前略)
…この七度半すなわち七・五という数字の根拠は、日本人の時の観察が基本となっている。月が満ちては欠け、ふたたび成長して満月になる。すなわち望から望までの一区切り、それがまさに一月であり、望で上弦と下弦に二分されると、七日で一つの区切りとなり、それが週日の考えとも一致する。すでに平安時代の暦本の中に七曜暦と称する七を単位とするものがあり、民間習俗においても誕生祝いの七夜の祝儀、仏式葬送儀礼の初七日から七七日までの儀礼、神仏祈願の七日単位などがあり、祭りに際しても七日間の忌籠りを基本とした。
したがって七度半の使をするというのも、本来七日間の忌籠りをすることを表象したものであり、忌籠りを完了してのち頭屋や司祭者が出御することを意味するのである。ここに七度半の半の意味が認められる。…(後略)
参考文献として、以下資料記載あり。
岩井宏實「「七度半の使」の民俗的時間認識」
国立歴史民俗博物館民俗研究部編『日本人の民俗時間認識に関する総合的研究』1986年
→国立国会図書館に所蔵ありとのことを伝える。
回答プロセス2で出てきたレファ協の事例についても、お伝えする。
- 回答プロセス
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1.『日本国語大辞典』より
「しちどはん(七度半)」を検索。
→実際の祭りについての記述のみ。
「しちどはんのつかい」の語法あり。
2.「しちどはんのつかい(七度半の使い)」でインターネット検索。
相模原市立相模大野図書館のレファレンス事例がヒット。
「和歌森太郎の論文「七度半(しちどはん)の使い 数の民族心理」が見たい。
(https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000185899)
→資料は所蔵なしだが、内容より「数の民俗学」に主眼をおいて検索。
3.『日本民俗大辞典 上』吉川弘文館、1999年9月
P.774「しちどはんのつかい(七度半の使)」に記述あり。
初出文献→国立国会図書館OPACより 所蔵ありとのこと。
(文部省科学研究費補助金研究成果報告書)
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 参考資料
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福田アジオ [ほか]編 , 福田, アジオ, 1941-. 日本民俗大辞典 上. 吉川弘文館, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002839592-00 , ISBN 4642013326 -
和歌森太郎の論文「七度半(しちどはん)の使い 数の民族心理」が見たい。(相模原市立相模大野図書館).
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000006-I000223359-00
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福田アジオ [ほか]編 , 福田, アジオ, 1941-. 日本民俗大辞典 上. 吉川弘文館, 1999.
- キーワード
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- 七度半
- 七度半の使
- 民俗学
- 照会先
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- 相模原市立相模大野図書館(https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/
index.php?page=ref_view&id=1000185899)
- 相模原市立相模大野図書館(https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000318267