レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/02/17
- 登録日時
- 2016/05/15 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:37
- 管理番号
- M15021716370241
- 質問
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就実高校の建学の精神である「去華就実」の原典がどこにあるのか知りたい。
明治41年の「戊申詔書」の一節、“華ヲ去リ実ニ就ク”に由来すると言われているが、他校の校名の由来や年号がそうであるように、中国の古典から引用されているのではないか、と考えている。
- 回答
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①『就実学園百年史』には、「戊申詔書」の一節の「「華ヲ去リ実ニ就ク」ということばを漢文に直して「去華就実」と記したものと言われている。」と記載あり。
②の石田省三著「「去華就実」の由来と展開」という論文によると、①に対して著者はこの成句が「戊申詔書」以前に遡るのではないかと考え、検証している。
その論文の中で、根拠として、③芳村弘道著の「「去華就實」の出典」に、「去華就実」という成句が「中国の古典に古くからあらわれていることを検証されて」おり、「『唐宋八大家文読本』の自序であろう」とされている。
「その後、芳村弘道先生より「四庫全書」中から新たに十九の使用例が見つかったとご教授をいただいた」とあり、四例をあげていた。
その用例の内、余靖(よせい)『武渓集(ぶけいしゅう)』巻五「詔亭記」には、「太守曰、吾以敦朴化人、無事於侈、可去華就實」ということばがある。『武渓集』巻五「詔亭記」は北宋時代に著わされており、十一世紀中頃まで遡ることができる。
③ ②の根拠とされた芳村弘道著の『「去華就實」の出典』という論文によるものとされているため、雑誌を確認したところ、p3に「「去華就實」は、「清の沈徳潜(一六七三~一七六九)が編した『唐宋八大家文読本』の自序(乾隆十五年、一七五〇年撰)に見出せるのである。」とあった。
④「唐宋八大家文読本」については『唐宋八大家文読本 一(新釈漢文大系70)』のp9-11に、「去華就實」の成句があった。当館には『武渓集』の所蔵がなかったため確認ができなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 参考資料
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①就実学園『就実学園百年史』就実学園.岡山.2005.573p.参照はp8-9.
②石田省三「「去華就実」の由来と展開」 雑誌『吉備地方文化研究』第21号.就実大学.岡山.2011.2 p99-131 参照はp99、p109-114
③芳村弘道「「去華就實」の出典」雑誌『なでしこ』第22号.就実女子大学日本文学会.岡山.1993.7 p1-5
④『唐宋八大家文読本 一(新釈漢文大系70)』明治書院.1978.489p.参照はp9-11
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①就実学園『就実学園百年史』就実学園.岡山.2005.573p.参照はp8-9.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2015021716385270241
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000192207