レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/09/19 11:57
- 更新日時
- 2023/03/01 13:57
- 管理番号
- Obu2022-10
- 質問
-
未解決
南方貨物線の大府駅について、仮線路図等を見たい
予定地は大府市のどの辺りであったのか知りたい。
南方貨物線とは、大府~名古屋間に建設していた支線で、昭和42年に計画があったが昭和58年に凍結されたらしい。
※補足
『鉄道廃線跡を歩く 5 消えた鉄道実地踏査60 全国廃線国鉄の停車場一覧』(宮脇俊三/編著 JTB 1998)より、
昭和41(1966)年に駅建設に着手 → 昭和50(1975)年に工事凍結 → 昭和54(1979)年に建設中止 という説もある。
↑工事期間についてはDB『中日新聞・東京新聞データベース』によると質問者の言われた時期と一致している。
- 回答
-
『第3次愛知県地方計画』(愛知県地方計画委員会 1970)
→p.249「第3 計画」「1 日本国有鉄道」「(1)南方貨物線および八田貨物基地建設」に南方貨物線の計画について記載あり。
→p.254「第7図 鉄道網図」の「9 南方貨物線」
→愛知県全体の図のため、どれが南方貨物線なのか不明瞭
『市会活動の回顧4年のあゆみ : 38.4-42.3』(名古屋市会/著 名古屋市会事務局 1967)
→p.95~96「D 南方貨物線建設計画」
※調査途中で質問者から連絡があり、納得のいくものが見つかったとの事で調査終了。
- 回答プロセス
-
●館内検索
『広報おおぶ』(大府市市長公室企画課/編 大府市)(第61号~第150号:昭和48年3月1日~昭和51年11月15日)
→記載なし
(これより古いものは所蔵なし。この次に古いものは1999年1月1日号~2000年12月15日号 になるため未確認)
『大府市誌』(大府市誌編さん刊行委員会/編集 大府市 1986)
→記載なし
『知多半島の名鉄90年』(郷土出版社 1999)
→記載なし
●インターネット検索
・Googleフリーワード検索「南方貨物線」
→「ウィキペディア「南方貨物線」」2022/5/7アクセス
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%96%B9%E8%B2%A8%E7%89%A9%E7%B7%9A#cite_note-FOOTNOTE愛知県1970248-20)
「注釈10」より『第3次愛知県地方計画』(愛知県地方計画委員会 1970)
→p.249 「第3 計画」「1 日本国有鉄道」「(1)南方貨物線および八田貨物基地建設」に南方貨物線の計画について記載あり。
→p.254 「第7図 鉄道網図」の「9 南方貨物線」
→愛知県全体の図のため、どれが南方貨物線なのか不明瞭
「注釈21」より『愛知県昭和史 下巻』(愛知県/編集 愛知県 1973)
→記載なし
・Googleフリーワード検索「国鉄 未成線」
→「もしも戦前の鉄道敷設計画がすべて実現していたら? 緻密に再現した地図の制作者に話を聞いた」
(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1701/11/news112.html)
『日本鉄道旅行地図帳 7号 全線・全駅・全廃線』東海(今尾恵介/監修 新潮社 2008)
→所蔵なし。
※この本を参考に未成線図を作った方の紹介と未成線図(Twitter画面)あり。
●大府市の郷土行政の棚をブラウジング
『まちづくり講演録 その1』(大府市総務部企画財政課 大府市 1982)
→記載なし
『まちづくり講演録 その2』(大府市総務部企画財政課 大府市 1982)
→記載なし
●国会図書館デジタルコレクションフリーワード検索「南方貨物線 路線図」
『名古屋都市計画史. 2 (昭和45年-平成12年度) 上』名古屋都市計画史編集実行委員会 (名古屋まちづくり公社, 2017-12)
「本文:通審議会答申路線図>図 3.4.4 当初決定(1950(昭和 25)年)と都市交通審議会答申路線図(1961(昭和 36)年)の比較28 その後、1967(昭和 42)年 12 月 28 日に第 2…」という見出しあり。
→地下鉄の路線図はあったが、南方貨物線の路線図の記載はなし。
●館内検索
『航空住宅地図帳 大府市区版 80』(公共施設地図航空株式会社/責任編集 公共施設地図航空株式会社 1980)
→大府駅付近を参考としてコピーされた。
※この地図には予定地もしくは予定地跡等の記載なし。
『新修名古屋市史 第7巻』(新修名古屋市史編集委員会/編集 名古屋市 1998)
→p.672「大府・笠寺間は現在線併設~」と記述あり。「併設」とあるのでこの区間は現在線に並行して線路を敷く予定であったのか?
※建設予定図は載っていない。
『全国未成線徹底検証 国鉄編』(川島令三/著 天夢人 2021)
→記載なし
『おおぶ大発掘』(廣江安彦/編著 廣江安彦 2009)
→記載なし
『大府ひとり散歩』(廣江安彦/著 一粒書房 2011)
→記載なし
『大府博士検定勉強帳』(廣江安彦/編著 大府博士検定協会 2007)
→記載なし
『大府市誌 資料編 近代 現代 』(大府市誌編さん刊行委員会/編集 大府市 1991)
→記載なし
●データベース検索
「中日新聞・東京新聞記事データベース」
→2002.3.30 夕刊 11面より
【建設345億+撤去300億 名古屋南部・大府南方貨物線の未開通20キロ 凍結20年再び国費 新年度投入】より抜粋
「東海道線にほぼ並行する形の名古屋ー大府間の約26キロ。1967(昭和42)年に始まった工事は盛り土や高架など95%まで進んだ。ところが赤字続きの
国鉄改革と、トラックが主となる輸送の変化をうけた見直しで、1983(昭和58)年に凍結された。完成した名古屋ー名古屋貨物ターミナル(中川区)間の約6キロは87年の国鉄民営化後、JR東海に移管され、JR貨物が利用している。」とある。工事期間については質問者の言われた時期と一致してる。
「Webcat Plus」一致検索「南方貨物線」
→4件ヒット。
うち1件『市会活動の回顧4年のあゆみ : 38.4-42.3』(名古屋市会/著 名古屋市会事務局 1967)
「国立国会図書館デジタルコレクション」にて閲覧可能(書誌ID:000001091956)
→p.95~96「D 南方貨物線建設計画」にて、
「(略)このような情勢に対処するため東海道本線と武豊線の分岐点大府駅より名古屋までの26.1kmに新しく複線をつくることとなったものである。
計画概要は、大府駅より貨物線を分離させ、大府・笠寺間1.25kmは現在線に併行して新線を設け、笠寺より1.36kmの地点までは現在線と別ルートで走らせ、一部新幹線に併行し、堀川を越えて後南郊運河上を西進、さらに中川運河をまたいでからカーブして西臨港線に沿い北上、関西本線に併行して笹島から名古屋に至る計画である。この工事の完成により、大府・稲沢間は4線となって、名古屋付近の旅客列車の増発が可能となり、通勤輸送の緩和が大きく図られることとなるわけである」と記載があったため、予定地は大府駅ということが分かった。
※利用者の求める仮線路図の掲載は無し。
「国会会議録検索システム」キーワード検索「南方貨物線」
(http://kokkai.ndl.go.jp/)
→24件ヒット。
→「第107回国会 衆議院 日本国有鉄道改革に関する特別委員会 第10号 昭和61年10月23日 185 石田幸四郎」より
「工事の凍結分は清算事業団が引き継ぐということをおっしゃっておりました」と記載。
(補足:清算事業団=日本国有鉄道清算事業団。特殊法人改革に伴い、平成15年10月からは鉄道・運輸機構が引き継いでいる)
→上記をもとに「国立国会図書館デジタルコレクション」キーワード検索「国鉄清算事業団 南方貨物」
→6件ヒット。
『愛知百科事典』(中日新聞社開発局/編者 中日新聞本社 1976)
→南方貨物線に関する索引自体が無かった。
『愛知県史 通史編 8』(愛知県史編さん委員会/編集 愛知県 2019)
→記載なし
『愛知県史 通史編 9』(愛知県史編さん委員会/編集 愛知県 2020)
→記載なし
『愛知県史 資料編36』(愛知県史編さん委員会/編集 愛知県 2016)
→記載なし
「地図蔵」検索
(https://japonyol.net/)
→「廃止された鉄道路線と駅のマップ」に南方貨物線の表示は無し。
「鉄道歴史地図」検索
※鉄道の開業年、設置・廃止時期、廃線の路線図、時代による変遷が地図で一覧できるサイト
(https://rail-history.org/)
→南方貨物線の表示は無し。
(ウェブ・ページ最終閲覧日2022.9.27)
- 事前調査事項
- NDC
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- 鉄道運輸 (686)
- 産業政策.行政.総合開発 (601)
- 地理.地誌.紀行 (290)
- 参考資料
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宮脇俊三編著 , 宮脇, 俊三. 消えた鉄道実地踏査60. JTB, 1998. (JTBキャンブックス, . 鉄道廃線跡を歩く||テツドウ ハイセンアト オ アルク ; 5)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I009025467-00 , ISBN 4533030025 -
愛知県. 愛知県地方計画 第3次. 第3次愛知県地方計画委員会, 1970.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001157731-00 - 市会活動の回顧4年のあゆみ
-
新修名古屋市史編集委員会 編 , 名古屋市. 新修名古屋市史 第7巻. 名古屋市, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002751140-00
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宮脇俊三編著 , 宮脇, 俊三. 消えた鉄道実地踏査60. JTB, 1998. (JTBキャンブックス, . 鉄道廃線跡を歩く||テツドウ ハイセンアト オ アルク ; 5)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000321487